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「クロニクル」のトランク監督、次回作はコレ!

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 普通の高校生がスーパーパワーを持ってしまったら?ーーというSF「クロニクル」が9月27日から日本公開、最初は首都圏限定公開だったが10/12からは全国公開になってめでたい。


 この映画は低予算、初監督作なのに、全米で大ヒット。この映画に出演した若手俳優デイン・デハーンが、大作シリーズ「アメイジング・スパイダーマン」の主人公の親友ハリー役に大抜擢されたのも、この「クロニクル」の大ヒットの効果とも言えるだろう。


 となると気になるのが、この監督、28歳のジョシュ・トランクの新作だが、ご安心を、こちらも大作映画に大抜擢されている。


 その作品はスーパーヒーロー映画「ファンタスティック・フォー」。このマーベルコミックのヒーローたちは、近年では2005年に「ファンタスティック・フォー 超能力ユニット」として映画化され、2007年に続編も製作されているが、バットマンもスパイダーマンも、そしてスーパーマンも新たに描き直されて大ヒットしている今、このヒーローたちの再起動も数年前から企画されていたのだ。


 この原作コミックが連載をスタートしたのは、1961年。主人公4人は、身体がゴムのように伸びるミスター・ファンタスティック、身体を透明化するインビジブル・ウーマン、全身を炎で包んで空を飛ぶヒューマン・トーチ。そして岩のような身体を持つ怪力のザ・シング。設定はビジュアル的で、名前もストレート。スーパーパワーを持つようになった理由も宇宙飛行中に未知の宇宙線を浴びたから、という分かりやすさだ。


 が、この当時の低年齢の子供たちにも直感的に理解できる分かりやすさのせいで、逆に現代の大人の観客向けに描き直すことは、かなり難しい。そこで、監督選びに難航していたのだが、そこで抜擢されたのが「クロニクル」のジョシュ・トランク。彼がどんな手を使うのか、俄然、興味が湧いてくる。


 そこで心配なのは製作陣。こうした新人監督抜擢の場合、「エイリアン3」撮影時のデヴィッド・フィンチャー監督が苦労したように、製作陣が監督の意向を認めず、監督が思うような作品を撮らせないという困った事態が起きがちなのだ。


 が、本作の製作陣なら、ジョシュ・トランクの意向を理解してくれそうだ。プロデューサーのひとりは「キックアス」「X-MEN:ファースト・ジェネレーション」の監督マシュー・ヴォーン。クリエイティブ・コンサルタントは「キック・アス」の原作コミック作家マーク・ミラー。この顔ぶれにジョシュ・トランク監督が並ぶと、「キック・アス」のように現代的な「ファンタスティック・フォー」が生まれそうな気がしてくる。


 脚本は「リンカーン/秘密の書」「シャーロック・ホームズ」「ジャンパー」「X-MEN:ファイナル・デシジョン」を執筆、来年5月全米公開の新作「X-MEN:Days of Future Past」も書いたサイモン・キンバーグ。とりあえず、このジャンルには慣れている。


 キャスティングは未定。「クロニクル」の主要キャラ3人のひとり、マイケル・B・ジョーダンがヒューマン・トーチを演じるという噂もある。またTV「ゲーム・オブ・スローンズ」のスノウ役キット・ハリントンや、先頃「スター・ウォーズ」第7作のオーディションを受けたことでも話題を集めた「ビザンチウム」「ハンナ」のシアーシャ・ローナンがスクリーンテストを受けたとの噂も流れた。誰がキャスティングされるのかも興味深い。


「クロニクル」は、裏から描くスーパーヒーロー論だった。それを描いたジョシュ・トランク監督が、古典的マーベル・ヒーローをモチーフに、今度はどんなスーパーヒーロー論を展開するのか。その意味でも彼の新作が楽しみでしょうがない。


「クロニクル」公式サイト

http://www.foxmovies.jp/chronicle/

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