今までの経験から、マーケティング戦略を考えるにあたって「時間」という概念は切っても切れないものであると思います。そこで、先人の残した言葉「時は金なり(Time is money)という言葉を再度心に留め、時間とマーケティングの関係について考察します。

ライバルは競合店ではない、顧客のニーズの変化である

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表題の言葉はセブンイレブンの創業者、鈴木敏文氏の言葉です。

鈴木氏は常々、顧客の『変化への対応』が大切とおっしゃっています。
実際コンビニも顧客のニーズの変化に対応をして成長をしてきました。

次の記事をご覧になってください。少し前の日経新聞の記事です。

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内容は、家計の支出のうちパンの支出が米の支出を上回ったという内容です。グラフをみると、驚くほど米への支出が減っていることがわかりますが、もちろん日本人が米を食べなくなったわけではありません。

スーパーなどで米そのものを買うのが減少しているということです。いわゆる外食や中食といわれる分野が発達し、米そのものを購入するのではなく、仕事帰りに外で食べて行ったり、お弁当を買ったり、ということが増加しているということです。

さて、そうなると気になるのはコメの販売量の変化に伴う炊飯器の売上の変化ですよね。

調べてみました。JEMA(日本電気工業会)の統計によると、炊飯器は1990年の一年間に757万台、840億円を出荷していますが、1997年に839万台、940億円を出荷したのをピークに、最近は650~700万台弱を推移しています。
ところが特筆すべきは2010年に始めて1000億円を突破しているのです(691万台で1,033億円)。理由は、単価のアップであり、1990年は、約11,100円、1997年は約11,200円、2010年はなんと、14,900円という単価になっています。すなわち出荷数は若干の減少が見られるものの、出荷金額は増加しているのです。
ご存知のように、消費者物価指数は1995年を過ぎたあたりから減少に転じていますので、このように単価が上がっているというのは異例のことではないでしょうか?便利なネットで価格コムのサイトを調べてみると、どうやらこのことは、2006年以降のハイクラスタイプ(5万円前後のもの)の炊飯器の発売が寄与していそうです。


つまり、ここ最近で消費者のニーズが大きく変化しており、炊飯器メーカーもこれに対応しているということをあらわしています。
推測すると、外食やお弁当が増えてきた家庭では、たまに家で作るご飯は美味しく拘って作りたいというニーズに応えたものかもしれません。お米そのものについても、分析してみると同じような傾向があるのかもしれませんね。

 

ここで私が申し上げたいのは、お客様のニーズの変化とこれに対応する企業があって初めて、上記のグラフのような『結果』が生じるということです。お客様のニーズが変化をしても、メーカーが対応していなければ、販売の実績は立ちませんので潜在的なニーズのままで終わるはずです。その逆も然りです。そして今もなお、お客様のニーズは絶えず変化をしているということです

 

まとめますと、大切なことは、次の3つではないでしょうか。
①今、商品を買ってくださるお客様のニーズは、必ず変化していくという認識を持つこと
②そのニーズの変化を感じ取るための仕組みを作っておくこと
③感じ取ったニーズの変化を商品に活かすこと

例えばコンビニのローソンの社長新浪剛史氏は、日経ビジネス2012年7月16日号の記事の中で
『会員カード比率をあげることにより、何が売れるかではなく、誰がお客として居るかを焦点に店作りができるようになる。
個店ではなく、個人とつながることで仕入れの精度を飛躍的に向上できる 』とおっしゃっています。
ニーズの変化を感じ取るための仕組みとしてポンタカードを徹底的に使うということだと思います。

コンビニ業界1位、2位ともに、顧客のニーズの変化に絶えず注意を払っています。
皆様の業界ではどのようにニーズを、把握しておられますか。

【参考】
JEMA(日本電気工業会)の統計:http://www.jema-net.or.jp/Japanese/data/ka02.html

価格コムHP:http://kakaku.com/kaden/rice-cooker/guide_2125/#Section2

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