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もし部下が超論理的なスポックだったら?

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閃いたら即行動。「やってみなければわからない」、「失敗してナンボ」が信条の直感で動くタイプの人にとって、「(そのアイデアは)論理的ではない」、「感情的に動くべきではない」、「ルールを守るべきだ」という反応ほど、やる気を削がれることはありません。

先日、スター・トレック イントゥ・ダークネスの試写を見る機会に恵まれました。
そして、直感で行動するタイプのキャプテンカークと、論理を優先する副長スポックを見ながら、この構図は、組織の中で思いつきで指示を出す上司と、計画やルールを示して欲しがる若手世代と似ていると思いました。

そこで今回は、自分の部下が超論理的なスポックのようだと感じることがある人に、「スター・トレック イントゥ・ダークネス」(2013年8月23日(金)公開)が、リーダーとしてのあり方のヒントを得られる内容でしたので、そのエッセンスをご紹介します。

スポックの報告により、失職の危機に瀕するキャプテンカーク
映画冒頭のシーンは、地球から宇宙船に乗って訪れた他の星で、変装して調査をしていたクルーが、その星の原住民に見つかり、やりで攻撃を受けながら逃げ回るところからスタートします。

ST-ILM-1031.JPGのサムネール画像          (c) 2013 Paramount Pictures. All Rights Reserved.

実はその星は、星そのものがなくなるほどの火山噴火を迎える間際。

そのことを知っていた宇宙船のキャプテン、カークは原住民に追われながらも、火山の噴火を止めるよう、副長のスポックに指示を出します。スポックは指示通りに火山の噴火を止めるミッションに赴きます。

そこでトラブルが発生。スポックが宇宙船に戻れない事態となります。噴火を始めた火山の火口に立ち、マグマに飲み込まれそうになるスポック。

スポックの命を守る方法は1つ。組織のルールを破ることでした。

そのルールとは、宇宙船を含めた自分達の存在を、その星の原住民に見られてはならないということ。スポックを助けるためには、宇宙船を火山に近づける必要がありました。火山まで宇宙船を飛ばせば、原住民の目に触れることは必至。

スポックは死を覚悟し、ルールを守ることを優先するよう、上司であるカークに進言します。

ST_ILM_1141.JPG

          (c) 2013 Paramount Pictures. All Rights Reserved.

しかしカークは、スポックを助けるために、ルールを無視する決断をします。

その後、宇宙船は無事に地球に帰還。

帰還後、カークとスポックは上長から呼び出されます。そしてカークは、自分の部下を危険にさらしたこと、ルールを無視したことから、組織を解雇することを申し渡されます。

実は、その「ルール違反」は宇宙船のクルーしか知らないはずでした。というのも、カークは、トラブルがあったことは自分の責任の範疇として、一切報告していなかったのです。

しかし、スポックは「正しい報告をすることもルール」という考え方。「ルールに則って報告した」と言います。

それにより、自分の宇宙船だけでなく仕事もを失ったカーク。スポックを助けたのは、自分であるのに...という思いを強く抱きます。

物語は、お互いに相容れない者同士であることを鮮明に打ち出した、このような話から展開していきます。

その後二人は、新たな使命を持って宇宙空間に再び飛び立つことになるのですが、カークが別のクルーに対して「あいつの前髪をむしってやりたい」と言ったり、本人に「尖がり耳」と言うなど、スポックを受け入れていない言動を繰り返します。

チームがバラバラの状態で、果たしてどうなってしまうのか・・・

HH-00789C.JPG        (c) 2013 Paramount Pictures. All Rights Reserved.

異なる価値観を持つ者同士の未来は?

カークとスポック。正反対の価値観を持つ二人。

仕事の場面では、ここまであからさまにお互いの価値観がぶつかり合うことは少ないかもしれません。しかしお互いに、モヤモヤとしたものを抱えたまま、すっきりしない状態が続き、仕事がやりにくかったり、我慢しすぎてストレスを抱え、仕事そのものへのモチベーションが下がることはよくあります。

こんな状態を何とか変えたい、チームを活性化し、充実感を得たい。

スター・トレック イントゥ・ダークネスには、このような局面を乗り越えたいと考えるリーダーの参考になる点が、随所に描かれていました。

その一つをご紹介すると、キャプテンであるカークが、宇宙船を離れて自ら危険地帯に赴くシーンでのことです。

宇宙船を離れる際、カークは部下に「君が今からキャプテンだ」と、指示を出します。その指示を聞いていたスポックは不服そうな表情を浮かべますが、指示を受けた部下本人は、キャプテンの席に移動し、引き締まった表情になります。

私から見ると、カークの「無茶ブリ」に見えたのですが、でも部下はその期待に応える意思を示していたのです。

また違った場面では、危機的な状況に陥り、宇宙船を出来るだけ早く移動させなければならなくなります。カークは「すぐに直せ」と、クルーに指示を出します。すると指示を受けたクルーは「わかりました、私が責任を持ってやります」と答えます。しかしカークは「その責任は、君にはないよ(責任を取るのは俺だ)」と伝えます。

このようなクルーとのちょっとしたやり取りに、リーダーとしてのあり方が示されているのです。

こうしたやり取りの先に、正反対の価値観を持つ超論理的なスポックとの関係、直感に従って動くカークのリーダーシップそのものも、大きな変容を遂げていきます。

ダイナミックな世界観
このように「リーダーとしてのあり方」というテーマを持って本作を見るのもお勧めですが、やはりこの映画の素晴らしさは、ダイナミックな世界観です。

地球以外の星と、そこに住む人達が話す言葉。乗ってみたくなる宇宙船。想像力の限りを尽くして描かれています。

そして終始、自分が宇宙船のクルーの一人になったような感覚が持てるのは、3Dの映像と音響の成せる技でしょう。映画もここまで進化しているのか・・・と、圧倒されます。この迫力を体験するだけでも、十分価値があると言えます。

実は私は、スター・トレックは今回の作品が初めて。これを機に、過去の作品をさかのぼってみようと決めたほど、素晴らしい作品でした。

もし、このブログを読むまで映画に全く興味がなかったとしても、劇場に足を運んでみる価値を感じてもらえれば嬉しいです。
是非、「体感」していただきたい映画です。(3Dがお勧めです)

よかったら、感想コメントもお寄せくださいね!

▼公開情報
 タイトル:『スター・トレック イントゥ・ダークネス』
 公開: 8月23日(金)  全国超拡大ロードショー!
     映画館の情報は、オフィシャルサイトから
           (都道府県名を入力すると、地域名が出てきます)
           http://mytheater.jp/ticket/startrek_intodarkness/
 配給:パラマウント ピクチャーズ ジャパン

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