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落合陽一著「日本再興戦略」を読んだ

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「日本再興戦略」落合陽一著、幻冬舎

 AI、ロボット、仮想通貨などの技術革新によるイノベーションに対し、不安を覚える経営者やマネジャーは少なくない。そういった方々は、テクノロジーの解説書よりも、未来への展望を示す、あるいは発想の転換への刺激となるものを読んだ方がいい。

 本書は、天才的な若きビジョナリーの意見や仮説が詰まっている。それもかなり大胆な言い切り口調で。

 不確実な未来を議論するには緻密さは足かせになる。この種のテーマに取り組むには、まずは大雑把に捉えてみることをお勧めする。

 細かな点では、あれ、と思うようなところもある本書だが、そこで思考を止めずに、8割合っていればOKというくらいの粗い粒度を受け入れて、軽快に読み進めるのが良いだろう。

 本書は、次のような章立てで、統治構造や文化を含む歴史観、世界観という大きな視点から現状と課題を描き、そしてチャンスを導き出している。

1. 欧米とは何か

2. 日本とは何か

3. テクノロジーは世界をどう変えるか

4. 日本再興のグランドデザイン

5. 政治(国防・外交・民主主義・リーダー)

6. 教育

7. 会社・仕事・コミュニティ

 落合氏の論調は強気であり前向きだ。人口減少と高齢化は日本にとっての大チャンスであり、ロボット、自動運転、自動翻訳、ブロックチェーン、トークンエコノミーなどは日本の強力な武器になる、と指摘する。

 省人化への抵抗がなく、機械親和性が高い国民性と相まって、日本はあらゆるものを自動化した国になれる。人口減少・高齢化に対応した社会の仕組みを世界中に輸出できる。これは人類史上稀有なチャンスであり、日本の未来は明るくなるという。

 多面的(大学で教え研究し学長補佐を務め、メディアアーティストであり、「空間焦点型超指向性スピーカー」などを開発するベンチャー企業CEO)に活動を続ける落合氏の生命エネルギー溢れる主張から、何を感じるか。

 テレビ番組「情熱大陸」で、夫人が「一人で戦ってるから・・」寄り添っている旨を語っていた。攻めのトークは本書にも満ちている。落合氏の戦いに一枚噛むか、受け流すか、それは読者次第だ。

(日本マーケティング協会の月刊「マーケティングホライズン」2018 vol. 5に掲載の書評を再掲)

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