「入れ歯専門の歯医者」が実際の症例と治療、治療に対する考え方を紹介する記事を中心に書いていきます。

前歯が出すぎている入れ歯を削って切端咬合にして、入れられるようにしました。

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「総入れ歯を入れていられない」60代女性Nさんの悩みです。
 
他院で作られた入れ歯は、上の前歯が下の前歯を保護するように美しいフォルムに造形されていました。学生時代の教科書に載っていそうな理想的な歯並びの入れ歯です。私が手を出す余地はなさそうですが入れ歯は作品ではありません。Nさんの生活に支障が出ないように修正する必要があります。

どのように修正すればいいのか。これは歯科医が決めることではなく患者さんに聞くことです。入れ歯になる前の歯並びをお聞きしました。

答えはすぐにわかりました。

自分の歯があった時は上より下の歯並びの方が前に出ている反対咬合でしした。今回のような教科書的に理想的な歯並びを作ってしまうと、違和感が強くて入れられないことがあります。

そこで上の入れ歯を調整することにしました。上下の前歯の先端が接する「切端咬合」の歯並びになるように厚さ5ミリほど大胆に削ります。このような歯並びの作り方は教科書には載っていません。

入れ歯治療で大切なのは第一印象です。私が最も参考にしているのは教科書ではなく患者さんの言葉。
ひと回り小さくなった入れ歯を入れたNさんは「スッキリしました。これなら入れられそうです」とおっしゃってくださいました。1週間後に来院されたので様子を伺ったところ快適に使っているとのことでした。

今回行なったさNさんの入れ歯を削って合わせる治療は保険適用で約5,000円でした(治療費は症状により個人差があります)。

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