明るく前向きに自分の財産を築いていこうと頑張るみなさんに、知らないと損する豆知識や社会情勢の変化の個人の生活への影響などを、ファイナンシャルプランニングの視点から発信したいと考えています。住宅・不動産の相談実例を踏まえたテーマの他、政治・経済の時事も興味をもったテーマを取り上げてみたいと思います。

『参院選終了、さて、改憲?経済?財政?現政権のなすべきこととは?』 ~経済を良くして財政再建しない限り、私たちの所得と資産は国に取られ続ける?~

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こんにちは!ハイアス&カンパニーの川瀬です。

今回は日本の経済と財政についてです。
参院選後、力をもった現政権がやるべきこと、とは?



■参院選終了、さて政権のやるべきことは?

先週、参議院議員選挙が終わり、自公政権与党が勝利しました。
改憲勢力で3分の2の議席が確保出来たようで、「いよいよ憲法改正か!?」とマスコミは囃したてていますね。

しかし、それ以前にやるべきことがありますね。
はい、景気回復です。
今回の選挙の争点は一応、「アベノミクスをどう評価するか。継続するか否か。」ということでした。
だから、まずは景気の立て直しからです。
折しも、英国EU離脱で一気に円高が進み、景気の先行きが不透明になっているところです。
安倍総理が選挙の翌日に速やかに経済対策について発表をしたのは正しいことだと思います。

<脱デフレへ10兆円超す対策 首相きょう指示>
(平成28年7月12日付 日本経済新聞)
『安倍晋三首相は11日、参院選を受けて自民党本部で記者会見し、デフレ脱却に向け「内需を下支えできる総合的かつ大胆な経済対策を実施したい」と表明した。
年金の受給資格を得るのに必要な保険料の納付期間を、来年度から短縮する意向を示した。
現在の25年から10年に縮める。
融資などを含め事業規模10兆円を超える大型対策で自らの経済政策「アベノミクス」を進める。』
10兆円はGDPの2%相当ですからなかなかの大型対策ですね。
中身はまだはっきりしませんが、新幹線整備や熊本復興など公共事業中心になりそうです。


■日本の潜在成長力を上げる重要な取り組み、「働き方改革」

経済対策も重要ですが、私は先週末に明らかにされた「働き方改革」の方が気になりました。
日本の潜在成長力を上げることにつながる重要な取り組みだと思います。

<働き方改革で成長底上げ 残業時間に上限、雇用保険料下げ>
(平成28年7月15日付 日本経済新聞)
『財務省と厚生労働省が経済対策の目玉として盛りこむ働き方改革の原案が14日、分かった。
残業時間に上限を設けるなどして長時間勤務を抑制するとともに、最低賃金の20円超引き上げや雇用保険料の大幅な引き下げで働き手の所得を増やす
女性や高齢者など働く人の裾野を広げつつ、働き方改革に取り組む企業も支援し、経済成長を底上げする。』

具体的には、
  • 残業時間に上限を設定して長時間労働を無くす(労働生産性の向上)

  • 「同一労働同一賃金」で非正規社員の給与水準を正規社員の8割に引き上げる

  • 最低賃金の引き上げ額20円超を目指し、早期に時給1000円に


  • 他にも、「130万円の壁対策」、「解雇の金銭解決制度」、「雇用保険料率を引き下げ、個人所得を増やす」、「育児休業:育児休業給付金の期間を延長」などなど、なかなかの施策が目白押しです。

    今の日本経済は、雇用環境(だけ?)はとても良くて、失業率は3.2%と過去最低水準だし、有効求人倍率はバブル期並みの1.36倍です。
    長らく日本の労働力の担い手だった団塊世代の皆さんがリタイヤしていることもあって、生産年齢人口は年々減少。
    あらゆる産業で人手不足が深刻になっていて、労働力不足が日本の成長の足かせにもなりかねない状況になっています。

    今回発表された「働き方改革」の原案では、労働者の生産性を向上させるとともに、
    高齢者や女性、非正規雇用者の労働意欲を高めるために税制や社会保障制度などの見直しを提起しています。
    みんなが働き手となって、収入を増やすことが出来るように雇用の制度を改善することは日本経済の持続的成長を考える上でとても大事なことですね。


    ■「歳出削減」、不人気政策にどこまで踏み込めるか?

