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今までの経験から、マーケティング戦略を考えるにあたって「時間」という概念は切っても切れないものであると思います。そこで、先人の残した言葉「時は金なり(Time is money)という言葉を再度心に留め、時間とマーケティングの関係について考察します。

本田選手のいう個の大切さ

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W杯出場を決めたサッカー日本代表の本田選手のインタビューを聞いてハッとした。

 

【インタビューより】
『結局のところ、最後は個で試合を決するのことがほとんどなので。
もちろん日本の最大のストロングポイントはチームワークだが、それは僕らにとっては生まれ持っている能力なので。
どうやって自立した選手になって、個を高められるか。
自分が前に出るという強い気持ちを持って集まっているのが代表選手だと思う...』

 

私はたまたま、W杯出場決定というタイミングでテレビを見ていただけの素人だが、本田選手のインタビューには心を打たれた。
この話は、何も日本代表という極めてハイレベルな次元にいる人たちだけの話ではなく、我々一般人にも非常に共通して言える話だと思う。
私は、本田選手がすごい選手だということは認識しつつも、その具体的な凄さを伝える技術は持ち合わせていない。
しかし、このインタビューの言葉はとっさの思いつきではなく普段から考え抜かれたものだと感じた。
それだけ、究極的でなおかつ、とてもシンプルである。

勝敗の分かれ目になるのは、最後は必ず個人の力になる。
パスを出す側、もらう側の個、シュートを打つものの個、すなわち、最後の最後に決め手となるものはチームワークの差ではないということなのではないか。
ただ、チームワークを否定しているわけではなく、日本がチームワークにおいて優れていることは、もはや先天的な生まれ持っている能力なのだと。
だから、W杯までにすべきことは、最後の決め手となる個をどこまで高められるかが大切だと言いたかったのではないだろうか。

本田選手のいう個とは、我々一般人からは想像できないほどの努力と精神力が必要な次元のものだと思うが、この考え方は、一般人の社会にも活用できると思う。

例えば会社の営業マンの商談を成立させる最後の決め手は、その営業マンの個であろう。
買い手がどんなにその会社の製品が欲しくても人間的にその営業マンを好きになれなければ、いつかその買い手と売り手の関係は壊れてしまうであろう。BtoBの取引だとしても、最終的には個と個の関係が取引に影響を及ぼすということも多い。

また、営業マンの個を重視している組織は、営業マンに与える権限も大きくなる。

何かあるたびに上司の許可がないと動けない営業マンには残念ながら個はないのではないだろうか。

自分自身の責任で、顧客と勝負する・・・すなわち自立した営業マンをより多く抱える組織は強い。

ここでは営業マンを例にあげたが、どの職種にも当てはまることである。それぞれが、自身の役割を理解し、自分の頭で考え、判断し、行動し、責任を持つ。そういう自立した組織が競争に打ち勝つ強さを持っているのだと思う。

 

チームワークは非常に大切なものだが、時として責任の所在を不明確にし、個を高める上では逆の効果を及ぼすものなのかもしれない。
チームが成長して行く過程でチームワークが必要な局面と、それぞれの個が強い使命感を持ち、自身の能力を見つめ、自分自身と向き合い、さらに成長することが必要な局面があるのだと思う。

 

本田選手の言う、個という言葉はサッカーだけでなく"チームワークの良さを生まれながらにもつ"日本人がグローバルに世界の競合企業と競争していくうえでも共通するキーワードだと強く感じる。

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