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バーバリーやメルセデスベンツなどの世界的なブランドが始めたグーグル+ページはファンとのコミュニ ケーションに使える

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日本では、ソーシャルメディアと言えばほとんどフェイスブック一色といった印象があるが、世界中に顧客を抱えているバーバリー、グッチ、メルセデスベンツ、BMW、アウディ、コカコーラなどのブランドは、グーグル+ページを作成し、カスタマサービス、顧客との交流、マーケティングなどに活用している。


■ グーグル+ページにとって重要な3つの機能

初めに、企業の役に立つと思われるグーグル+ページが提供している3つの機能について簡単に整理しておきたい。重要なのは、ハングアウト、サークル、+1ボタンの3つだ。

①ハングアウト(Hangouts)

ハングアウトは、企業が自分たちの顧客・ファンと直接リアルタイムにお互いの顔を見ながら会話ができるビデオチャット機能だ。顧客・ファンから商品に対する意見・感想を聞いたり、顧客・ファンからの質問に答えたりと、使い方次第では様々なビジネスシーンでの活用が考えられる。

②サークル(Circles)

サークルは、企業が自分たちの顧客・ファンだけを集めることができる特別なグループだ。サークルに登録しているユーザは熱狂的な顧客・ファンである可能性が高いため、適切な顧客・ファンに対して、適切なメッセージを適切な方法で届けることができる。例えば、スペシャルなセールの案内を送ったり、エンゲージメントに最大の効果を発揮する。

③+1ボタン

+1ボタンは、フェイスブックの「いいね!」と同じような機能で、ユーザが企業のページや投稿したコンテンツに対して自由にポストすることができる。企業は、+1ボタンの数から、投稿したコンテンツに対するユーザの評価をある程度知ることができる。

また、グーグル+ページはアカウントを作成した後、以下のURLにアクセスして簡単に作成することができる。少なくても、フェイスブックファンページよりは断然簡単そうである。

⇒ https://plus.google.com/pages/create

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■ グーグル+ページを構成する4つのコンテンツ

グーグル+ページを作成したら、次にコンテンツを用意しなければならない。グーグル+ページに用意できるコンテンツは、投稿、基本情報、写真、動画の4種類だ。では、実際にどんなコンテンツを用意しているのか、世界中に顧客がいるバーバリー、メルセデスベンツのページを見てみたい。


=ケーススタディ1:バーバリー(Burberry)

バーバリーのページで特長的なのは、一番上に用意されてる雪のような結晶が降ってくるように見える5つのgifアニメーションと、投稿された情報のトップに表示されているビデオの存在だろう。バーバリーらしい気品溢れる雰囲気の中にも、動きのあるページを上手く演出している。


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アパレルブランドとして世界中にファンを抱えているバーバリーは、すでに12万6千以上のユーザが自分のサークルに加えている。コンテンツとして提供しているのは、投稿、基本情報、写真、動画の4種類。更新頻度はあまり多いとは言えないが、更新時にまとめてコンテンツをアップする傾向があるようだ。

コンテンツとしては、テキストによる情報よりも、写真とビデオが目立つ。写真のコンテンツはかなり充実しており、全部で9枚のアルバムと79枚の写真を用意している。内容はほとんどが商品の宣伝を目的としたもので、バーバリーの商品カタログ集として十分機能している。一方、ビデオは4本と数は写真に比べると少ない。ブランディングビデオの中に、Burberry Acousticというタイトルのミュージックビデオが混じっているのが印象的だ。


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⇒ バーバリーのグーグル+ページに用意されているビデオは以下で視聴することができる。

  ① Burberry Acoustic - 'Country Song' by Jake Bugg

  ② Burberry Beauty - Winter Storms Looks Look 

  ③ Burberry Beauty Tutorial: Winter Storms Look  


= ケーススタディ2:メルセデスベンツ(Mercedes-Benz) 

ドイツの自動車メーカーとして名高いメルセデスベンツのグーグル+ページは、6813人のユーザがサークルに加えている。上記のバーバリーと比べればかなり少ない。ただ、コンテンツの更新頻度はかなり多く、ほぼ毎日なんらかのコンテンツが投稿されている。多いのはやはり写真とビデオだ。


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写真は、全部で18のアルバムと200枚近い写真が用意されている。内容は、メルセデスベンツファンにはたまらない車種を写したものが多く、カタログと言ってもいいようなクオリティとなっている。ビデオはは全部で5本用意されており、いずれもメルセデスベンツらしいブランディングビデオばかりだ。


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■ 今回のまとめ <グーグル+ページはファンとのコミュニケーションに十分使える>

今回様々なブランドのグーグル+ページにアクセスしてみて感じたことは、B2Cのビジネスを展開していて、顧客・ファンと深いコミュニケーションを実現したいと考えている企業にとって、グーグル+ページは十分使えるということ。

現在のグーグル+ページには、残念ながらフェイスブックのような決済までをカバーするような豊富な機能はない。しかし、その機能の少なさが、企業から見た場合逆にチャンスでもある。というのも、最近のフェイスブックは、機能が多過ぎるせいで逆に使いこなすのが難しくなってきている。私自身そう感じているし、他のユーザからも同じような意見を良く耳にする。

フェイスブックファンページも、f-コマースなどの機能が加わり複雑化する一方だ。ただ単に顧客・ファンとコミュニケーションしたい企業、企業とコミュニケーションしたい顧客・ファンからすれば、今のフェイスブックファンページはあまりにも機能過多だ。本当に必要なコンテンツ、情報を見つけることさえ困難になってきている。ファンにとって使いにくいページは、ファンページとは言えない。

その点、グーグル+ページには無駄な機能がなくとてもシンプルだ。投稿、基本情報、写真、動画の4種類のコンテンツしかないため、企業はコンテンツの管理が簡単に行えるし、顧客・ファンは探しているコンテンツを簡単に見つけることができる。ソーシャルメディアの基本原則であるコミュニケーションという観点からみた場合、グーグル+ページの方がファイスブックファンページよりも優れているのではないだろうか。

機能とコンテンツがシンプルだというメリットは、インターフェースにも表れている。最近のフェイスブックのページは、情報が詰め込まれ過ぎているせいか非常に見ずらくなっている。その点、グーグル+ページはレイアウトがシンプルな上、それぞれの情報が非常に見やすくなっている。

f-コマースなどの機能が特に必要ではなく、顧客・ファンとのコミュニケーションが目的であれば、日本の企業もグーグル+ページの作成をそろそろ検討してもいいのではないだろうか。活用次第では、マーケティングとカスタマサービスの2つの用途でグーグル+ページは効果を発揮するはずだ。

※ Nielsen’s Tops of 2011: Digital 

ニールセンが発表した最近の調査結果によれば、フェイスブックとグーグル+に依然大きな開きがあることも事実ではあるが。

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