    あわせて、注目したのはこの記事です。

    <高齢者医療負担 上げ議論 歳出増抑制狙い、反発も>
    (平成28年7月15日付 日本経済新聞)
    『厚生労働省は14日、高齢者の医療費負担を引き上げる議論を始めた。
    月ごとの医療費の自己負担に上限を設けた「高額療養費制度」と後期高齢者の窓口負担の見直しが柱だ。
    医療費の膨張を抑えるのが狙いだが、高齢者の反発が予想される。』

    財政再建に向けた「歳出削減」の施策です。
    高齢化社会になり、社会保障費は毎年7,000億円~1兆円ほど増加していくことが見込まれています。
    消費税の増税は延期されましたが、もし仮に増税していたとしてもその税収増だけではとても賄いきれない水準です。
    高齢者であっても資産や所得があって自己負担ができる人から出来るだけ自己負担をしてもらう。
    この方針はやむを得ないと思いますが、なかなか実行が難しいテーマでもあります。
    記事にあるように高齢者の反発は強いでしょう。
    ただ、財政再建もすでに待ったなしの状況です。
    いずれ年金制度にも手が入ることでしょう。
    こういった「痛み」を伴う不人気な政策も政権基盤を強めた現政権こそが責任を持ってやるべきことだと思います。


    ■経済を良くして財政再建しない限り私たちの所得と資産は国に取られ続ける

    景気を安定させて、現役世代に雇用と収入という「安心」を与えつつ、財政も立て直していく。
    ものすごい難題です。
    しかし今やらないと日本経済は本当に沈んでしまうのではないかという危機感があります。

    幸い今、景気はそれほど悪くはありません。
    財務省によると2015年度の国の税収は前年度比4.2%増加の56兆28000億円。
    24年ぶりの高水準だそうです。
    消費税の増加に加えて、景気回復で所得税が増えたことが要因のようです。

    しかし、税収は増えたのに家計は良くなっていません。
    実質賃金はずっと下がっています。
    実質賃金指数でいうと2010年を100としたところから毎年下がっていて、2015年は94.8です。
    個人消費も増えていませんね。
    景気は回復して政府税収は増えているのに、家計は賃金も消費も増えていない。
    これってつまり国民の稼ぎが国に回収されているということなんでしょうかね?

    でも、この状態は財政再建に目途を付けない限り、おそらくずっと続いていきます。
    消費税や高所得者の所得税、相続税などが増税になり、厚生年金保険料も毎年上がっています。
    家計の可処分所得は減る一方です。
    少子高齢化社会で働き手が減っていく中、歳入よりも歳出が増え続けるのですから、この先も国民の稼ぎは税金と社会保険料で国に取られ続けます。
    所得だけで足りない場合には資産にも手を付けざるを得ないでしょう。
    現役世代の資産形成意欲や将来の子どもたちの労働意欲を削がないためにも、今、景気を安定的に回復させるとともに、歳出を見直して財政を立て直さないといけませんね。

    高齢者には厳しい話しかもしれません。
    でも現役世代も将来世代も厳しいのです。

    日本はまず経済です。
    いつまでも家計が楽にならずに、将来への安心も出来ず、消費が増えないことでデフレから脱することも出来なかったら、さすがに現政権への支持はなくなるでしょう。
    今の政権は好調な経済があってはじめて本当の意味で安定します。
    憲法改正はそうなってからの議論でもいいのではないでしょうか。

    今回は以上です。
    次回もお楽しみに。


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