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今までの経験から、マーケティング戦略を考えるにあたって「時間」という概念は切っても切れないものであると思います。そこで、先人の残した言葉「時は金なり(Time is money)という言葉を再度心に留め、時間とマーケティングの関係について考察します。

最近物覚えが悪くなったという人

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『子供の頃はなんでも覚えることができたのに、最近は本当に物忘れがひどくなった』とか、『子供の頃に覚えたことは、今でも覚えているけれど、大人になってから覚えたことはすぐに忘れてしまう』
誰もが口にし、誰もが実感していることであろう。


保育園に行っている私の娘が先日、逆上がりが出来るようになった。ここ一年ほどの日々の努力を見ていて感じたことがある。
それは、子供の頃にできるようになったことは、繰り返しの努力によりできるようになったことだが、『繰り返し努力をした結果できるようになったこと』は忘れてしまうということ


子供の頃は意味もわからず体で覚えるということも少なくない。掛け算の九九も原則こそあれ、暗記の世界であるし、計算ドリルなどというものを繰り返し繰り返しやって四則演算ができるようになる。
大掃除で、小学校の頃のノートが出てきたりすると同じ字ばかり練習したことがわかるし、通勤電車で見かける高校生はボロボロになるまで見返した単語のテキストを握りしめている。
キャッチボールだって、父親の構えるグローブ目掛けて何度投げたことか...
自転車の補助輪をはずすために何度練習したことか...


つまり、子供の頃の方が記憶力があるのではなく、子供の頃の方が繰り返し練習をしたということではないだろうか。すなわち、子供の頃に習得したことには、それなりの『時間』をかけているのである

そして、繰り返し努力をしたからできるようになったということには気付かないものだ。


大人になり就職をすれば、どうしてもすぐに結果を求められるし、主に学業に専念をしていれば良かった子供の頃に比べて仕事、付き合い、趣味、子育て...と行動の幅も広がる。そのため、一つのことにかけられる時間が限られるため、定着するまで繰り返し練習をすることができないため、実際定着することなく終わってしまうことが多いのではないのだろうか。
結果、冒頭のような感情が生まれるのではないか。


しかし、大人になったからといって、新たに習得することがないのはつまらないし、新たに習得することが必要なこともたくさんあるであろう。
だからこそ大切なことは、時間は限られているのであるから、あれもこれもと欲張るのではなく『これだけはやる』という優先順位を明確にすること。また、『これはやらない』という劣後順位を明確にすることであろう。この、優先順位、劣後順位という考え方は時間管理をテーマにした書籍などでも様々な方が重要だと言っている。

 

何度も何度も、地面を蹴って足をあげる練習をし、ついに逆上がりで鉄棒に乗ることができた時の感動...鉄棒の上からの景色は格別であろう。
大人になって逆上がりの練習はすることはないかもしれないが、同様の感動を味わえるのなら、そのための努力も悪くない。

娘の逆上がりができた時、私も逆上がりに挑戦してみたところ、何十年ぶりかにやってみたのだがなんとかできた(娘の手前、できなかったことを考えるととても恐ろしいが...)。繰り返しの努力により、身につけたことは身体が覚えているものだと実感した。つまり、逆上がりや自転車に乗ることのように頭ではなく体で覚えるまで繰り返した努力こそが、真のチカラになるのだと考える。

 

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