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ソーシャルシフトという企業のパラダイムシフト。ビジネスコンサルタントにお勧めの1册

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今年に入ってからソーシャル・ネットワーキング・サービスを始めたという人は結構多いのではないか。フェイスブックは、私の周りにも今年からという人が多い。日本全体では1月に180万人だった利用者は現在520万人と約3倍に増えている(Socialbakers調査)。

私の中では震災が起きたことが大きい。
この3月は時間が止まったような状態になり、その頃からネット越しに知人と交流することが日常になった。生活や仕事というリアルな場以外のソーシャル体験は実質今年がスタートだ。ツイッターはその前からもやっているが、ソーシャル体験としてはフェイスブックが先に充実してしまった。

そのため、これは面白いことが起きるぞ、と思って5月の連休明けぐらいから知人にフェイスブックを勧めるようになったが、どうも企業関係者にはウケが悪い。
とくに名の通った企業ほど空白地帯になっている。アクセスを禁止する企業が多いと聞いていたのであるていど覚悟していたが、禁止する理由までトクトク話をされてゲンナリしたこともある。

残念な話だが、ツイッターやフェイスブックで多いに名前を馳せている人が、意外にも社内、とくに人事部門から酷評されていることがある。しかし、これだけアレルギー作用が大きいというのは大きな潮流変化なのだとも感じる。

ということで、これから企業がソーシャルメディアの荒波にどのように翻弄されていく?のだろうかと大きな興味を持って見てきた。

既に始めている企業は本当にスゴイと思うが、それでもその会社においてはまだ傍流の取り組みに過ぎない。一部の社員がソーシャルメディアを事業機会だと叫んでいても、大半の社員は冷めた様子で見ているのが実情だ。──恐らくそんな人も個人的にはミクシィやフェイスブックをさんざん楽しんでいながら仕事は別だ、という感じで。──

一理ある。ソーシャルで売上を上げられているとは思っていないからだ。自分だってそうだ。フェイスブックの活動は売上につながっていない。

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ソーシャルシフト ― これからの企業にとって一番大切なこと
斉藤徹(著)

ソーシャルメディアによって企業がどんな風に姿を変えていくか?
本書は新しい企業像を「ソーシャルシフト」と表現している。ソーシャルシフトとは、ソーシャルメディアが誘発する企業のパラダイムシフトを言う。範囲はビジネスモデル、マーケティング、リーダーシップ、そして組織構造に及ぶ。

私自身の大きな関心はビジネスモデル。
ソーシャルシフトを起こす端緒はビジネスモデルの変化にあると思う。本書の「コラボレイティブ・バリューチェーン」(5章)に紹介されている41の事例群は、企業が既存事業に付加してみたら面白いと思うビジネスモデルのタイプが沢山示唆されている。

念のため、私はソーシャルシフト推進派。企業の行動様式をいろんな意味で代謝する動きだと期待しているからだ。ビジネスコンサルをしている人に本書はとても参考になるのではないか。

また近いうちに本書を題材にした勉強会を開きたい。予定はまた別途。

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