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地方都市のおじさんが思う「家族と仕事とお勉強のワークライフバランス」

変われないなら環境を変える!? 〜後押し次第で人は動く〜

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 変わることは、そう簡単ではない。そう言う自分自身もその通りであり、物事なかなか上手くいかないことも多い。

 以前、ブログでも書いたチップ・ハース&ダン・ハースの新刊「スイッチ! 「変われない」を変える方法」が昨年出ていた。(昨年なので、新刊とは言えないですが・・・)最近、チラチラ読みながら、自問することもある。

(ちなみに、前のブログはこちら)

 ・ 「何が言いたかったんですかね・・・?」と陰でボヤかれない簡単なコツ
 ・ 「何かないでしょうか?」から突破口が見いだせない本当の理由

 要旨は、別の機会で触れるとして、面白いなぁと思う事例があった。

 米国の大学での実験である。大学生の缶詰の寄付活動への参加とその環境に関する実験である。
まず、事前に被験者候補の学生に寄付活動への参加意欲を聞き取ると、同著では”聖人”とされる積極的な学生と、”薄情者”とされる消極的な学生に分類できるとされた。(同著も引用なので、念のため原著「The Person and the Situations: Perspectives of Social Psychology」にあたったら、さらに引用だったので引用の引用ですみません。)
 次に、彼らに「翌週に食品寄付の活動をするので、学内の指定広場に缶詰をもってきてほしい」と手紙で依頼することした。
 依頼の仕方は、2つある。詳細な依頼として、手紙には学生の名前を書き、缶詰の種類を示し、指定広場の場所の地図を添えた。また、個別にフォローアップの電話もしている。他方(簡素な依頼)には、”学生の皆様へ”との宛名とし、特に缶詰の指定や地図添付もせず、フォローアップコールもしなかったとのこと。「聖人グループ」「薄情者グループ」に対して、各々均等に手紙にて依頼したらしい。

 すると、寄付への参加行動は、事前の「聖人」「薄情者」のグループよりも、むしろ、依頼の仕方によって大きく差が出たとのこと。
 簡素な依頼については、薄情者は予想通りの0パーセントとなり、聖人でも8パーセントの参加に留まったとのこと。次に、詳細な依頼をしたほうは、聖人にて42パーセントの参加があり、薄情者においてもなんと25パーセントの参加があったと報告している。
 つまり、この実験にて、依頼/指示の仕方は他社の行動に大きく影響を与える可能性を示している。

 同著では、フェーズを示しながらも、人が変わるためには、人の問題に見えても環境の問題であることに触れてる。自分自身の内面を大きく変えることが難しいと考えるとき、むしろ環境を変えようと「対象を変える」こともよいかもしれない。

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