明るく前向きに自分の財産を築いていこうと頑張るみなさんに、知らないと損する豆知識や社会情勢の変化の個人の生活への影響などを、ファイナンシャルプランニングの視点から発信したいと考えています。住宅・不動産の相談実例を踏まえたテーマの他、政治・経済の時事も興味をもったテーマを取り上げてみたいと思います。

『どうなる2017年、日本経済と世界経済』
~過度な保護主義の結末は?~

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こんにちは!

明るく前向きに自分の財産を築いていこうと頑張るみなさんに、
ハッピーな人生を送るための情報を提供する「ハッピーリッチ・アカデミー」管理人の川瀬です。

明けましておめでとうございます。
本年も宜しくお願い申し上げます。

さて今年はどんな年になるでしょうね。

■好調なスタートを切った世界経済

新しい年が始まりました。
2017年の株式相場は、EUもアメリカも、そして日本もまずまず好調にスタートした感じがしますね。
年末年始の報道を見ても、世界的に経済が上向いていることを感じさせる内容が多くありました。
米国は雇用も消費も好調だし、昨年は不安定だった中国市場も落ち着いています。
日本も経済は好調です。
株価は2万円を窺う状況になっています。
日経平均株価は昨年6月にイギリスがEUを離脱した時に大きく値を下げて
1万4千円台まで行きましたが、それ以降は着実に戻してきました。
11月にトランプ氏が米次期大統領に決まってからはさらに加速して年末には1万9千円台を突破しました。そして今もそのままの勢いが続いている感じです。

日本政府は2017年度の日本経済の実質成長率見通しを1.5%としています。
順調な雇用環境を背景に消費の増加を見込むとともに、
事業規模28兆円超の経済対策の効果も織り込んでのことだと思います。

■米国金利は上がり、ドル高円安は続く、そして株価も安定する

今の世界経済の安定的な回復を主導しているのはやはりアメリカでしょう。
トランプ次期大統領が掲げる、大規模減税、インフラ投資、金融規制緩和などの
成長戦略に乗っかる形で年末から明らかにマネーの動きが変わりました。
また12月に米連邦準備理事会(FRB)が利上げに踏み切ったこともマネーの揺り戻しに寄与しています。
新興国などに流れていたマネーがアメリカの株式市場に戻ってきています。
債券から株式にマネーが移動していることで、金利も上昇(債券価格は下落)しています。
1%台だった米長期金利は一時2.6%まで上昇しました。

一方、日本は引き続き金融緩和・低金利政策をとっています。
これで生じる日米金利差はドル高円安傾向をもたらして今の株価を下支えしています。
ここまでの流れをみますと当分日本の株価は安定的に推移するだろうと思います。

トランプ次期大統領の重要政策の一つは金融規制改革です。
重要閣僚にウォール街の人たちも入るようです。
アメリカの金融市場はリーマンショックから完全に立ち直り、再び活況になっていくことでしょう。

■世界の不安定材料、「保護主義トランプ氏の口先経済介入」

さて、一見良さそうに見える世界経済に影を落としているのが、
あからさまに自国経済を優先させようとする「保護主義政策」ですね。
トランプ次期大統領だけでなく、移民問題に揺れ右傾化しつつある欧州各国でも
保護主義への動きが出てきています。

それにしてもここまでやるのはどうなんでしょうかね?

<北米戦略に政治リスク トランプ氏、トヨタに口先介入 企業・政府、警戒強める>
(2017年1月7日付 日本経済新聞)
『日本企業の北米戦略に不確実性が増してきた。
トランプ次期米大統領が5日、自身のツイッターでトヨタ自動車にメキシコ工場の新設撤回を求めたことで、経済界や日本政府に波紋が広がっている。
日本企業にとって米国は収益を左右する最も重要な市場。
自国経済を優先するトランプ氏の動向次第では、日米経済摩擦が強まり、
日本企業が対米戦略の修正を迫られる可能性もある。』

