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モバイルを使い始めて30年の筆者が活用しているモバイル機器、モバイルシーンを紹介していきます。スマートフォン、ノートパソコン、PDA、携帯電話に加え、様々なネットサービス(ソーシャル、クラウド、レンタルサーバーなど)、周辺機器(Bluetoothヘッドセット、Bluetoothキーボード)との連動をご紹介します。

ウェアラブルが革命を起こす日

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モバイルを愛していますか?モバイル情報ブロガーの伊藤浩一です。2015年もそろそろ終わりますが、みなさまのモバイルライフはいかがでしたでしょうか。今年は、SIMフリースマホや格安SIMの普及が進むなど、モバイルシーンが大きく変わった一年でした。そんな激動のモバイルにおいて、今ひとつだった印象のデバイスがあります。ウェアラブルです。

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ウェアラブルは、活動量計により普及が進み、2015年はスマートウォッチの本命、アップルの「Apple Watch」にてさらにブレイクすると思われました。しかしながら、ウェアラブルの普及は今一つの印象です。例えば、ランニングを愛好する方でもウェアラブルを付けるよりは、iPhoneを腕に巻いて使っている方が多い印象です。

何故、このような現象が起きているのでしょうか。これは、20年前のPDA(パーソナルデジタルアシスタント)時代を思い出します。1997年にリリースされたWindows CEを搭載したPDAの「カシオペア」や「モバイルギア」の最初のコピーは「PCコンパニオン」でした。PCにケーブルで接続することで、PCのデータと同期しながら利用する機器だったのです。

PDA機器自体は面白い端末だったのですが、このPCと同期することが前提であるPDAの使い勝手は悪いものでした。当時のモバイルユーザーは通信機能のないPDAにモデムカードや通信カードを内蔵させて、PCと連携しないスタンドアローン機器として活用する道を模索しました。その後、PDAはOSと機器の進化により、無線LAN機能などでネット端末化を目指しますが、このPDAの「PCコンパニオン」の呪縛はなかなか外すことができず、結果的に、通信機能を内蔵して単体でネットができる携帯電話にメールやWEB機能を奪われてしまい、PDAの存在意義を失って、市場は壊滅しました。

ウェアラブルも同じような道を歩んでいると思われます。活動量計やスマートウォッチは、まさに「スマートフォンコンパニオン」になっています。スマートフォンと同期しないと何もできない機器が多くあります。PDAがPC連携前提で失敗したように、ウェアラブルもスマートフォン連携前提である点が、普及を遅らせているのではないでしょうか。

このウェアラブルが、スマートフォンの呪縛を外れ、単独で通信機能を持ち、自らクラウドと同期できるようになって、初めて活用のスタートラインに立つと思われます。スマートフォンの呪縛を外れて、自由になる革命を起こす日、モバイルユーザーとして2016年に期待したいことです。

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