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常に結果が求められる状況下でのチームづくりのヒント~箱根駅伝 青山学院(2016年)~

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 2016年の箱根駅伝は、青山学院大学の連続優勝を阻止するための戦略を、どこのチームもとっているという報道が年末にされていたので、その結果に関心をお持ちになった方も多かったのではないでしょうか。私もその一人です。

 昨年は往路の難所である山登り、神野選手の活躍に注目が集まりました。今年も似たような展開になるのかと思っていましたが、結果は昨年以上にチームの総合力が光る展開に。総合タイムは昨年には及びませんでしたが、10区間中6区間で1位(区間賞)獲得と、選手一人ひとりが自分の力を発揮した結果となっていました。

 このように、選手一人ひとりが成果を出すことができるのは、それぞれが自分の目標を持って取り組む「目標管理」をベースにした、原監督のチームづくりによるものとして話題になっています。しかし今年は、2年連続優勝が期待され、また、他学も「打倒青山」に向けて取り組む中での戦い。

 原監督も、昨年とはまったく異なる心境の中で準備を進めてこられたようでした。このように、一度成果を上げると、次にそれ以上の成果を期待され、かつ結果を出さなければいけない状況であるのは私たちビジネスパーソンも同じこと。そんな状況下において、監督としてどのようなことを意識したか。駅伝中継の解説中にチームづくりをする上での参考となる興味深い話がありました。それを紹介します。

●「比較」と「減点主義」がもたらしたもの
 
「ワクワク大作戦」と名づけ、勝負を楽しもうと取り組んだ2015年の青山学院大学の戦績は、往路5時間23分58秒、復路5時間25分29秒、総合10時間49分27秒という駅伝史上に残るものでした。

 史上に残る結果を出した後、「2年連続優勝」の期待がかかれば、前年の成績をわずかでも上回ろうと努力するのは当然のこと。しかし、原監督は、「それが間違いだった」と感じ、途中から「前の年の成果との比較を止めた」そうです。

 解説では、「前の年のVTRと今の自分たちを比較して、できていないところばかりに目が行き、いつしか"減点主義"になっていた。そのため、チーム全体が萎縮する方向に。それに気づき"それはうちのチームらしくない"と、あらためて加点主義でチームに働きかけていった」という原監督の話が紹介されていました。

 その働きかけの1つとして、原監督が本大会に向けて掲げたチームスローガンは「ハッピー大作戦」。

勝ち負けだけでなく、終わったときに見ていた人、選手、私、みんながハッピーになれるようなレース

 この言葉の裏には「結果を残すことで自信が生まれるので、結果を出すことは当然。しかし、その過程を楽しむことも必要」という原監督の思いもこめられているそうです。改めてこの言葉を見ると、この考え方をしっかり理解して取り組んだ選手が選ばれ、そして結果を出したといえる展開であったようです。

リーダーとしての役割~"ポリシー(首尾一貫性)"の大事さ~
 
原監督と青山学院の選手を見ていて感じたこと。それは、リーダーとしての"ポリシー(首尾一貫性)"を保つことの大事さと難しさ。
・何のためのチームなのかというビジョンをはっきりさせること
・チームとしての方針を伝えること
・そのための取り組み方法を明確にすること
これらを、首尾一貫させること。

 言葉としてまとめるのは簡単ですが、これを、具現するのは並大抵ではありません。しかし、選手の笑顔を見ていると、リーダーとして努力する価値を感じるあり方だと思いませんか。

~夢を創り、夢を育む~出あいに、感謝
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