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ファーストキャリアの選び方③~会社選びの7つの基準

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全4回でお送りしているキャリアシリーズ。第3弾。

第1回:会社選びの視点を変える
第2回:入社後に向き合うべき3つのステージ
第3回:会社選びの7つの基準(今回はここ)
第4回:環境×マインドで伸び方が決まる

インターンの話から始まり、キャリアについて語っている。今回は3回目。会社選びの7つの基準について書きたい。

前回の話をざっくりまとめると、以下の2点になる。

  • 自分の趣味趣向は、仮説に基づいて色々経験して、全力投球してようやく分かる。
  • だからこそ、初めて入った会社でステージⅠ~Ⅲを経験してほしい。それによって、真に自分がやりたい事が見つかってくる。


これを踏まえると、どうやらファーストキャリアとして選ぶ会社は、「良い経験を沢山積める」「仕事を柔軟に変えられる」会社が良さそうだ。
「仕事を変える」というのは「転職する」ということとはイコールではない。同じ会社の中でも、自身の趣向にあった仕事ができる可能性は十分ある。さて、そう考えると、最初の会社では、以下の7つが条件になりそうだ。

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◇最初の会社に求める条件

①色々な種類の仕事にありつける会社

ステージⅠで、色々な仕事を経験して自らの趣味趣向を見極める必要がある。だから、決められたことを決められた手順でこなす事が求められる仕事よりも、自分で工夫する余地の大きい仕事を選ぶ。まずこれをやっとけ、という文化の組織より、色々やったら?という文化の会社を選ぶ。

仕事を「覚えてもらいたい」という会社より、仕事に「チャレンジしてもらいたい」という会社だ。

これは社員の言動を見ているとなんとなくわかる。先輩社員たちが入社後2~3年をどう過ごしてきたか聞いてみるともっとよく分かるだろう。ある程度の裁量や、考える余地がある状態で仕事をしてきたのか?手を挙げたら新しいことにチャレンジできる環境だったのか?を聞けばいい。

②チームで仕事をするタイプの会社

ステージⅡで、好きなこと得意なことに集中するためには、チームで仕事をするタイプの会社を選ぶ方が良い。一人で仕事をするのは「色々な経験をする」という意味では良いのだが、嫌いなことや苦手なことを避けづらくなる。チームでやっていれば、自分の弱みや嫌いなことは、他のだれかが補完してくれる可能性が高い。

これも、先輩社員たちに「個人仕事とチームでの仕事どっちの比率のほうが高いですか?」と聞けば一発だ。

③自由に仕事を選択できる、希望を聞いてくれる会社

ステージⅡで仕事を変える可能性があるので、様々なタイプの仕事があり、わりと自由に仕事を選択できる会社を選ぶ方が良い。

・手を挙げることで新しいチャレンジができる会社
・色々のタイプの仕事や役割があって、異動やアサインを柔軟にしてくれる会社
・自分の環境を、自分で変革できる会社

こんな会社なら、会社を辞めなくても「好きなこと・得意なこと」を最大限に活かせる仕事にありつける可能性が高くなる。

④転職に困らないコアな能力が身につく会社

ステージⅡで仕事を変える可能性があるので、転職に困らない能力が身につく会社を選ぶといい。もちろん、前述の通り会社を辞めなくても済むなら辞めなくていい。

でも辞めないと、自分が「好きなこと・得意なこと」を活かせる仕事に就けないかもしれない。活き活きと働くためには会社を変える必要があるかもしれない。そもそもファーストキャリアの会社が後50年存続しているなんて考えない方がいい。
と考えると、転職に困らない状態になっておきたい。だとすると「転職に困らない能力」とは何か?

