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【書評】憂鬱でなければ、仕事じゃない

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お盆休みは休暇をもらって岩手県に来ています。松井です。

新幹線での移動などで時間が取れたので4冊ほど本を読んだのでそれぞれ書評を書いていこうと思います。まず一冊目は「憂鬱でなければ、仕事じゃない 」です。

タイトルからするとかなり精神論のにおいがしてどんなもんかなぁと言う気分で買ってみましたが、内容はかなり示唆に富んでいる上、現代の仕事のあり方を考えさせてくれました。

本書では見城 徹 氏と藤田 晋 氏という少し世代のはなれた二人が仕事感について語る内容です。とはいえ対談という形式をとらず、各章で同じテーマについてそれぞれの考えを語っており、それを比較しながら読むことができます。

どちらの考えが自分に近いか、それとも全く違うのかを考えながら読み進めると今の自分がどういう思いで仕事をしているかを知るのに役立つのではないでしょうか。

それぞれの考えを比較してみると人と相対する姿勢については共通するが、コミュニケーションをとる手段についてはやはり世代の差が見えてきます。見城氏が名刺の渡し方ひとつにもかなりこだわりを持っているのに対し、藤田氏はソーシャルネットワークの自分のアカウントに誘導する方がいいだろうというところは特にその違いが顕著です。ただ、そんな藤田氏も相手がどうかがわからないときは上の世代に合わせるのが無難だろうとは述べていますが。

二人の共通点を挙げるならば、どちらも自然体で素直でいることを心がけているということでしょうか。その場しのぎで自分を回り似合わせることのデメリットについては参考になると思います。空気を読むだけではやはり存在感が薄れるし、仕事に真摯に向き合う上で不適切なんだろうなと感じました。いや、むしろ仕事に真摯に取り組んでいたらその場の空気に流されるということは無いのでしょう。

この本を読んでみて一番思ったことは、古いからといって毛嫌いせず、あらゆる世代の意見を聞く姿勢が必要であることです。ビジネスマンの多くは上司の考えや態度に不満を持っている方も多いことでしょう。しかし、もしかしたらその考えには何かの根拠があってそのようになっているかもしれませんし、そうした考えに触れる機会を自ら経つのはもったいないなぁと思います。

僕もどちらかというと過去の考え方に対してネガティブに考える方です。しかし、こだわりが過ぎて考えが硬直してしまっては本末転倒です。常に柔軟にいろいろな考え方に触れ、自分の考えをバージョンアップしていきたいものです。

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