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IT/PCを中心に様々な話題を振り返ることで未来を考える

久々にいくつかの話題を

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 う〜ん、ずいぶん長い間、更新していませんでした。

 この2ヶ月間、色々なことがあったわけですが、全部書いていると止めどもないので、いくつか。

●古い話だけどPDC
 オルタナティブブログにも参加している方々も多数行っていたマイクロソフトの開発者向けイベントPDC 2005ですが、う〜ん、思ったよりもずっとWinFXの完成度は高まっていますね。
 コンシューマやエンドユーザーにとってWindows Vistaが本当にどこまで良いものであるか否かは、まだまだ判断できないのですが、アプリケーションプラットフォームとしてのWinFXは、本当によく出来ています。
 特にXAML、XPS、Open XML Documentなんかの関係は実にスマート(PDFとクォーツの関係に似ている気もしますが、XAMLはWinFXを呼べますし、簡単なロジックも書けますから)。全部、構造は同じですから、XPSで出力した文書をInfoPathのようなで編集し、InfoPathと同等の振る舞いを行うXAMLとして書き出すなんて事もできるでしょう。できますよね?ときいたら、将来はそうなるよ、との事。
 I/Oを直接CPUからいじっていたマイコン世代の人間としては、やや複雑というか、パソコンらしくない気もして詰まらない面もありますし、プラットフォームへの依存性が高すぎる分、ある意味での危険性は高くなるとは思いますが、でもよく出来てるわ。

●もうひとつマイクロソフトネタ

 WinFXに関しては、すばらしい成果を挙げそうなマイクロソフトですが、どうも家電業界への関わり方は、今ひとつ健全には見えません。トップエグゼクティブ自身が、直接北米にある有名なユーザーフォーラムサイトに出向いて、事実とは異なる事を、しかもすさまじい数、コメントしているのを見て閉口しました。
 自社製品の宣伝をするのは勝手ですが、なんで責任ある立場を明かした上で、もろにネガティブキャンペーンをやっているのか理解に苦しみます。最近、よく記事にしているBDとHD DVDネタに関しては、ほぼ事実と思われるが、まだ確認が完全に取れていないために記事にしていないネタが多数あります。が、マイクロソフトのとあるエグゼクティブは、あまり世間では知られていないからといって、自社が支持していない規格が良くないものだと吹聴しているんですね。
 いや、そういうことをする前に、もっと出来ることがあると思うんですが。

●色、色、色
 1日にプロジェクタを8機種見る機会があったんですが、先日は12機種の薄型テレビの視聴を別の媒体でやりました。どっちも点数と序列を付けなきゃいけないわけですが、これがなかなか難しい。プロジェクタは、書き原稿のネーム量が多いので、いくらでも違いを説明できますが、後者は週刊誌のクロスレビューのため、注釈をほとんど入れられない。
 色ものと言えば、インクジェット複合機のテストも続行中。こちらは絵作りがまとまってきており、評価はしやすいですね。

 年末になると、色を中心としたモノの評価をする機会が多くなってきますが、好みや切り口が異なると、どうしても評価の結果は変わってきます。色モノの宿命ですが、結局のところ視点を固定してあげるしかないのかなと、最近は読者全員をフォローアップすることを諦めつつあります。

 たとえば、プロジェクタなんかはその典型。コントラストを強調し、彩度をギューンと上げ、シャープネスがガンガンにかかった絵というのは、アニメを中心に見る人にとっては良いそうなんですが(僕自身は見ない人なのでイマイチ理解できない)、自然画、特に映画を映画館のように楽しみたい人にとって、そうした絵は決して褒められたものではありません。
 同じようにテレビの絵と映画を投影するためのプロジェクタは、全然セッティングが異なります。その筋に詳しい人なら常識ですが、きちんとコンセンサスが取れていないと、評価の結果を見ても理解してもらいづらい。何年たっても、この手の仕事は試行錯誤が続きます。

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