これは難しい話なので後述する。

⑤ロールモデルがいる会社

何にしてもロールモデルは絶対にいたほうが良い。活き活き働いている先輩、理想の働き方をしている先輩がいる会社を選ぶ。
これも見極めるのは簡単だ。色んな人に会わせてもらって、輝いている社員、尊敬できる社員、この人の生き方いいなぁと思える社員がいるかどうかだ。

⑥しがらみなく、適正に実力を評価してくれる会社

そうはいっても、適正に評価されないとストレスだ。どんなに良い経験が積める会社でも、適正に評価されないと長続きしない。
数年でやめる前提なら構わないが、できるなら比較的長く勤める可能性も考慮しておきたい。だから、しっかりした評価制度が整備されている会社をおすすめしたい。有能な若手ほどこれが大事。

「上がつかえているから、なかなか役職が上がらない」とか「全員横並びの評価が通例になっているのでほとんど差がつかない」とか「この役職には最低3年いないと、次の役職には上がれない」とか。昔ながらの制度が残る会社はどうかと思う。

これは、評価制度の中身を聞いたり、評価制度で変えたいなーと思っているところを先輩たちに聞くと見極められるだろう。

⑦仕事に誇りが持てる会社

どんなに条件を満たした会社でも、仕事に誇りが持てないとストレスになる。どんなに良い経験が積める会社でも、仕事に誇りが持てないのは致命的だ。経験のために魂を売るのはおすすめできない。当たり前だけどね。


以上7点がとても大事なんじゃないかと思う。福利厚生とか、初任給とか、それ以外の基準もあるが、会社人生を長い目でみるとそんなことはわりと些末な話だ。

前回の記事でも書いたが、ステージⅠを経てステージⅢに至ると勝手に給与はついてくる。最初の会社ではステージⅠを経験すること。つまり、自分の強み・弱み、好き・嫌い、得意・不得意をしっかり知ることが圧倒的に大事だ。

ちなみに、僕自身がどうだったかというと、最初の会社では運良く①②③の環境に身を置けた。これは本当に運がよかった。僕の上司がたまたまスーパーな人で①②③を大事にしてくれていたのだ。④⑤⑥は正直微妙だったが、転職してケンブリッジで手に入れた。



◇「④転職に困らない能力」とは何か?

さて、大事な7つの要素のうち、判断が難しいのは④である。「転職に困らない能力」をどう考えるかだ。仕事そのものが無くなってしまうかもしれない時代で、「転職に困らない能力」ってなんだ?これは極めて難しい問いである。

よくある「AIに取って代わられない職種や、能力」というのは少し違う。単に食うのに困らない能力ではなく、「自分の能力を活かし、活き活きと働ける仕事に移る」ために、困らない能力なのだ。

ちょっと考えてみると・・・

A)少なくてもその業界や、会社の中だけで通用するような能力ではない

まぁこれは良いよね。業界自体が無くなってしまうかもしれないのだから・・・。
「業界慣例」が強い場合や、「社内で正論以外のパワーが働く」場合は要注意だ。どうしても、業界の論理・組織の論理に気を遣わざるを得ないため、普遍的な能力よりもその環境に特化した能力が伸びてしまう。

B)スペシャリスト系の能力は、確かに転職には困らない

弁護士、会計士、医師、キャピタリスト、建築家、翻訳家、SE、先生など。
その道のスペシャリストになると、転職には有利だ。手に職系と言っても良いかもしれない。
僕も一級建築士なので、この強さはよく分かる。A社の設計士から、B社の設計士に転職するのは正直簡単だ。でもこれは諸刃の剣でもある。スペシャリストになると、その業界、またはその仕事の中でしか転職できなくなるのだ。

会社を変える事が目的ではなく、やりたい仕事、夢中になれる仕事にたどり着くのが目的なのだから、選択肢が狭くなるのはちょっともったいない。学生の時に「やりたいと思った仕事」に確信があり、それが本当に「やりたい仕事」なら問題ない。しかし、僕のように違った場合、ぐっと選択肢が狭くなってしまう。

