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【まず身近にあるダイバーシティーを】-キーワードは地方と女性だと思う-

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皆様こんにちわ。鈴与シンワート株式会社の正林です。

「失われた10年」「モノ作り日本」色々な場面で使われているこの言葉。いつまでそんなことを言っているのだろう。
確かにリーマンショック以降、日本のみならず経済界は混乱を極めていて、日本は未だその浮上の糸口すら見つけられていない。そして、日本の基幹産業は製造業特に自動車産業、電機産業を中心として発展し、現在がある。

けれど私は、製造業に関わるキーマンの口から「モノ作り日本」などという言葉は実際に耳にしたことは無い。自分たちが作り出す製品に対する愛着や自信、プライドを耳にすることはあっても。
だから私は、先に挙げた「失われた10年」「モノ作り日本」このキーワードは、繁栄を懐古する老境にある者の諦めの言葉のように聞こえて好まない。

私は、今あるこの環境の中で生き残らなければならないし、繁栄の時代を知らない。今リアルに自分の周りにある状況や素材を活用し、いかにして強く競争していくかを実践するのみである。
今、国内では生産人口がピークアウトすることが目に見えている。しかしそれは、現在のシステム(情報システムではなく)や社会構造を前提にしていて、何かしらの構造的変革によってそれは形を変えると考えているし、そうでなければならないと信じている。

それを実現する変革のキーワードは「ダイバーシティー化(多様化)」であるというのが私の私見である。そのポイントは「地方」そして「女性の社会進出」であると考える。

いま、経済の中心は東京に集中していて、その生活スタイルは(古い言葉ではあるものの)核家族化に伴う、子育ての難しさを潜在的に有している。
一方で、地方では2世帯、3世帯での生活がまだいきていて女性が働くことに関して言えばアドバンテージがあると思う。少子化を歯止めをかけながら、女性の社会進出によって生産人口の拡充を図り、ピークアウトを脱却する、これが今の閉塞感を解消するひとつの手法であるはずだ。

従来はロケーションとしての効率性から、東京一括集中が自然と進んできたと考えれば、ネットワークインフラ、様々な情報技術を活用して
地方への事業分散は可能決して不可能なことではないし、我々IT産業に身を置くものとしてはこのような技術や新しいサービスを創出することで社会貢献が出来るはずである。

そして、これを実現するためには企業側に、従来のカルチャーや制度を大幅に変革しなければいけない,という自覚と具体的実行が求められる。
すなわち女性の処遇改善、結婚、出産後も復帰しやすい職場の雰囲気や制度。そして育児をしながらも働くということへの理解。つまり「働きたい」と思える仕事や職場環境の構築、それを制度としてのみならず心情的にも歓迎するメンタル面の構造改革、これこそが重要なファクターであると考える。

時短勤務の充実や女性の社会進出、地方のポテンシャルの活用これは、働き方、性別、ロケーションなどの多様性を認めていくこと。すなわち今、身近にあるダイバーシティー化(多様化)を進めていくことに他ならない。

何もダイバーシティーはグローバル化の中にだけある訳ではない。この身近にある多様化を認められずして、グローバルで通用する多様化を実現することなど決して出来ないし、グローバル化はひとつのビジネスにおけるオプション、手段に過ぎないのだから。

<了>

-正林 俊介-



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