明るく前向きに自分の財産を築いていこうと頑張るみなさんに、知らないと損する豆知識や社会情勢の変化の個人の生活への影響などを、ファイナンシャルプランニングの視点から発信したいと考えています。住宅・不動産の相談実例を踏まえたテーマの他、政治・経済の時事も興味をもったテーマを取り上げてみたいと思います。

『残業規制がもたらす労働環境の変化とは?』
~賃金アップのために私たちが意識すべき働き方改革とは?~

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こんにちは!

明るく前向きに自分の財産を築いていこうと頑張るみなさんに、
ハッピーな人生を送るための情報を提供する「ハッピーリッチ・アカデミー」管理人の川瀬です。

賃金が上がってきています。 さて今後も持続的に賃金アップを実現するためにはどうすればよいのでしょうか?

■構造変化の中での実質賃金の増加はすごい

今、日本経済は安定的で緩やかな物価上昇の下での景気回復、すなわち「デフレ脱却」を目指しています。
物価上昇が好ましい景気循環の下で起きないとスタグフレーション(不景気下の物価上昇)になってしまうので、あくまで原則は好景気であること。
そのバロメーターが雇用と賃金の上昇です。
雇用はすでにほぼ完全雇用状態が続いています。
有効求人倍率は1.36倍とバブル期なみです。
そして、ようやく賃金も上がってきたようです。
さて、持続的な賃金の上昇に向けての視界は拓けているのでしょうか?

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<16年の実質賃金5年ぶり増 プラス0.7%、物価下落が影響> (2017年2月6日付 日本経済新聞) 『厚生労働省が6日発表した2016年の毎月勤労統計調査によると、 物価変動の影響を除いた16年通年の実質賃金は前年から0.7%増えた。 5年ぶりのプラスとなる。 名目賃金にあたる現金給与総額が0.5%増と3年連続で増え、 原油安や円高で物価が下がった要因も寄与した。 ただ12月は原油高などで実質賃金が前年同月より0.4%減っており、先行きは不透明だ。』

「名目賃金」というのは実際の支給額のことで、 「実質賃金」というのはそこから物価変動を加味したものですね。 例えば、実際の支給額が変わらない(名目賃金上昇率0%)時でも、 物価が2%下がっていると実質賃金は+2%増えたということになります。

記事にあるように、名目賃金は3年連続で増えていたものの、 物価がそれ以上に上昇していたため実質賃金は5年間プラスになっていなかったのです。 2016年は物価が少し下がったので実質賃金が上昇した、ということですね。

ここ数年で日本の雇用構造は大きく変化しています。 団塊の世代の大量退職で比較的高給の正社員が減っています。 一方で増えているのがパートやアルバイトなど非正規で働く女性です。 正社員が減って、非正規雇用が増える、高給の雇用者が減って、比較的低賃金の雇用者が増える。 つまり、賃金総額でいうとなかなか増えない構造に変化しつつあるのです。 そんな中で名目賃金が3年連続で増えてきたというのは結構すごいことだと思います。 日本経済はなかなか良いのですよ。

■物価は上昇傾向に。では賃金は?

しかし、16年の実質賃金の上昇は物価の下落とともにありました。 つまり、まだまだデフレ脱却とは言えない状況にあるということです。 物価が上昇しても、それ以上に名目賃金が上がった、というのが本当の意味で歓迎すべき実質賃金の上昇ですね。

その物価はどうやら再び上昇しそうです。 アメリカをはじめとして世界的に金利が上昇しはじめていますが、 日本は引き続きゼロ金利政策を取っています。 この内外の金利差は基本的に円安をもたらすものです。 再び円安傾向になれば輸入物価に上昇圧力がかかります。 また原油価格も2016年後半から徐々に上がってきています。

そんな中、2017年は物価の上昇以上に名目賃金が増えていくのかどうかが注目されるところです。 引き続き、雇用環境は好調なので非正規社員を正社員にしたりする待遇改善は進むでしょう。 大企業中心だった賃上げが中小企業にまで波及するのではないかと予測する向きもあります。 安倍政権が掲げている働き方改革では、 非正規社員と正社員の賃金格差を縮小することを掲げています。 これらのことは賃金上昇には好材料ですね。

一方で、安倍政権の働き方改革の中には賃金上昇に対して逆風となるようなものもあります。 私は、これは今年の賃金がどうこうなるというような一時的な話ではなくて、 文字通り、私たちに働き方そのものに対する考え方の変革を迫るものだと思っています。

■残業規制は賃金の押し下げ要因?

それは「残業規制」です。 働き方改革では長時間労働の是正が求められています。 今後、残業代は減少していくとみられますが、これは直近では賃金の押し下げ要因になります。 政府は残業時間に上限を設ける方向で検討を進めています。 実際に法制化されるのはまだ先ですが、長時間労働を是正する動きは社会的な大きな流れです。 すでに各企業で残業を抑制する動きが進んでいます。 2016年の名目賃金においても全体では前述のとおり0.5%増加していますが、 上がったのは基本給やボーナスであり、残業代は0.6%減っています。

これからは残業代をあてにしているような社員にとっては厳しい時代になります。 残業や休日出勤などには一定の割り増しがあります。 残業が減ることで毎月の賃金が減る社員も出てくるでしょう。 「残業代を見込んで住宅ローンを組んだ。」というような人は決して少なくありませんが、 そういう人は早々に家計やローン返済額の見直しを迫られるでしょう。

■賃金アップのためには、能力を上げて生産性を上げていくしかない

「限られた時間で成果を上げる」、これを当たり前のものにしていくためには、 社員側にも経営者側にも意識の変革が求められると思います。

まず社員側。 もう会社にいるだけでは給料はもらえませんので、 限られた時間内で仕事を進め、会社が求める結果を出さないといけません。 必要なのは能力の向上です。 時間内で結果が出す能力がない人は、 仕事を家に持ち帰って、残業代がつかない状態で仕事をすることになります。 残業代が減ると嘆いていても社会は救ってくれません。 成果でもって会社に能力を認めてもらって、残業代ではなくて基本給を上げてもらわねばなりません。

経営側も変わらねばなりません。 まず、「社員の成果や能力の向上に基本給の増加で報いる」と社員に約束する必要があります。 サービス残業を強いるような会社には社員が集まらなくなります。 仕事の成果を定義して、 そこに投入する労働時間を社員と合意して仕事を進めるようなスタイルが普通になります。 仕事に対する過不足ない労働工数を把握すること、適切な業務分担をすること、 社員の生産性向上をサポートするようなルールやシステムの導入することなどが必要になります。

ただ単に残業だけを規制しても働き方を変えないと誰も幸せにはなりません。 生産年齢人口(15歳~65歳)がすごい勢いで減っていく中、 限られた労働力で経済を成長させ、賃金を上げていくためには、 社員は成果志向で能力を上げていくしかないし、 経営側は生産性の高まる労働環境を提供していかねばなりませんね。

今回は以上です。 次回もお楽しみに。

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