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弊社に関する一部報道について(ドコモ)の読み方

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12月1日付の日経ビジネスオンラインに掲載された、「ドコモ、来年夏にiPhone参入 次世代高速通信規格「LTE」に対応」のスクープ記事と、その後のドコモによる否定のお知らせ「弊社に関する一部報道について」が、話題になっています。

ネット上では、どっちなのよ?!、というような書き込みもチラホラ。

このドコモによるお知らせを見ていて、この手のデリケートな文書の場合は短くてもかなりいろいろ気を使っていると考えられます。

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弊社に関する一部報道について
2011年12月1日

平素はNTTドコモグループのサービス・商品をご利用いただき、誠にありがとうございます。

本日、一部報道で、当社がアップル社の「iPhone」及び「iPad」の取り扱いを開始する旨の報道がありましたが、
現時点において、「iPhone」及び「iPad」の取り扱いについて、当社がアップル社と基本合意したという事実はございません。

また、現時点において、「iPhone」及び「iPad」の取り扱いに関し、アップル社と具体的な交渉をしている事実もございません。
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どんなポイントが考えられるかというと、


①「一部報道で」
日経ビジネスの記事をもとに別のルートで見聞きする人もいる可能性があるので、日経ビジネスオンラインの報道で とはならない。


②繰り返し「現時点で」の表記
あくまでも現時点では、と敢えて強調しています。場合によっては、極端な話明日は違うかも。
また、実際に現時点ではアップルと全く交渉していないとしても、将来その可能性がある(ないしは、そういう期待を持っている)とすれば、全否定より、多少やわらげる配慮と見ることもできます。


③最後の一文
日経ビジネスオンラインの記事の主文は、
「NTTドコモは米アップルの人気スマートフォン「iPhone」とタブレット端末「iPad」の次世代機を日本国内で販売することで、アップルと基本合意した。」
なので、前段の「・・・基本合意したという事実はございません。」で充分なはずで、さらに追い打ちをかけるように、「・・・具体的な交渉をしている事実もございません。」とまで書かれているのは、かなり強い否定になっていると思います。

一般的に、この手の機密性の高い事項についてのスクープに対しては、追いかけて正式発表するか、正式発表までの間、まだ確定した情報はありません的なコメントが出されるのが通例ですが、このお知らせでは、明確に否定し、かつある意味念押ししているので、少なくとも当面はドコモから「iPhone」及び「iPad」についてのアナウンスは無い、というメッセージと読みとれます。


とすると、今回のスクープ記事は日経ビジネスオンラインの勇み足で、ドコモから「iPhone」「iPad」は未だ出ない、ということになります。
(逆に、これで、近日中に、「iPhone」「iPad」やりますよ!という発表がされるとすると、このお知らせは広報的にはちょっとマズイかもしれません。)


もっとも、事実はどちらなのかはわかりません。
さてさて、このあとどうなるんでしょうね?

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