海外マーケティングをサポートする中で見えてくる「日本人のこと」「外国人のこと」。固いことから柔らかいことまで様々な視点から書いていきます。

【中国人に聞いた Vol.3】中国で成功する企業・失敗する企業

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今後さらに増加するであろう中国へ進出する日本企業。しかし、中国に進出するも毎年約200社にも及ぶ企業が中国から撤退している事はあまり語られていない。中国進出するときには華々しいものの、その後の失敗の理由について日本で進出コンサルティングをしている中国人に実際に聞いてみた。

中国に限らず、海外進出する日本企業は増えてきているが、毎年世界中で500社ほどの日本企業が海外から撤退している。そのうち200社位が中国からの撤退だ。中国に進出する企業が多いので、失敗する企業が多いのは当たり前だが、話していると中国だから失敗したというよりも、そもそも海外進出する際の準備が不足しているということが言えると感じた。

一言でいえば、「郷に入っては郷に従え」を実践出来ていない。



----多くの日本企業が中国進出に失敗していると言われていますが、実際のところどうなのでしょうか。

●中国人との人脈が出来ない
例えば、中国に飲食店を出店する際、中国ではその地域の官僚は基本的に代金を支払わないことが多いです。その際、無理に支払わせようとすると誰もお店にお客さんが来なくなります。というのも、その官僚がその店に行くなと言いふらすからです。そして、そのことを聞いた人たちはその通りにします。なぜなら、それに逆らうとよいことが起こらないからです。自分も同じようになってしまわないように自分自身を守るのです。

逆に、その地域の有力者や官僚に気に入られることが出来ればお店はとても繁盛します。これは、先ほどの逆でこの店に行くようにと薦めてくれるからです。そして、それを聞いた人たちはその店にいかないわけにはいかなくなるのです。行かないとよくないことが起こるからです。日本人であれば、広告を打って大量に人を集めて売り上げを上げようと考える人が殆どだと思いますが、それよりも人脈を生かした営業をすることの方が中国では重要なのです。

つまり、いきなり中国に行って何かしようとしても難しいのです。どんな人とめぐり会えるのかが重要なのです。その人脈構築はすぐに出来るものではありません。日本では、ビジネスの仕組みや慣習が出来上がっているので簡単にビジネスを始めることも出来て、ちゃんと計画を立てればそれなりにやっていくことが出来ますが、中国では仕組みや慣習が出来上がっていないのでそういうわけにはいかないのです。その部分で日本企業は今までの感覚とだいぶ違う印象を持つでしょうね。中国進出コンサルティング会社が沢山ありますが、その人脈を持っている会社なのかどうかを確かめる必要もあると思います。

あと、営業手法で言えるのは、日本のテレアポは中国では全く通用しないという事です。上記で説明したように、中国では強力な人脈を持てるかどうかにかかっている部分が大きいです。そのため、どんなに自分たちのニーズを満たしている製品やサービスで低価格であってもビジネスにはなりにくいのです。例えば、同じ商品であっても、知っている人から多少高額でも買う傾向があります。すべてがそうだということはありませんが。人脈は自分のビジネスを継続し発展するときにも必要です。それは日本人にも理解できると思います。多くの企業や経営者との人脈は大きな情報源ともなりますし、自分自身の成長にもつながります。実際に会って話してみて、実際に付き合ってみてその人が信用できる人なのか等を確かめた上でないとビジネスは上手くいきません。それが中国でのビジネスの特徴です。

日本企業はそもそもそのことを知らなかったり、本当の意味で理解できていないことがよくあります。

●『情』を大切にしない
中国は意外と「情を大切にすると上手くいく国」です。ビジネスライク的な部分ももちろんありますが、人と人との関係が日本以上に重要視されるのです。だから、何らかの恩恵を受けたのであればそれを必ず何らかの形で返すということが絶対必要なのです。そうすることで多くの人々と出会うことが出来て良い人脈を構築することが出来るようになるのです。よく日本でも聞きますが、『中国人は知らない人には冷たいが、一度仲良くなると家族のようになる』ところがあります。それが中国の良いところであり、それを活かすことが中国で成功する秘訣なのです。日本企業は日本での感覚でビジネスをしてしまう傾向があってそれが上手に人脈を構築出来ない原因になっているような気がします。

