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シェアの時代の消費行動とはなんぞ★書評「第四の消費」

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すなわち本書、「第四の消費 -つながりを生み出す社会へ-」(三浦展:著)のことだ。

>>消費行動の変遷の4つの分類

本書では主に経済的な背景をもとに、変遷する消費者の行動原理の移り変わりを4つのカテゴリに分類して構成されている。消費行動の移り変わりについて概略として理解するには手ごろな内容ってな感じ。

すなわち、4つのカテゴリとは

  1. 明治、大正時代における洋式文化の導入時期を指し、「モダン」「モダニズム」といった消費行動の黎明期
  2. 戦後から70年代頃の高度成長期を指し、洗濯機、冷蔵庫、テレビを所謂「3種の神器」と呼んでいた消費行動の活性期
  3. 70年代後半から2004年までのバブル期とその崩壊の前後を指し、ブランド志向の高まりなど消費行動の成長期
  4. 2005年から現在までのリーマンショックや東日本大震災などを経た時期を指し、消費行動の変遷期

としている。

中でも本書では第三の消費行動と第四の消費行動にスコープして、その違いについて考察している。

>>第四の消費がもたらすもの

第三の消費、これは僕たちもよく知っている社会的現象や志向だ。つまり、都市部への人口流入あるいは地方の過疎化であったり、ブランド品や高級車を持つことがステータスであったりして、例えば、女子高生がルイ・ヴィトンのバックや小物をこぞって所有していた時代の価値観のことだ。

その消費モデルは「個性」を見出すことを「モノを所有する」ことに頼った価値観をベースにしたものなのだと言う。だから、それによって他人よりも良いモノを持つことがステータスであり、「コム・デ・ギャルソン」を着る人は「ユニクロ」を着る人を低く見るといった消費格差が生むことになったという。

所有する「モノ」によって個性や自分の価値を表現する時代だってことなのかな?そのニュアンスはなんとなく分からなくもない。

そして現在、第四のフェーズとしてその価値観が変遷しているという。つまり人々は高級なブランド品を所有することよりも、「ユニクロ」や「無印良品」といったシンプルで手の届きやすい「モノ」を身に着けることを好むようになった。消費者は物を購入、所有することよりもそれぞれのライフスタイルにあった「モノ」を選択し利用する。

この「第四の消費」においてモノは所有することを目的とせず、利用すること。だから、冒頭に挙げた「シェアハウス」や「カーシェアリング」といった共有というモノの利用形態も浸透していく。高所得者ほどユニクロなどの利用は多くなっているという。

「モノ」によって確立されていた個性が、個性にあった「モノ」を消費するような逆転現象にあるのだろう。

>>つまるところ第四の消費が何かは曖昧である

本書の中でこの「第四の消費」は、個別事象や消費者の志向、嗜好については多く書かれているけれど、要するに何なのかという点が最後まで曖昧に感じる。僕の読解力の問題かもしれないけれど。

個性の確立のための消費行動は、つまるところ手段に過ぎないくなった、ということか?当たり前と言えば当たり前なんだけど、ようやく消費者達の行動が成熟してきたってことなのかな?

シェア、共有の時代に従来の「ブランド戦略」は通用しないことは解る。その上で企業は何を提供すれば良いのか?ってなことを考えて変革していかなきゃいけないんだろう、ってことは理解できたよ。

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 →「第四の消費 -つながりを生み出す社会へ-」(三浦展:著)

(正林俊介)

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