世界最高峰のモータースポーツであるフォーミュラ1を「斜め45度」から見ると、ビジネスや世の中が見えてくる!?まったり気ままに、時には真面目に。世界を駆け巡るF1ビジネスの仕組みから、F1でわかる経済学、エコとF1まで。フォーミュラ・コモンズがお届けします。

フォース・インディアのブーメラン騒ぎの件 - エフワンのぼやき #012

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ども、Quzyです。

Vitantonio Liuzzi

インド国旗のカラーリングをまとってF1を疾走しているフォース・インディアですが、大富豪として知られるビジェイ・マリヤ代表のビジネスがあまりうまくいっていないというニュースが散見され、F1チームとしてそもそも大丈夫なのか、いつまで走れるんだ、といった懸念もありました。

しかし2011年に、フォース・インディアの株式の42.5%を取得したサハラ・グループは、僕が思っていた以上に各分野にまたがった巨大なコングロマリットを形成しているらしく(Sahara India Pariwar - Wikipedia, the free encyclopedia)、ある意味で、マリヤ代表の個人チームだったフォース・インディアに、別のインド企業体の手が加わったことで、インディアのフォース的にはかなり強まった感があります(サハラ・グループ、フォース・インディアの共同オーナーに : F1通信)。

かつて「フォース・ジャパン」を標榜したスーパーアグリF1チームが、グローバルビジネスの檜舞台ともいえるF1の波にのまれて悲惨な末路を辿ったことを考えると、フォース・インディアがこれだけ長期にわたってF1で成功し続けていることは驚きであり、ちょっとうらやましいです。

さて、そのフォースインディア最新のニュースで、ケータハム(旧ロータス)との訴訟で、さらなるお金の支払いがフォース・インディア側に命じられたとありました(フォース・インディアに訴訟費用支払いの判決 | Force India | F1ニュース | ESPN F1)。

これ、よくわかんないんでしょ。

少なくとも僕はよくわかんなかったです。

記事にもいろいろ書いてあるんですけど、事実関係がさっぱりわからない。

そこで......

時を西暦2007年まで遡ると......

フェラーリとマクラーレンのあいだで「スパイゲート(ステップニーゲート)」と呼ばれたスパイ騒動がありました。フェラーリの機密文書が、マクラーレンのエンジニアの手に渡っていた、というものです。これは事実だったということで、最終的にマクラーレンは巨額の罰金を科され、かつ2007年のコンストラクターズポイントを全て剥奪されました。

この2007年の「スパイ」騒動は数年間続いたのですが、そのF1スパイブーム(?)の文脈で新たに声をあげたのがフォース・インディアでした。

「わたしたちのマシンデザインが、ロータス(現ケータハム)に流用された」

その理由は、フォース・インディアが利用していた風洞施設に残したモデルやデータが、次にその風洞施設を利用してマシン設計をおこなったロータス(現ケータハム)にも用いられた、というものでした。ここでは、知的財産権をめぐって、2010年にフォースインディアが原告となり、訴訟が開始されました(フォース・インディア、ロータスに対する訴訟を開始 | F1 トップニュース | 2010年F1世界選手権 | Live速報)。

この裁判については、2011年をスルーして、2012年まで引き延ばされたあげくに(フォース・インディアの訴訟は来年に持ち越し | Formula 1 | F1ニュース | ESPN F1)、やっと判決がでています。データの流用が認められうるが、それが広範囲にわたって利用されたとはいえないので、きわめて少額な、わずか25000ユーロ(300万円弱?)の賠償金の支払いがロータス(現ケータハム)側に命じられたのです。

しかし、フォース・インディアは、この判決を得るまでに既に20億円の訴訟費用を費やしており、「そんなちっちゃなことをわたしたちは争ったのではない!」と、控訴しました(知的財産の争いで控訴するフォース・インディア | Force India | F1ニュース | ESPN F1)。これが2012年3月のおはなし。

......と、まぁ、ここまでは、流れがわかるんですが。

今回のニュースは、これに加えて、その判決とは別件で、というお話です。

さらに、イギリスの裁判所は、フォース・インディア側に、これまでロータス(現ケータハム)と、そのテクニカル・ディレクターであるマイク・ガスコインのこれまでの訴訟費用を負担するように、と命じられたわけです(知的財産の争いで控訴するフォース・インディア | Force India | F1ニュース | ESPN F1)。その額、計約8500万円。

さらにさらに別件ですが、そのフォース・インディアがロータス(現ケータハム!)と風洞施設を訴えたときに、風洞施設から「そういえばおたく、当時施設を使っていたときの利用料、まだ払ってくれてないよね?」と突っ込まれ、逆に裁判で攻め込まれ、その支払いを求められています(約1億円)。

というわけで・・・

フォース・インディアがここ3年間にわたる一連の訴訟で得たものは、わずか300万円。その代わりに、自らが費やした訴訟費用20億円(+α)に、相手側の訴訟費用の負担(8500万円)、さらに過去の風洞施設への未払い分の請求(1億円)が暴かれて上乗せされたというボーナスっぷりということのようです。

少しは整理できたでしょうか......

Quzyはそんなフォース・インディアを応援しています。

それでは、ごきげんよう。

Q

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