●中国人を上手く使えない。任せられない。
失敗する日本企業の多くは日本人が陣頭指揮をとって中国国内でビジネスを展開する場合が多いです。やはり、中国のことは中国人が一番よく知っているのです。例えば、中国人の場合インセンティブ制度にした方がよいということは中国人でないと分かりません。また、中国人からしても日本人のやり方についていけないという事もあります。日本人はどうしても中国人のことを信用できないようです。だから、何でも自分の思った通りにやりたがります。そして失敗するのです。日本に限らず中国で成功する企業は信用出来る中国人に任せるということをしています。これは日本に進出する外資系企業でも同じなのではないでしょうか。欧米人のやり方に日本人はついていけるでしょうか。同じ仕事でも日本人の上司と外国人の上司では全然違うのではないでしょうか。それは中国人にとっても同じことなのです。
 
また、中国人を信用していないなと感じるのは、日本企業には絶対に損をしない仕組みで事業しようとすることがあるという事です。中国人のことを知らないからそうなると思いますが、ではなぜ知ろうとしないのかと疑問に思います。そんなやり方でビジネスをする企業が日本も含めたどの国にあるんだろうかと思います。中国を必要以上に怖がってビジネスにならないのです。

●日本での成功体験を捨てることが出来ない
日本での成功体験が強い企業ほど、中国で失敗します。その理由は上記で述べた通りです。中国は日本とは違う国です。日本のやり方は中国では成功出来ないと考えた方がいいです。もし、今のやり方でやりたいというのであれば日本国内にとどまるべきです。無理に海外進出して傷口を広げる必要はありません。
 


なぜ、日本国内では「郷に入っては郷に従え」が実践できているのに、海外ではそれが出来ないのか。中国人からすれば、日本人はどこに行っても同じような人たちなのかもしれない。日本の中で「郷に入っては郷に従え」は比較的簡単なのかもしれない。だから、外国の中に飛び込んで行くと日本人は今までにない文化の差を感じてしまうのだろうか。日本人は文化の差に適応できないというのが実情ではないか。



----では、日本企業はどのようにすべきだと思いますか?

●もっと中国人を知ろうとすること
まず、日本人は中国のこと、中国人のことを知らな過ぎます。中国は進出して数年で大きな利益が上がるような国ではありません。既に言ったように、中国では人脈や中国人との関係構築が上手くならないと成功できません。しかし、その人脈や関係構築というものはすぐに出来るものではありません。正直なところ、すぐに構築できるものは日本人でなくても中国人でも韓国人でもアメリカ人でも出来ます。失敗する多くの企業が出来ないのが人脈であり、時間をかけ、中国に腰を下ろして事業を行う、というスタンスの継続なのです。日本での商品・サービスが中国で上手くいかないことが分かったのならば、中国人のニーズに合う商品・サービスを開発しなければなりません。日本企業は、そういうことが少ないと思います。一度ダメだったらそれでおしまい。それが日本企業です。でも、中国で成功している企業は、ダメだったらどうすればよいのかということを徹底的にやっている企業だと思います。その努力が文化の差を埋めるのだと思います。実際、現在中国で存在感のある企業は10年以上も市場調査に時間をかけたりしています。

中国に進出する際には全くのゼロの状態から会社を起こすくらいの気持ちを持って行かなければならないと思います。会社を起こしたときの気持ちを中国進出の際にも持ち続けることが出来るかどうかです。


●日本企業は『しょうがなく』中国進出をしている。これが一番マズイ!
今まで色んなことを言ってきましたが、これらの多くの原因となっている根本的な原因は、日本人の意識にあると思います。日本企業の本音は「出来れば日本国内だけで売上と利益を出したい」ということです。出来ることなら、日本で完結したい。出来れば、海外に出ていかないで会社を存続させたい。でも、日本市場はこれから縮小していくから日本だけにしがみついていては、この先会社も小さくなるしかない。だから、しょうがないけど海外進出しようということをすごく感じます。この意識がなくならない限り多くの日本企業は中国に限らず海外のどの国でも成功は難しいと思います。



日本市場が縮小している。消費税が増額される。今後の日本経済はどう考えても明るくない。今後、倒産する企業もさらに増加してくるであろう。以前なら、「景気回復はいつごろになりそうか」なんて言葉が聞かれていたが、今では「今後のさらなる不景気にどう立ち向かうか」という言葉の方がよっぽどしっくりくる。出来ることなら、日本で。その気持ちも分からなくもないが、世界中がグローバル化していく中でこのままで良いはずがない。私たちは日本に住んでいるが、世界の中の日本に住んでいることを忘れてはいけない。






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