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「観測史上初」と「マネジメント力」の関連(2012年上期で気になったニュース)

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平成24年九州北部豪雨被害にあわれた皆様へお見舞いとお悔みを申し上げます。
九州地方は、6月に九州南西部の4地点で観測史上最多の降雨量を記録したばかり。(地域は、鹿児島県枕崎市1056.6ミリ、宮崎県日南市 1025.0ミリ、同県延岡市991.0ミリ、宮崎市955.0ミリ)。

6月は台風4号の影響が大きく、九州以外でも姫路市で3時間雨量が105.5ミリと観測史上初を記録。日本各地で建物や農作物などに大きな被害をもたらしました。また私の住む神奈川県では、箱根の塔ノ沢付近で土砂崩れ。通行止めとなる被害が発生。(現在は、片側通行。7月25日頃に復旧の見込みとのこと。県発表情報より)

気象庁発表のデータによると、6月は台風の影響を含めて太平洋側では全体的に降雨量が多く、それに伴い日照時間も少ない傾向。平年の5割程度となった地点もあったようでした。 

気象庁 2012年6月 降雨量.pngのサムネール画像のサムネール画像

少しさかのぼると5月には、茨城県つくば市に国内最大級の竜巻が発生。
北海道旭川市で、観測史上初となる、朝「開花宣言」し、午後に「満開」となったエゾやまざくらも話題になりました。

そして1月~3月は、豪雪のニュースの中にも「観測史上初」があったと記憶しています。

ちなみに「観測史上初」となるような気象の話は、日本だけではありません。世界各国で起きています。

 

NOAA .bmpのサムネール画像のサムネール画像図は、世界の気象データを観測しているNOAA(アメリカ海洋大気庁)からの引用です。NOAAによると、2012年6月の世界の平均気温は、1880年の観測史上以来4番目に高かったそうです(地表で1.07度、海洋で0.59度)。特に北半球の地表は、今年が最も高くなっています。

図の左上、オレンジになっている地域は北米ですが、6月は観測史上(1895年観測開始)最も暑かったようです。その影響もあってか、コロラド州で大規模な山火事が発生しています。次に、図の中央上部でグリーンになっているイギリスは、観測史上(1910年観測開始)最も降雨量が多かったということです。この降雨は、オリンピック開催時期まで続く見込みもあるようです。

どうやら世界全体で「観測史上初」が増えているのです。

マネジメント力との関連

最近Six Stars Consultingへのご相談として多いのが、30代~40代のミドル層を対象とした「マネジメント力」に関するものです。

そうしたご相談に対応しながら、最近感じていることがあります。それは、今までと同じで良いことと、異なることについてです。

その異なることの1つとして挙げられるのは、世界を全体で見て、大規模化する自然災害に対応する力です。

例えば、2011年秋には、タイに進出していた日本企業の多くが、洪水により甚大な被害を受けました。しかし現地では、洪水は毎年あることや、前年が渇水で水不足であったことから渇水への対応を優先していたそうで、洪水が続くと考える人は多くなかったようです。

しかし10月に入り状況は悪化しました。それにより、日本企業の多くは甚大な被害を受けることになりました。

その一方で、少数ながら早い段階で対応することで、被害を最小限に食い止めた日本企業もあったようです。その事例をご紹介します。

自動車部品などをつくる河西工業では、先に浸水が始まったタイ北部の部品メーカーから送られてきた被災状況の写真をみて、操業を一部停止。金型や製造設備をハイテク工業団地外の倉庫に避難させることに成功したという。

変圧器などを製造するSDSエレクトリック社は、上流の工業団地の企業に洪水の情報を聞き、工場内に土嚢を積み、床もかさ上げして資材を安全な場所に移した。安井啓二社長は、「結果的に機械や部品を守れた。製造業なので供給責任があります。100%とはいかないが、納入先のラインを止めないようにという思いがある」と語った。

   記事引用:PHPBiz オンライン(タイ洪水、日本企業かく戦えり 2011年12月12日公開記事)

国外で起こったことですと、グローバルに対応するための話のように思えますが、決してそうではありません。このようなことは、規模の大小はあるかもしれませんがどこでも可能性があるのです。また、その可能性が今までより頻度が多く規模も大きくなっているのです。

もしかしたら、自然災害に対応するための「マネジメント力」と言われるとピンとこないかもしれません。ここでいうことは、短期的には、通常のマネジメントに含まれる要素です。早い段階で異変や兆候をつかみ、最悪のケースを想定し、対応の準備をしておく力を養うことです。具体的には、異変や兆候をつかむための日常的な情報収集力、想定力、対応策を複数用意する力、その上で上位職に判断を求めるといった仕事の進め方です。そこに「気象」という条件を加えても、対応ができるかどうかです。或いは、上位職に判断を求めることができない状況でも、現場で判断できるようにしておけるかどうかです。

しかし長期的となると、少し考え方は変わってきます。今の状況が継続するかどうかということも視野に入れる必要があります。或いは、起こる自然災害に対応するための新技術・新サービスの開発、もっというと、自然災害そのものが起こりにくくするための、新技術・新サービスを世の中に提案する力、ということも考えられるかもしれません。

「観測史上初」という言葉を聞くたびに、「マネジメント」について新しい視点をで考える必要性を感じる今日この頃。皆さんは、どのようにお考えになりますか?

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 Six Stars Consulting では、「組織の将来を担うミドル層(30代~40代前半)の課題と強化の具体策~人材育成担当者が今取り組むべき3つのこと~」というテーマで、8月21日(火)午後 東京国際フォーラムでセミナーを開催します。

ご関心のある方は、ホームページから詳細情報をご確認いただき、お申し込みください。(詳細情報は下記から)

http://www.six-stars.jp/seminar/workshop.html

 

(参考情報)

気象庁 http://www.jma.go.jp/jma/index.html

NOAA http://www.noaa.gov/

PHPBiz オンライン  http://shuchi.php.co.jp/article/452

 

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