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System CenterからAzureを監視、管理する最新デモ。クラウド時代のシステム管理もシームレスに

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Azureといえばレイ・オジー、すなわちマイクロソフトの将来的なテクノロジーや
ビジョンを語る文脈でAzureに言及することが多かったのだが、先日のスティーブ・
バルマーによる We're all in. の姿勢表明演説
に続き、サーバー製品のトップである
ボブ・マグリアが先日Microsoft Management Sumit(MMS)2010のキーノートでAzureに
ついてサーバー管理製品の観点から地に足の着いた説明を行っている。

キーノートのオンデマンド配信トランスクリプト(ともに英語のみ)が公開されて
いるので、ご興味がある方は是非ご覧いただきたい。なかでも、Azureに関するNewな
デモが行われている1時間11分から5分ほど、SHILPAさんがデモをしているシーンは
見ておいた方がよい。

やっていることはシンプルで、System CenterのGUI管理ツールからAzureを監視して、
簡単操作でノード追加をやってのけている。

まず、オンプレミスのサーバー群とAzureが混在したサービスが構成されている。

Systemcenterazure01

そして、稼働しているWebロールでアクセスが集中するスパイクがあることを
グラフィカルなモニタリング画面で確認し、

Systemcenterazure03

Webロールを2つGUI操作で追加し、サービスの負荷が安定するという流れである。

Systemcenterazure02

昨年のPDC09以降、System Centerからパブリッククラウド上のWindows Azureを
オンプレミスのWindows Serverと同じように管理できるようになるという
ロードマップはすでにお話ししているが、それを具現化した製品(のプロトタイプ
の一部)が今回のデモでお披露目となった。時期についても今年後半には製品として
提供できるだろうとボブ・マグリアがコメントしている。

これらの機能はすでにAzureに備わっている診断ログと管理APIをSystem Centerから
呼んでいるだけなので、製品機能として提供するのはそう難しい話ではない。
そしておそらく、System Centerを介したWindows ServerとWindows Azureの連携は
これだけにとどまらない。

本命はVM Roleと呼ばれている自由度の高いAzureのVM提供サービスが解禁に
なったとき、Hyper-Vで管理しているオンプレミスのサーバー群とパブリッククラウド上の
AzureにおけるシームレスなGuestOSイメージ管理になると思われる。

開発者は.NET開発環境でシームレス、ユーザーは多様なデバイスまたぐSilverlightや
WPFなどのUXテクノロジーでシームレス、さらに、システム管理者にとっても同じツールで
シームレスに管理できるようになる。まだすべてが完全に整っているわけではないが、
マイクロソフトのビジョンが徐々に実現されてゆくさまを眺めるのもまた一興。

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