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vRO(vRealize Orchestrator)を適用する仮想環境と、ユーザーのメリットは?

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こんにちは、ようやくイベントの全国行脚が終わりました。現場は毎回てんてこ舞いで大変でしたが、その分達成感は大きいです。今後は結果につながるように頑張らなければです。

今日は仮想環境の運用を効率よく運用するためのツールをご紹介します。

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ハイブリッドクラウドと仮想環境

自社データセンターが提供するサービスをユーザが手元のPCやスマートフォンで、データセンターの所在を意識することなく利用可能なシステムが「プライベートクラウド」です。一方、クラウドサービス会社が提供しているサービスをそのサーバーの所在を意識することなくネットワーク経由で利用可能なシステムが「パブリッククラウド」です。このプライベートクラウドとパブリッククラウドを同時に両方とも同じように使えるようになっているのが「ハイブリッドクラウド」となります。

コンピュータのハードウェアをソフトウェア化し、一つのコンピュータ上で複数のOSを並行的に動作させるのが「仮想化」です。仮想化のタイプは大きく「ハイパーバイザー型」と「ホスト型」の二つに分類できます。

ハイパーバイザー型は「ネイティブハイパーバイザー」や「ベアメタルハイパーバイザー」ともいい、ハードウェア上で直接ハイパーバイザーと呼ばれるプログラムが動作し、そのうえでソフトウェア化されたコンピュータが動作しています。VMWare社の製品では、 VMware ESX、VMware ESXi、VMware vSphereがハイパーバイザー型です。ハイパーバイザー上で動作している仮想マシン間のネットワーク機能は、ハイパーバイザーの管理下にあります。

ホスト型は、「ホストハイパーバイザー」と呼ぶこともありますが、狭義のハイパーバイザーとは異なり、既存のOS上でハイパーバイザーがアプリケーションの一つとして動作し、そのハイパーバイザー上でOSが動作します。ハイパーバイザー上で動作しているOSが「ゲストOS」、ハイパーバイザーがその上で動いているOSが「ホストOS」です。また、ホスト型のハイパーバイザーを仮想マシンと呼ぶこともあります。VMware社の製品では、 VMware Server、VMware Workstation、VMware Player、VMware Fusionがホスト型です。ホストOS上で動作している仮想マシン間の通信は、仮想マシンの通信機能とホストOSが提供しているネットワーク機能がコネクトしており、仮想マシンのソフトとホストOSが協調して通信機能を実現しています。

仮想化環境下では、ハイパーバイザー型ではネットワークの管理だけでもハイパーバイザー毎に提供されている機能を使う必要があります。一方、ホスト型では仮想マシンのネットワーク設定とホストOSのネットワーク機能の両方を設定・管理することが必要です。

ハイブリッドハイパーバイザーとハイブリッドクラウド

ホスト型の仮想環境とハイパーバイザー型の仮想環境をひとまとめにして、使うのが「ハイブリッドハイパーバイザー」システムです。ハイパーバイザー固有の管理機能やホストOSの管理機能、仮想マシンのネットワーク設定、ゲストOSの管理機能、ゲストOS上で動作しているソフトの管理機能の全てに習熟していれば、手動でハイブリッドハイパーバイザーシステムを構築するのは不可能ではありません。しかし、非常に手間のかかる作業になります。

また、自社データセンターとクラウドサービスを組合せたハイブリッドクラウドシステムを構築する場合、REST API、SOAP APIなどのサービスを利用するための約束事に従ってクエストを出す仕組みを用意しなければ、ハイブリッドクラウドシステムを利用したサービスの提供は困難です。REST APIは検索サービスの利用に向き、SOAP APIは入出力に対してチェックが必要な場合や複雑なパラメータを扱う用途に向きます。

VRO(VREALIZE ORCHESTRATOR)とそのメリット

vROは、VMware社の提供しているハイパーバイザー型仮想環境とホスト型仮想環境を統合したハイブリッドハイパーバイザーシステムについて一元的な管理・運用環境を提供しています。ゲストOS毎のネットワーク機能などに余り気を使わずにハイブリッドハイパーバイザーシステムの構築・運用・管理が可能です。

ハイブリッドクラウドシステム構築についても、REST APIとSOAP APIの双方に対応していますので、それぞれの得意とする機能を組合せたシステムを効率よく構築できます。

また、ハイブリッドハイパーバイザーシステムを利用する機能とハイブリッドクラウドシステムを利用する機能を用いる場合に、各機能をインタプリタ的に呼び出し実行する機能も組み込まれています。これにより今までUnixなどの環境下で利用していた各種ツール・ユーティリティの移行、あるいは新規の作成も可能になっているのです。

vROを利用すれば、高度なITソリューションを短期間でお届けできるとともに、ユーザの要求に迅速に対応することができるでしょう。さらに、運用・メンテナンスに要求される手間と時間を大幅に軽減することができます。ハイブリッドハイパーバイザーシステム+ハイブリッドクラウドシステム上でサービスを提供するITソリューションの構築が容易であり、ユーザニーズの変化に対応した改変、システムの管理・運用の手間を大幅に減少できることがvROのメリットです。

ハイブリッドクラウドシステムに適したストレージ「 Tintri VMstore 」は、vROと連携することでクラウド基盤の自動化を推し進めています。どのように連携するかはティントリブログをご参照ください。

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