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モバイルを使い始めて30年の筆者が活用しているモバイル機器、モバイルシーンを紹介していきます。スマートフォン、ノートパソコン、PDA、携帯電話に加え、様々なネットサービス(ソーシャル、クラウド、レンタルサーバーなど)、周辺機器(Bluetoothヘッドセット、Bluetoothキーボード)との連動をご紹介します。

国産メーカーは、何故、スマートフォン市場で撤退してしまうのか?

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モバイルを愛していますか?モバイル情報ブロガーの伊藤浩一です。

モバイルユーザーにとって、最近寂しいニュースが相次いでいます。スマートフォン市場における国産メーカーの撤退報道です。携帯電話時代に、一時代を作ったメーカーが、スマートフォン時代に一気に撤退へとシフトしてしまっています。

寂しい思いもありますが、実は、私も使っているスマートフォンは、海外メーカー品が多くなってしまっています。何故、国産メーカーを選択しないのか?スマートフォンのヘビーユーザーである私の視点から考えたいと思います。

私がスマートフォンとして、初めて使ったのは、シャープ製のW-ZERO3でした。この時代は、スマートフォンは他に選択の余地がないため、W−ZERO3シリーズを愛用しました。PDAユーザーにとっての救世主的な圧倒的な存在感に惚れてしまっていました。

その後、iPhone,Androidの時代になってくるのですが、iPhoneはアップル製で、Androidも海外メーカー品をメインに使ってきました。Androidでは国産メーカー品もいくつか使ってきたのですが、どうにも使いにくい部分が多く、長く使い続けるのが大変だったりします。

実は、私にとって、スマートフォンは別に使いにくくても構いません。自分でカスタマイズしてしまうからです。自分の使いやすいスタイルに変更できるのが、スマートフォンの良さです。そのカスタマイズしても、どうにも使いにくいと、国産メーカーのスマートフォンに感じてしまいます。

使いにくさを感じた部分としては、大きく分けて2つありました。速度が遅いこと、不安定なことです。このハードウェアに起因する事象は、ユーザーカスタマイズでフォローするにも限界があります。せめて、基本性能さえ、しっかりしていれば、あとはアプリケーションの導入などで、何とかなるのですが、性能に起因する部分はどうにもなりません。

まず2年前に購入したT社のスマートフォンは、電源周りがどうも不安定で、再起動したり、電源が落ちたり、と泣かされました。さらに、充電ができなくなってしまったのですが、こちらはソフトウェアアップデートにて対応がありました。充電できない不具合、というもの凄いですが。最近は、SIMカードを認識しなくなったり、とトラブルが起きており、油断のできない機種です。

そして、今年購入したF社のスマートフォンは、本体が凄く加熱します。手で持っていられないほどの熱くなります。画面オフでも、Wifiの通信が切れない場合があり、そのときは、ずっと加熱しっぱなしになります。そして、全体的な速度が遅いです。今どきのスマートフォンで、画面がカクカク動くのはどうかと思ってしまいます。

さらに、両機種とも、バッテリーが持ちません。一日使っていると不安になるレベルです。

どちらもカスタマイズしない初期状態で、そのような現象が起きています。アプリによるカスタマイズで何とかフォローして、使い続けているような状況です。

せめて、スマートフォンとしての基本性能がしっかりした端末をリリースすべきだと、ユーザーとしては感じてしまいます。電話として安定していること、バッテリーが持つこと、速度が快適に動くこと、これだけでいいと思います。余計な機能やアプリは必要ありません。

シンプルで、電話として、安心して使い続けることのできるスマートフォンを、リリースできていれば、現在の国産スマートフォンの惨状は、まだ避けられていたのではないでしょうか。

スマートフォン初心者の方に、「スマートフォンでおすすめは?」と聞かれて、iPhoneを薦めてしまいます。日本のユーザーとして、寂しいことです。せめて、基本性能がしっかりしていれば、初心者の方にも安心して薦めることができます。

日本メーカーがスマートフォン市場を撤退する要因としては、マーケティングなど戦略ミスなどもあるとは思いますが、このような品質の問題もあるのではないでしょうか。

携帯電話で世界の流れとは違った一時代を作った国産メーカーは、スマートフォンの世界では、海外メーカーに何歩も遅れをとってしまいました。日本ならではの頑固な品質を守った製品の登場を待ちたいところです。

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