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社外取締役を入れる前に、役員の「片付け」をしておきたい

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「片付けコンサルタント」を名乗る近藤真理恵(こんまり)さんをご存じでしょうか。最近米タイム誌が発表した「世界で最も影響力のある100人」に選ばれた日本の女性です。
近藤真理恵、こんまりさんのことは以前にもテレビで紹介されて知っており、そのときはモノを捨てることは大事なセンスなのだと印象を強く残しました。こんまりさんが日本のみならず世界で注目されるのは、モノにあふれかえる現代だからこそでしょうか。米国では片付けることを「Kondoする」とよばれるほど知られているそうです。

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人生がときめく片づけの魔法 単行本
近藤麻理恵 (著)


こんまりさんの片付けは、いわゆる収納方法とは違って、捨てるモノと残すものをモノを分ける方法です。その基準は明快で、「触ったときにときめくかどうか」だけです。ときめけば残し、ときめかなければ捨てる。捨てると決めたモノには「買うときにときめかせてくれてありがとう」と感謝の気持ちで「役割を終わらせる」のだそうです。

では自分がときめく気持ちをどうやって認識するのでしょうか。こんまりさんは、片付けに取りかかる前に、自分の理想の暮らしを考えるのだそうです。自分が「片付いた部屋で生活している様子」がありありとイメージできるぐらい具体的に考えるのだそうです。


組織の片付けも大事

さてこの片付けのセンスは、モノだけでなく組織にも当てはまるものではないでしょうか。社長があるべき組織の状態をイメージし、人材を「ときめくかどうか」で判断するのは大事な経営センスだと思うからです。とくに役員クラスや管理職の人材であれば、ときめかないと判断されれば、感謝の気持ちを込めて辞めていただいたほうが良いと思います。

事業の「片付け」については、しばらく前に「選択と集中」が流行しました。現在はこの考え方がだいぶん普及して、企業間の事業買収も活発に行われるようになってきていると思います。

しかし組織がまだ聖域になっています。とくに役員クラスが聖域になっています。

今年から社外取締役が制度化され、多くの上場企業が社外取締役の採用に焦って動き出しています。しかし、その前に大事なことを忘れていないでしょうか。「役員の片付け」をです。

社長にとって大事なことは、経営が理想のチームになっているかどうかです。こんまりさんの言葉を借りれば、社長は「自分がときめきを感じる<役員>に囲まれている」ことが大事だと思うのです。役員といえば、取締役、執行役のそれぞれをチームとして捉えるべきでしょう。ときめきを感じる役員に囲まれてこそ、社長は力強くビジョンを掲げ、ビジネスを前に進められると思うのです。

しかし実態は、経営がときめきのチームになっていない会社は多いのではないでしょうか。社員にはチームビルディングの大切さを訴えながら、経営が聖域になり捨てられないしがらみであふれかえっているように思います。日本企業の意思決定スピードが遅いと言われる理由はそこにあるのではないでしょうか。


片付けをすると自信が持てるようになる

こんまりさんによれば「お下がりをもらう」のも「お下がりをあげる」のもダメだそうです。お下がりをもらうと自分のときめきでものを選ぶ力が育ちにくくなるからということです。天下りのような形で役員を押しつけられていないでしょうか。片付けるに片付けられない状況があれば、意思決定する力も弱まりましょう。

こんまりさん曰く、片付けには魔法の力があり、片付けをすると「自分の判断に自信が持てる」ようになり、その後の人生が自信に満ちたものになるとのこと。

社外取締役制度の導入は、取締役を増やすまえに役員の片付けをして、ときめきの経営チームを結成しておきたいものです。取締役の数が増えて意思決定スピードをさらに遅くするのではなく、自信に満ちあふれた経営ができるようにです。

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