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モバイルを使い始めて30年の筆者が活用しているモバイル機器、モバイルシーンを紹介していきます。スマートフォン、ノートパソコン、PDA、携帯電話に加え、様々なネットサービス(ソーシャル、クラウド、レンタルサーバーなど)、周辺機器(Bluetoothヘッドセット、Bluetoothキーボード)との連動をご紹介します。

Graffitiからモバイルの日本語入力を考える

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みなさん、モバイルを愛していますか?モバイル情報ブロガー伊藤浩一です。

懐かしいアプリをドコモのAndroidタブレットdtabに入れてみました。「Graffiti」です。「Graffiti」と言えば、Palm OSに搭載されていた一筆書きの日本語入力システムで、PDAを使っていた当時は画期的な入力方法でした。久しぶりにGraffitiで入力してみたのですが、意外に覚えているものですね。

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Graffitiを使っていると、モバイルで、いろいろな日本語入力方法を使ってきたなあ、と思い出してしまいました。デジタルデバイスに日本語を初めて入力した経験と言えば、記憶が曖昧なのですが、ワープロのような気がします。学生時代は、コンピューターは、大型計算機センターの端末入力として利用していたので、プログラムやデータ入力のみで、日本語は使っていませんでした。卒論は、勿論手書きだったのですが、少しでも効率を上げたいと思い、大型のワープロを購入して、キーボードによる日本語入力を覚えていきました。1980年代のことです。

その後、社会人となり、仕事も手書きが全盛だったのですが、会社にワープロを持ち込み、せっせと内蔵プリンターでプリントしてた覚えがあります。ワープロは、どんどん小型化され、最後に使ったオアシスポケット2は、まさにモバイルサイズのワープロで、旅行先にも持ち歩いて、モデム経由でパソコン通信も利用していました。

このワープロ経験が大きいためか、キーボード付きの小さな端末を持ち歩きたい、という想いから、モバイルユーザーになっていったと思います。最初に使ったPDA、HP200LXでは、搭載されているミニキーボードにて親指入力を愛用するようになりました。本体を両手で持って、親指で入力する方法で、俗にHP打ちと呼ばれていました。日本のPDAと言えば、SHARPのザウルスがあったのですが、ザウルスのペンによる日本語入力には馴染めずに、キーボード付きのPDAを愛用していきました。

PDAを利用していた時代に、衝撃的だったのは、Palmの登場です。ペン入力モバイル端末ということで、興味が全くなかったのですが、ある日、会社の後輩が、モバイル端末でペンでさくさく入力していました。それも非常に速い入力でした。それがPalmだったのです。後輩からGraffitiという入力方法で入力していると教えられました。ザウルスのペンによる文字入力に挫折した私には、このGraffitiの一筆書きの文字入力方法は、ペンによる簡易キーボードように感じられ、キーボード付きモバイルを愛用してた私には画期的な入力方法に感じました。

早速、Plam OSの搭載されていたVisor Deluxeを購入して、Graffitiの特訓の毎日。ちょっとしたメモや、スケジュールやアドレス入力では、Graffitiの文字入力が活躍しました。ただ、その後、著作権の問題から、Graffitiの入力方法が変更され、Graffiti2になったときに、入力方法に馴染めずに、内蔵キーボード付きのPalmへと利用方法を変更してしまいました。

モバイルにおける日本語入力は、その後、携帯電話のテンキー入力や、Windows Mobileにおけるソフトキーボード入力、iPhoneのフリック入力、といろいろ遷移してきました。結局、一番愛用しているのは、ソフトキーボードのQWERTYタイプです。テンキーやフリック入力には慣れずに、どうしてもキーボードスタイルに戻ってしまいます。そんな私が、QWERTYキーボード以外で、唯一、愛用した入力方法が、Graffitiだったのです。

モバイル端末として、スマートフォンやタブレットが全盛の今ですが、私のこだわりとしては、日本語を快適に入力したい、ということがあります。今後の端末で、どんな日本語入力方法が、開発されてくるのか楽しみです。
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