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『「今の生活に満足」が過去最高の73.9% これは諦めの哲学なのか?』
~「国民生活に関する世論調査」にみる今の国民の意識とは?~

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こんにちは!

明るく前向きに自分の財産を築いていこうと頑張るみなさんに、ハッピーな人生を送るための情報を提供する「ハッピーリッチ・アカデミー」管理人の川瀬です。

今回は「国民生活に関する世論調査」からです。
さて、あなたは今の生活に「満足していますか?」

■「今の生活に満足」が過去最高の73.9%。これは諦めの哲学?

日本経済新聞の人気コラムである『大機小機』。
私も必ず読んでいますが、そこで興味深い話がありました。
さて、皆さんはどう思われますか?

<満足していますか? 「大機小機」>
(2017年9月8日付 日本経済新聞)
『世の中なにかと暗いニュースが多い中、8月26日に内閣府が公表した「国民生活に関する世論調査」の結果は、おやっと思わせる内容だった。(中略) 「あなたは、全体として現在の生活にどの程度満足していますか?」という質問に対して、「満足」と「まあ満足」を合わせた人の割合はなんと73.9%。過去54年間で最高の「満足度」を記録したのである。(中略) これは一体どういうことなのだろうか。 先進国ではまれと言っていいほど賃金が上がらず、非正規雇用は4割に達しようとし、格差が広がり、社会保障の将来は不安であり、20年デフレが止まらず、さらに近隣からミサイルまで飛んでくる。 それでも4分の3の人は現在の生活に満足しているのだ。なぜだろう?」

日本国民のおよそ4分の3が現在の生活に満足しています。しかもこれは過去最高の水準とのこと。
こんな不安定で先行き不透明な時代にも関わらず皆が満足しているのはなぜなのか、と疑問を呈しておられます。

そして、「大機小機」氏はコラムの結びとしてこのように心配されています。

『「満足」は目標や願望と現実のギャップに依存する。過去十数年の上昇は、現実が良くなったのではなく、目標を下げたからだとしたらどうだろうか。日本人はついに「諦めの哲学」を身につけたということかもしれない。』
■目標≦現実? 目標≧現実?

日本経済が勢いよく成長していた1960年代の満足度はだいたい60%ほどだったそうです。いくら経済が高度成長していると言っても、その頃の日本はまだまだ貧しかったのでしょう。
「今は貧しいがもっと豊かになるために頑張ろう」と、現状に不満を持ちながらも未来に希望を持って頑張っていたのでしょうね。

理想とする生活を「目標」として、今の生活を「現実」としたとき、
目標≧現実 ←これが不満な状態。
「まだまだ理想の生活には達していないからもっと頑張るぞ!」という状態です。
高度経済成長時代は、現状に対する不満をエンジンとして皆が頑張っていた時代だったのでしょう。

目標≦現実 ←これが満足な状態
「もうすっかり豊かでほぼ理想の生活が出来ている」という状態でしょうか。
これが4分の3の国民が生活に満足しているという今の状況です。

この状況を「現実が上がったのではなく、目標が下がったのでは?」と「大機小機」氏は仮説を立てて心配しておられるわけです。それはもう「諦めの哲学」ではないか、と。

要するに「もうこれ以上暮らしは良くならないだろうからもういい。今の生活水準の中で慎ましく生きよう」と多くの国民が諦めたから満足度が上がっているのではないか、という危惧ですね。

確かに、もし国民の大多数が今の生活を良くすることを諦めて、貧しいままでいいとなったらそれはもう衰退国家ということになりますね。

でも本当にそうなのでしょうか?

■決して諦めの哲学ではない

「いや、決してそんなことはない。」と私は思います。
内閣府の『国民生活に関する意識調査(平成29年6月調査)』をより詳しく見てみるとそう思えます。

確かに全体では、現在の生活を「満足」とする人の割合は73.9%で、「不満」とする人の割合が25.0%と、国民の4分の3近くの人が満足しています。

もう少し踏み込んだのが次の質問。
「現在の生活の各面での満足度」について聞いています。
「所得・収入、資産・貯蓄、耐久消費財、食生活、住生活、自己啓発・能力向上、レジャ-・余暇生活のそれぞれの面で、どの程度満足しているか?」

この質問に対して、最も高かったのが、「食生活」で89.3%が満足しています。
次が、「住生活」でこちらは83.3%。あと「耐久消費財」も77.0%と高くなっています。

一方で、「満足」が低いのが「所得・収入」と「資産・貯蓄」です。
「所得・収入」での「満足」は51.3%、「資産・貯蓄」では44.4%しか満足していません。

「不満」が多いのも「所得・収入」と「資産・貯蓄」です。
「所得・収入」では46.9%が「不満」としています。「資産・貯蓄」では「不満」が52.4%と、不満の方が満足を上回っています。

世代によっても違いがあります。
「所得・収入」に対して不満としている人は特に男性の40歳代~60歳代で高くなっています。 「資産・貯蓄」に対しては男女ともに30歳代から50歳代で不満が高くなっています。 資産・貯蓄の面で「満足」としているのは、男女ともに60歳代、70歳代の層です。

まとめると、食事や住生活、耐久消費財など物質的にはすでに豊かになっているようで、ほとんどの人は十分満足しています。 確かに現在は1960年代と比べて物質面での豊かさは各段に向上していますからね。 しかし、だからと言ってこれ以上はもう無理、とあきらめているわけでもなさそうで、特に30歳代から50歳代の現役世代はもっと所得・収入も資産・貯蓄も増やしたいと思っている人が半数くらいいるわけです。

一方で、満足度が高いのはシニア世代です。 このように回答の構成を詳しく見ていくとちょっと「諦め」というニュアンスとは違う感じがしてきます。

■危機感と欲求は前に進むためのエンジン

そもそも日本人には、現状に不満を言い連ねるよりも、日々満ち足りた気持ちで暮らした方がよいという意識があるように思います。今の置かれている環境に対する感謝の気持ちですね。これは美しい感性です。

これと、前に進むために頑張ろうという健全な危機感や高い欲求水準はまた違う話です。

「危機感と欲求」。これは物事を前進させるエンジンです。
幸い、現役世代は、所得のアップや資産形成に対して危機感も欲求水準もまだまだ高いものがありそうです。全然、国民全体が「諦めの哲学」に支配されているわけではない、と思いたいですね。

最後にちょっと付け加えて言いますと、この調査の母集団自体がシニア世代に偏っています。 詳細を見ますと、回収サンプル数6,319件のうち、60歳代・70歳代は合わせて3,039件。 全体の48%がシニア世代です。10歳代~30歳代は合わせても1,253件と19%しかいません。

こういうことも加味して見た方がいいかもしれませんね。

今回は以上です。 次回もお楽しみに。

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