世界最高峰のモータースポーツであるフォーミュラ1を「斜め45度」から見ると、ビジネスや世の中が見えてくる!?まったり気ままに、時には真面目に。世界を駆け巡るF1ビジネスの仕組みから、F1でわかる経済学、エコとF1まで。フォーミュラ・コモンズがお届けします。

「ヘルメット被ってるから顔わかんないもん!」 - F1 とアニメから見えてくる「世界の見方」-

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メリークリスマス!

さて、ヨーロッパ文化が色濃く反映されているF1にも、クリスマスに関連するイベントはいくつかあります。例えば、F1 の最高責任者バーニーエクレストンさんは毎年、その年のF1 にあった出来事をモチーフにクリスマスカードを関係者に配布しています。

ここからヨーロッパ文化がF1 に与えた影響を考えてみるのも良いのですが、あえて別の切り口で、F1 と文化の関係について思いを馳せてみることにします。

テーマは、「F1もアニメも、世界を知るためのひとつの興味深い方法である」です。F1 を観戦するとき、あるいはアニメをみるとき、僕たちはレースやキャラクターの向こうにある、世界の在り様も同時に楽しんでいるのです。

まずは、世界を舞台にしたとあるアニメの話から始めようと思います (最後はちゃんとF1 の話になるのでご安心を!)...


・「パンツじゃないから恥ずかしくないもん!」

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(写真: kodomut from Flickr.com, (CC) BY)

ストライクウィッチーズというアニメをご存知でしょうか?

科学ではなく魔法が大きく発展したとある世界。
その世界では、ネウロイという正体不明の敵に世界中が攻撃を受けていました。
扶桑という、日本によく似た国で女子学生をしていた宮藤芳佳は、魔女としての才能を見込まれブリタニアの戦役にひとりの兵士として参戦することになりました。世界中のエース達が集められた501 統合戦闘航空団のなかで、素人だった宮藤は徐々に飛行機乗りとしての才能を、仲間たちとの友情を育むなかで開花させていきます。

これが、「ストライクウィッチーズ」の大まかな内容です。
2008 年に第一期が、2010 年に第二期が制作されたこのアニメは大ヒットし、劇場アニメの制作も決定しています。世知辛い話の多い日本のF1 に比べれば、随分景気が良さそうです。


・レーベル、レーベル!

さて、ここでF1 とこのアニメをいささか強引にではありますが比較してみることにしましょう。ストライクウィッチーズの主な舞台である501 統合戦闘航空団には、各国のスーパーエース達が在籍しています。そこで、彼女達の特徴を列挙していくことにします。

エイラ・イルマタル・ユーティライネンさん、フィンランドをモデルとするスオムスという国出身の彼女は、掴みどころのない「不思議ちゃん」として部隊では認識されています。話し方もかなり平坦というか棒読みで、そして「世界最臭の飴」サルミアッキを愛しています。しかし、ひとたび戦闘となれば多大なる戦果を挙げます。

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(写真: ph-stop from Flickr.com, (CC) BY-SA)

...あれ、これ去年までフェラーリに在籍していたキミ・ライコネンさんのことじゃ?


フランチェスカ・ルッキーニさん、イタリア北部をモデルとするロマーニャ出身の彼女は、いつも陽気で、部隊の末っ子として愛されています。上官から怒られるとしょげたり落ち込んだりもするのですが、すぐに元気になって、その生まれながらの才能を発揮しています。

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(写真: Morio from Wikipedia Commons, (CC) BY-SA)

...なんとなく、ヤルノ・トゥルーリさんやジャンカルロ・フィジケラさんのことを思い出すのは、僕だけでしょうか?

この他にも、ストライクウィッチーズには各国のエースたちが在籍しているのですが、そのキャラクター設定にはそのお国柄ともいえるものが色濃く反映されています。それは、日本に住んでいる僕たちがF1 を見て、それぞれの国のF1ドライバー達に抱く印象と、そこはかとなく似ているのです。


・文化の媒介装置としてのF1 やアニメ

F1 は単なる自動車競争ではないと、このブログの初回に書きました。F1 を見ていると、その成り立ちにはヨーロッパの文化が色濃く反映されていることがわかります。そして、F1 にちょっと詳しくなってドライバーのパーソナリティや人柄に触れるとき、僕たちF1 ファンは彼らだけではなく、その国についてもちょっとだけ理解した気分になるのです。

それと同じことは、アニメとアニメファンにも当てはまります。「ストライクウィッチーズ」や「ヘタリア」、もしくはこれまでに数多く制作されてきた世界を舞台にしたアニメをみるとき、そのアニメを通じて、そこで描かれている国や人々を理解した気持ちにちょっとだけなります。

もちろん、アニメやF1 を通じてその国のすべてを理解できるはずがありません。 例えば三原龍太郎さんは、日本アニメのアメリカにおける受容のされ方が、アメリカにおける日本の文化的イメージに大きく影響を受けていることを明らかにしています ( 「ウロボロスの環、あるいはアニメオリエンタリズム試論」, 『一橋ビジネスレビュー』2010 冬号, pp.68-85)

内向きになりつつあるとされる日本人ですが、実はアニメやF1,サッカーなどの国際的スポーツを通じて世界を眺める機会が沢山あります。「たかがアニメ」、「たかがF1」とせずその背景を覗き込むことで、世界と日本の関係が見えてくるのかもしれませんね。


それでは、よいクリスマスをお過ごしください。


by blog.formula.commons (原泰史)

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