C)最先端技術系の知識も、スペシャリスト系と同じ

AI研究、ブロックチェーン技術、フィンテック的な何か・・・などこれはこれで重宝されるはず。
特定領域の専門家(物流の専門家、ECの専門家)というのもこれに該当するだろう。
でもAIブームが過ぎ去った後、どうなるか。新たな技術が注目され始めた時にどうなるか・・・。
また、自分の特性が「AIの仕事」では活かせなかった場合はどうするか・・・。繰り返すが、最初から「これが好きなんだ!これがやりたいんだ」という確信があれば問題ないのだが。

D)言語・会計知識・IT知識などのビジネス基礎知識は、どんな仕事でも共通して必要になる

これは当然ある方が有利。だから、この辺が自然と身につくような会社が良いだろう。

・ITをテコに仕事をしている会社
・グローバルで自然と言語が鍛えられる会社

などだ。でもこれらはあくまで「プラス要素」でしかない。これがあるから自由に仕事を選べる、というものでもないはずだ。真のコア能力とは何なんだ?

E)人に関する能力

完全に僕の主観で申し訳ないが、変化の大きな時代で最もコアになるのは、能力の一つは「人に関する能力」な気がする。
例えば、

  • 人の力を最大限に引き出して物事を前に進める「ファシリテーション力」や「コーチング力」
  • 人に何かを伝える「伝達力」
  • スペシャリスト達とチームを組み、より高い成果を出す「チームリード力」
  • 変革を起こすための「プロジェクトマネジメント力」

人を動かす能力と言っても良い。

最先端の技術要素がどれだけ変化しても、それをつなぎ合わせ、人と人とが上手くコミュニケーションして何かを生み出す部分は変わらないと思っている。
必要な最先端技術を集めてきて、チームを組んで、自分は真ん中でファシリテーションしながらメンバーの力を引き出し、組み合わせる。
これが出来ると、どんなに技術が変化しても対応できる。プロジェクトマネジメントの技術もこれに該当する。
プロジェクトの種類は様々変化するし、核となる技術や考え方は変化するけど、プロジェクトそのものが無い世の中はちょっと考えられない。


どこでも通用する能力とは、「人の力を引き出し」束ねる能力

何が言いたいかと言うと、僕としては「E)人に関する能力」を身に着けておけば、どこの会社でも重宝されると思っている。
加えて「D)言語・会計・IT知識」があれば完璧だ。
「C)最先端技術」は、そもそも社会人になって数年で身につくものではない。10年、20年経ってC)が確立されていれば十分だ。
「B)スペシャリスト能力」は確かに強力だし、数年で身に付くものもあるだろう。一級建築士は社会人になって最短2年で取れる。だが前述の通り選択の幅は狭くなる。だから、E)とD)が手に入りそうな会社を選ぶ事をおすすめしたい。


◇まとめ

「この会社なら、きっと後悔しないな」と思えた会社に入れ

色々書いてきたが、ファーストキャリアに選ぶのは、①~⑦に合致し、E)やD)の能力が身につきそうな会社が良いだろう。OB訪問やいくつか質問をすることで、ある程度は見極めが付くはずだ。ある程度見極めが付いたら、正直「それ以上の良い環境」を探し続けてもキリがない。

95点なのか96点なのかを見極めようとしても、正直、生産的ではない。
それよりも95点の環境を100%シャブリ尽くすマインドの方が重要だ。これについては次回の記事で書く。

当たり前だが、会社に入るのはゴールではない。その先で何を経験するかが重要だ。「この会社なら、きっと後悔しないな」と思えるか。「この会社で、全力でいい経験するぞ」と思えるか。こういう腹括りができるなら、その会社で正解だろう。

さて、ここまで会社という「環境」の選び方を散々語ってきた。だが、もう一つ重要なのはその環境をどう活かすか?というあなたの「マインド」だ。最後はマインドについて書きたい。

第4回:環境×マインドで伸び方が決まる




ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズに所属するコンサルタント榊巻(さかまき)がお送りするブログ。
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