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我が国は現在、閉塞感が漂っているとよく言われていますが、実は、よく観察すると、新しいビジネスチャンスがあふれかえっています。それを見つけて、成功させるコツとヒントをご紹介します。

「新車情報」三本和彦さん!

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今から10年ほど前まで、UHF放送で「新車情報」という番組をやっていた。
この番組の企画、司会は三本和彦という自動車マニアなら必ず知っているモータージャーナリストである。
この番組は、名前の通り各自動車メーカーの新車を紹介する番組であったが、おもしろかったのは三本氏が<完全なユーザー目線>という旗印のもと、遠慮なくその自動車を批評することである。

例えばどのような言葉で新車を揶揄したのかというと、「気の狂ったアヒル」「なんですか、このマーク?」「公衆便所のベンチレーター(空気を入れ替えるための隙間)」「盆と正月とクリスマスを一緒にしたようなクルマ」「ゴムひものゆるんだパンツみたいなクルマ」「どうせ2年後にいじるのだから(マイナーチェンジ)その時にってことですね」など列挙にいとまがない。
さらに、この番組のおもしろいところは、三本氏が試乗でさんざんにこき下ろした後、スタジオに実車を持ち込み、メーカーの担当者と三本氏が直接やりあうことだった。

ここでも三本氏は遠慮なく突っ込みを入れ、メーカーの担当者は必死になって反論するという緊張感のある中にもユーモアを含んだバトルが展開されたのである。
ここまで気持ちよく批判出来る三本氏の自信と自負も大したものだが、ボロクソに突っ込みを入れられるのを承知で新車を持ち込むメーカーの度量も大したものであった。
もちろん、番組だから事前の打ち合わせはあっただろうが、実際のところ、この番組に出演する自動車メーカーの担当者は、三本氏対策を十分に練っていたようである。

さて、振り返って今のテレビ。
大スポンサーである自動車メーカーの大切な商品である新車に対するまともな突っ込みなど聞いた事がない。
自動車だけでなくテレビでは色々な商品やサービスが紹介されるが、そのほとんどが当たり障りなく褒め称えられている。
そこには、色々とタイアップなど事情があるのだろうが、やはり時には「新車情報」のような緊張感のある商品紹介の番組を見てみたいものだと思う。

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