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『銀行はいずれなくなる?グローバル・プラットフォーマーの戦略とは?』~そして日本の金融業務はどうなるのか?~

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こんにちは!

明るく前向きに自分の財産を築いていこうと頑張るみなさんに、ハッピーな人生を送るための情報を提供する「ハッピーリッチ・アカデミー」管理人の川瀬です。

  ■プラットフォーマーが銀行業務を奪う日が来る?

ITとAIの進化に伴って最も劇的な変革が起きる代表的な業界は金融業界でしょう。
昔ながらの銀行は大きく業態を変えるか、もしくは無くなることになるかもしれませんね。

<先端技術進歩で銀行業務3分の1奪われる?> (2018年4月12日付 日本経済新聞)
『シティグループが3月にまとめた銀行の未来に関するリポートは、最大で3分の1の銀行業務が大手ハイテク企業や新興のフィンテックによって置き換えられる可能性を指摘した。
北米では2025年までに支払いや資産運用、融資などの分野で34%の売り上げを失うと予想している。
リポートは「銀行員が将来について心配することといえば、フィンテックよりビッグテック(大手ハイテク企業)だろう」として、有力な競合相手として米アマゾン・ドット・コムやフェイスブック、中国のテンセントやアリババを挙げた。』

今、世界中でフィンテック企業が続々と誕生し、すごいスピードで成長しています。
また、グーグル、アマゾン、フェイスブック、アリババなど「ビッグテック」がそういうフィンテック企業を買収したり、提携したりして自社のエコシステム(生態系)に取り込んで業務領域を拡大しています。

いわゆる「プラットフォーム戦略」ですね。
「プラットフォーム戦略」とは、関係する企業やグループを自社の「場」(プラットフォーム)にのせることで、新しいビジネスのエコシステムを構築する経営戦略です。
グローバルにプラットフォーム戦略を展開している代表的な「ビッグテック」である、
グーグル、アマゾン、フェイスブック、アリババなどは「プラットフォーマー」と呼ばれています。
プラットフォーマーは膨大な個人情報を持つビッグデータ企業でもあります。世界の銀行が束になってもかなわないデータ量です。これだけ個人情報をもっているプラットフォーマーが金融業務に入ってきたら、あっという間に金融市場の主役の座を銀行から奪ってしまうだろう、という話です。

まぁ、ほぼ間違いなくそうなるでしょうね。

  ■銀行業務のすべてがフィンテックに取って代わられつつある

銀行の三大業務である融資、預金、決済(送金為替)。
すでにそのすべての銀行業務を新興フィンテック企業が、より簡単でより安価なサービスを開発することで既存の銀行のシェアを奪っていっています。
そしてそれら新興フィンテック企業をプラットフォーマーがエコシステムの中に取り込んでいます。

例えば、世界随一のビッグデータ企業であるアマゾンは、小規模事業者向けに仕入資金融資する「アマゾン・レンディング」を運営しています。
アマゾンはECサイトへの出品者の売上データも仕入データも把握しています。どんな客層がいて、何が売れ筋で、いつ頃がシーズンなのか、ということもわかっています。
そういうデータを統計的にAIが分析をして、即座に運転資金の融資を審査し実行する、
とのことです。

決算書くらいしか情報がなく、その商売のこともよくわかっていない銀行員が時間をかけて融資審査をしているような銀行にとっては脅威でしょうね。

  ■「フィンテックの王者」、アリババとは?

すでに、量も質も完全に既存の銀行サービスを凌駕しているのが中国のアリババです。
アリババは、プラットフォーマーの中でもとりわけ金融分野に強く、「フィンテックの王者」と言われています。
元々はECサイトの企業ですが、ECサイトのオンライン決済を皮切りに、融資、預金、送金などすべての金融サービスを行っていて、すでにメガバンク以上の資金量と決済件数を誇っています。

アリババの金融部門である「アント・フィナンシャル」は世界最大のオンライン決済プラットフォームである「アリペイ」、世界最大のマネー・マーケット・ファンド(MMF)の「余額宝(ユエバオ)」、クレジット評価システムの「芝麻信用」などを運営しています。

アリペイの利用者は約4.5億人。世界最大のオンライン決済ネットワークです。すでに日本にも進出していて、約2万5千店舗で利用可能のようです。

中国では、ネットショッピングだけでなく、リアルのお店での支払いも公共料金も、ほとんどのことがアリペイで支払いが可能です。アリペイのアプリには、ユーザーのいる場所の近くにあるお店のレコメンド情報やそのお店の割引クーポンまでついてきます。支払いはアリペイのアプリからダウンロードしたQRコードをかざすだけです。便利ですよね。

アリペイは、アリババにとって購買履歴や決済履歴、位置情報などのビッグデータを取得するチャネルです。このデータで社会信用度を測り、それをレンディング(融資)に活かしています。
アリペイで基盤を拡げて、レンディングで稼ぐという構図ですね。

融資の審査・保証は「芝麻信用」が行います。芝麻信用は、個人のデータから信用を点数化しています。ポイントが高い人は、融資審査はもちろん、お見合いサービスなどでも優遇を受けられるそうです。もはや人間の格付けですね。
本当かどうかわかりませんが、この芝麻信用のお陰で若い人を中心に中国の人の暮らし方が変わったという話があります。中国の人は元々支払い期日を守らないことも多かったのですが、ポイントを落とさないためにモラルが高くなった、ということです。

  ■さて、日本は?

アリババは中国においては銀行の役割を完全に補完しています。
今後のテーマは世界進出です。アリババの成長の成功要因は中国の巨大な市場と政府の後押しがあったことです。ある意味、中国国有企業と言ってもいいくらいですが、これが世界進出の足かせになるのでは、という見方もあります。確かに、中国にデータを取られるような感覚を持つ人は多いかもしれませんね。

さて、日本のプラットフォーマーと言えば楽天ですね。Eコマースからスタートして、今では銀行も証券も決済も持っています。でも、まだまだ既存の金融機関を脅かすようなビジネスモデルにまで進化していません。

今後、日本のフィンテックはどのように進んでいくのでしょうね。
ケータイのようにガラパゴス的に進化するのか。
それとも、アマゾン、アリババといったグローバル・プラットフォーマーに飲み込まれるのか。

いずれにせよ、結果が出るのはそんなに遠い未来のことではないでしょう。
フィンテックのすごいのはその変化と成長のスピードです。
例えば、アリババのMMF「ユエバオ」の預かり資産はわずか4年で世界最大になりました。すでに2,110億ドルを超えていて、これは2位のモルガン・アセットマネジメントのMMFの約2倍の規模です。この成長スピードもアリペイから簡単に振替ができる手軽さが要因のひとつだと言われています。

アリペイがすごいスピードで成長できたのは中国の銀行の顧客サービスが弱かったことがあげられると思います。一方で、日本の銀行は全国津々浦々に展開されていて、どの銀行もサービスがしっかりしています。どんな田舎の人でも決済や送金で困ることはありません。これがある意味、新興フィンテックの成長を阻んでいる印象があります。

しかしながら、遅かれ早かれ伝統的金融業務だけやっている銀行は仕事のほとんどを奪われるのです。フィンテックへの対応や銀行業態の変革が遅れて、もたもたしているうちにあっという間にグローバル・プラットフォーマーに席捲された、などということにならなければいいのですが・・・。

今回は以上です。 次回もお楽しみに。

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