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リーダーが「すべきガマン」と「してはいけないガマン」

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 チームリーダーになったときに最初にしておくこと。それは「自分を知ること」。その「自分を知る」中で、もう1つやっておきたいことがあります。それは、メンバー時代に感じていた「不(負)」の要素を確認しておくこと。

 「不」の要素とは、「不満」、「不安」、「不都合」、「不便」、「不快」、「不安定」、「不良」、「負担」などです。それらを全て、手帳やノートなど後で見返すことができるところに書き出しておきます。

 例えば、リーダーになりたての方を対象に実施するリーダー研修などで書き出してもらうと、業種業態を問わずに出てくるワースト10?には、次のようなものがあります。
 ・残業
 ・お給料
 ・通勤時間
 ・有給(代休)とりづらい
 ・急な予定変更、業務の計画性のなさ
 ・深夜に及ぶ作業
 ・業務の偏り
 ・人が足りない
 ・意見が通らない
 ・職場環境(温度調節や座席の位置)
 などなど。

 書き出す数は、1つでも複数でもかまいません。そして、書き出したら「自分はどうだったらよかったか」をその理由と合わせて具体的にします。
例えば、次のようなイメージです。

 ・残業→週に2日は定時に帰りたい。(○○資格取得の勉強をしたい)
 ・お給料→ボーナス○○万増えるとありがたい。
        (4月から子供の習い事や塾代がかかりはじめた)
 ・業務の偏り→特定の人に負荷がかかっている。
        (その人が休むとまわらない。誰でもできるほうがよい)

 など。

 で、書き出したらそれでOKです。そして、これをすぐに解決する必要はありません。

 そして、「これだけは何とかしたいなー」とか、「これが解消できると最高だなー」とか、自分にとっての不(負)の要素について、「どんな感情になるか」それをじーっくり感じてみる。

 この段階では、これだけで十分です。

 なぜこのようなことをやっておくか。

 リーダーになる人の多くは、モチベーションも高く、上の意向を汲み仕事ができます。そんな人の特徴は、「忍耐強い」こと。リーダーには「胆力が必要」とよく言われますが、我慢強い人が多いのです。

 しかしどうでしょう。その我慢強さ、今の組織をよくしているでしょうか?

 私は、リーダーが我慢強くなればなるほど、職場は疲弊していく気がして仕方がないのです。最近は、

 「我慢強さの使い方、間違ってない?

 と、感じることばかりです。

 本当に我慢強く、粘り強く、胆力を使って取り組まなくちゃいけないことって、他にあるんじゃないか。だからこそ、不満に感じることがあれば、その不満をしっかり「感じて」おく。

 別の視点から見ると、「不満」というものは「イノベーション」につながる可能性があります。なぜならば、多くの「イノベーション」のアイデアは、たった一人の「不(負)」がきっかけになることが多々あるからです。

 だからといって、すぐに自分の「不満」に喰らいつき解消するのではなく、しばらくの間じっくりその不満を寝かしておく。

 すると、いつしかイノベーションの「種」になります。

 この「種」がどんな種になるかは「?」ですが、「種」のないところには「芽」は出ません。

 リーダーの役割の1つに、現状の「改革」や「革新」があります。なので、その「改革」や「革新」につながる「種」をなりたての頃に仕込んでおく。いつ芽が出るか、出ないのか、それは全くわかりません。でも「種」がなければ「芽」は出ません。

 1つだけ言えること。それは、自分が「種」を持っていること。それはぜひ覚えておいてください。

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