記事によると、トヨタは2019年にメキシコに約10億ドルをかけて新工場を稼働させる計画でした。
この新設計画に対しトランプ氏は「あり得ない!」とツイッターに投稿したとのこと。
トヨタだけでなく、フォードやGM(ゼネラルモータース)に対しても同様のツイートをしました。
それに対して、早速フォードはメキシコ新工場の建設撤回とミシガン州への投資を表明しました。
またトヨタも慌てて「メキシコに投資しても米国での雇用は減らさない」とのコメントを発表。
そして9日には、『米国で今後5年間に100億ドル(1兆1700億円)の投資する』(2017年1月10日付 日本経済新聞)と発表するに至りました。

トランプ次期大統領が製造業に対して米国内での投資・雇用を強烈に求めて、
それに大手自動車メーカーが応じた形になりました。

これは口先介入というよりも、もはや企業経営への妨害ですね。
こんなことが続いたら産業経済はどうなるでしょう。
時の政治権力者が個別企業の経営戦略にいちいち口を挟むことが自国の経済を良くするのでしょうか?

今回の自動車大手への口出しだけ見ても明らかにマイナスです。
すでにトヨタだけでなく、フォードもGMも、アメリカの自動車の多くはメキシコで製造されています。
完成車は年間約200万台、自動車部品の約3割はメキシコ製です。
メキシコからの輸入に高い関税をかけるというならメキシコ製の部品も高くなるので、
結局アメリカで製造したとしても自動車の価格を押し上げることになります。

これまで、グローバル化の流れの中で効率よく分業が行われてきた自由な経済活動を押しとどめて、
強引に生産拠点をコストの高い自国に移したりすることのツケは、
最終的には高い車を買わされる米国の消費者がかぶることになります。
これは明らかに「悪い物価上昇(悪性インフレ)」です。
悪性インフレは間違いなくいずれ経済を弱めることになります。

■過度の保護主義の結末は?

そもそも今、アメリカでそれほど雇用を増やす必要があるのでしょうか?
今、アメリカに失業者があふれ返っているわけではありません。
サブプライム不況の2009年に9%にまで上昇した失業率は好調な経済のお陰でずっと改善してきて、
2016年にはついに5%を切りました。
アメリカでは失業率が5%を切るのは好況の目安とされています。

こんな時に、「もっと、もっと!」と雇用を持ってきたら米国の労働コストはさらに上がります。
メキシコなどの人件費の安い地域から人件費の高い米国に雇用が移ることですべての米国製品のコストが上がる可能性があります。
経済合理性から見たら、これだけ好景気で強い通貨を持っている今のアメリカが保護主義に走る必要はまったくありません。

つまり保護主義は選挙のスローガンとしては良かったかもしれないが、
経済的な効果は決して高くないのです。

では、トランブ氏の目的は何なのでしょうか?
もし、政治が企業行動をコントロールすることを実験的にやっているのだとすれば、
それは危険なことです。
企業の戦略意思決定に、その時のその国の大統領の意思を反映させないといけないのならば、
そんな国への投資は間違いなく減ります。

企業から経営の自由度を奪うことがどれだけその企業の活力を落とすのかを
保護主義を掲げている政治家はもう少し理解すべきだと思います。

そんなことはさすがにアメリカ経済界もよくわかっているでしょう。
一連のトランプ氏の言動には共和党幹部からも強烈な批判が出ています。
実のところトランプ氏が大統領に就任後もこのようなことを言い続けるとは思えません。
万が一、言い続けたとしてもさすがに議会は容認しないでしょうから政策にまでなることはない、とは思います。

自由なフロンティアスピリットで数々のイノベーションを起こしてきたのが米国経済の強みです。
そこを自ら損なうようなことはしないと思うのですが...。
このアメリカ経済をはじめとした世界各国・各地域の保護主義化がどうなるか、
ということは2017年前半の世界経済のポイントだと思います。
今後もよく経過を見たいと思います。

今回は以上です。
次回もお楽しみに。

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