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「変化」という日常を拒むなら、素敵な余生を送ろう

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「今、世の中が大きく変わり始めている。」

「そうだよなぁ」と誰もが思ってしまう。しかし、この言い古された言葉は、世の中を表現する万能のレトリックであり、実はなにも世の中を説明していない。

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かつて変わらない世の中などあったのだろうか。私達の日常は、日々変化の連続であり、その変化に対処する営みが生活であり、仕事ではないのか。つまり、生きるとは変化への適応なのだ。その日常の変化の積み重ねが、大きなうねりとなって時代の流れを創り出している。

「よく生きる」とは、この変化を冷静に受け入れ、自らの不適応を悟り、新たな変化への適応を模索する営みではないのか。

世界を見渡せば、様々な事情から「よく生きる」などままならず、生命維持のための「生きる」だけが精一杯の人たちもたくさんいる。ならば、「よく生きる」環境が与えられている私達が彼らの「よく生きる」に責任を持つことは当然であろう。変化を受け入れるとは、そこまでも含めて受け入れることではないのか。

あの東日本大震災もそんな変化のひとつだったのだろう。多くの人が亡くなり、生活の基盤を失った。その圧倒的な破壊と喪失感を「変化」というありふれた言葉に置き換えることにためらいも感じるが、悠久の自然の営みに照らせれば、それはひとつの変化に過ぎない。

目先を転ずれば、モバイル、ソーシャル、オフショア、クラウド、ビッグデータ・・・これまでの常識を非常識に変えてしまう様々な変化が生まれている。この変化はビジネスの有り様を変えるだけではなく、社会や文化、人々の価値観にも様々な変化をもたらそうとしている。

このような変化に目をつむり、変化への適応を放棄する人たちがいる。かつての成功、これまでの平和、これまでの技術を大切に思い、それが今でも通用すると信じている。確かに、かつてはそれでもうまくいった。しかし、過去の栄光は、もはや何光年も離れた別の銀河の恒星の輝きであり、それを美しい感じることはあっても、太陽のように私達の生活を豊かにしてくれる存在にはならないこともある。

「むつかしくて理解できない」、「私は古い人間だから」、「最近の若者の考えていることはよくわからない」など、様々な言訳で自らの思考停止を正当化しようとする人たちがいる。そして、年齢や社会的地位という絶対的な尺度を権威として振りかざし、変化への対応を模索する人たちに圧政を強いる。今の世を見渡せば、そんな構図に支配されている企業や組織も少なくない。これを普遍化するつもりはない。そうではない人たちや企業も数多くある。しかし、言葉では変化を認めつつも、行動として変化に抗する人たちがいることもまた事実だろう。

組織に属することを辞めた自分にとっては、変化に適応することの難しさや、変化に適応しなければ、簡単に干されてしまう現実を、身をもって感じている。組織という慣性に引きずられることもなければ、守られていないからだ。組織に閉じこもっていると、この変化に気付く機会は得にくいものだ。

しかし、社外の人たちの勉強会や研究会、イベントなどに参加してみると、そういう自分を冷静に見直す機会が得られるだろう。自分の組織の慣性が、世の中の変化という流れから外れようとしていること、あるいは、自分がその慣性に身をゆだねて、世の中の流れから遠ざかり始めていることを感じることができるかもしれない。

「変化」が日常であることを忘れないようにしたいものだ。それができなくなったときは、静かに余生をおくるという生き方もある。それもまた、素敵な生き方だが、私には、しばらくはそんな生き方はできそうにもない。


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システム・インテグレータの今と次のシナリオを考えて見ました

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「システムインテグレーション崩壊」

〜これからSIerはどう生き残ればいいか?

  • 国内の需要は先行き不透明。
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「どうすればこれまでの事業を守れるだろうか?」

新しい事業に取り組もうとするとき、こう考えてしまうのは当然のことです。しかし、既存事業を前提に考えれば、新たな発想はなかなか生まれてきません。また、自分達が今持っている人材やスキル、資金余力、顧客チャネルなど、限られた範囲で、今「できること」を考えようとします。このような「シーズ(種)起点」の発想は、多くの場合、うまくゆきません。

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