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ダイバーシティはどうなったのか? 女性が男性より強いと思うこと

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今度の衆院選に向けて各党の公約が発表されたようですがダイバーシティに関する公約が見当たりません。自民は「多様な働き方」を主張していますが、強いて関連づければそれかな、ぐらいです。でもそれだとダイバーシティに切り込む感じは伝わりません。少数派が働きやすい環境作りをやったところで、弱者保護みたいなことにしかならず、本質じゃないと思うからです。

安倍政権では少し前に女性閣僚を増やす内閣改造をやりましたが、つまらない問題でいっぺんに二人の女性閣僚が姿を消してしまいました。第三の矢(成長戦略)は安倍首相にはやり切れないだろうと思っていましたので、これは安倍政権のヒット作になるかと期待していたのですが失望させられました。


これはIT企業の場合ですが、やっぱりダイバーシティへの本気度が低いんですね。担当者がほとんどいない状況です。IT系以外の業種も似たような状況にあるのではないかと想像します。

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出所)IPA 「IT人材白書2014」


私がいだいている危機感は、実感値として企画や管理をやっている人に女性が極めて少ない、という状況に対してです。新入社員や若年層のところにはそれなりに女性がいるのですが、中堅ぐらいになるとぐっと減ります。


企画や管理のところでは女性がほとんどいなくなる

女性が諸事情をかかえて途中で辞めていくという問題だけじゃありません。企画や管理のところに女性がほとんど居なくなるのです。例えばマーケティング関連のテーマで選抜研修なんかをやるとやはり30歳から50歳ぐらいまでの人が参加することが多いのですが、会場に20人集まっても女性がゼロだったりすることがあるのです。もう、残念でしょうがないという状態です。でもこれ、上場企業の実際の例です。

それでもたまに女性が1人、2人参加してくると面白いことがおきます。20人を1チーム5人構成として4チーム作ると、女性がいるチームと女性がいないチームができます。言い方を替えましょうか、混成チーム(女性がいるチーム)と男性チーム(女性がいないチーム)です。


研修ですが、何ヶ月も同じチームで共同作業をしてもらうと混成チームと男性チームにはやはり雰囲気の差が自ずと出てくるものです。マーケティング関係のテーマの場合、アイデア出しや、情報収集・分析、ライティングやプレゼンなどの作業をすることになります。総じて混成チームのほうがモチベーションが高く、アウトプットのレベルも高いという傾向を感じています。いろいろ聞いてみると、インターバル(研修日と研修日の間の期間)の最中にも、チームで頻繁に集まって何かやっているようですから、結果も当然良くなっていくのでしょう。


女性の強みは何か


混成だから良いのだ、という話もありますが、それだと「女性を混ぜておけば雰囲気がよくなる」みたいに男性都合の話に替わってしまいかねません。男女関係の化学(ばけがく)のような要素があることは否定しませんが、より根源的なのは女性の強みのほうじゃないかと思っています。

私が感じている女性の強みを3つ上げます。意思決定上の能力に関したものです。

1.並行処理ができる
並行処理というのは、一度に2つ以上の作業をするということです。総じて男性は、何か1つのことに埋没し、魂を奪われたように夢中になってしまいます。他の話が耳に入らなくなります。


2.断捨離ができる
断捨離というのは不要なものを減らして必要なものだけにすることです。男性だけですと、総じて未練がましくなり、自分の作品であろうと他人の作品であろうと簡単に切り捨てられません。日本企業が集中と選択が下手なのは経営者に男性が多すぎるからじゃないかと思います。


3.肌感覚で考えられる
肌感覚に合わないものは、ダメという信号を発することができます。中には遠慮がちで口で言わない人もいますが、ダメというのは表情で伝わってきます。これが男性だけで集まると、自ら経験したことのない話でも想像で語りあい、危なっかしい議論をし続けます。


私は男性なので、女性のこうした能力を自身に感じたことはありませんが、離れたところからの観察で、きっとそうに違いないと想像したものです。逆に男性は苦笑いするかもしれませんが、「並行処理ができないから集中できる」「断捨離ができないから長く続けられる」「肌感覚がなくても空想ができる」と、弱みではなく強みに読み替えてしまうのではないでしょうか。それもいいと思います。


意思決定層に女性を増やしたほうがいい


翻って、日本の企業にとって女性の能力が必要だと思うのは、男性社会であったことが原因の、さまざまな問題の解決に結びつくと思うからです。諸々の関係にひきずられて意思決定が遅いという問題、選択と集中ができず構造転換が進まないという問題、技術や製品にこだわりすぎてブランド構築力が弱いという問題などです。普段の議論のなかで、「女性が少ないことが根本原因だ」といえば論理が飛躍してしまうのでなかなか言いづらいのですが、腹の底ではそう感じています。


安倍首相が女性閣僚を増やしてダイバーシティを実践したことは、良かったと思います。第三の矢はダメダメでしたが、長い目で日本の成長を図っていくうえでは、意思決定層に女性を増やすという政策は本当に大事だと感じています。

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