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総務省でSIMロック解除に関する議論が始まったことについて

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やっと、という思いだ。手遅れと思えなくもないが、それでも道が閉ざされていなかったことを国民の一人として、一消費者として喜びたい。

「iPhone」が登場するまで、携帯電話分野をリードしてきたのは欧州、韓国、日本などの国だ。サービスはその地域によりプレイヤー(主としてオペレータ)が異なるが、携帯電話機はそれを超えて流通していた。フィンランドのNokia、韓国のSamsung、LG、米国Motorolaなどが国とオペレータを超えて競争する中で、日本のメーカーは着実に存在感をなくしていった。

欧州を見ると、8年前にフランスでスタートした「iモード」(フランス以外には、ベルギー、英国、スペイン、イタリアなど複数国で展開されていた)に合わせ、一部の日本メーカーは海外展開に期待した。しかし、iモードは総じて失敗。メーカーの海外展開もうまくいかなかった。3Gをタイミングにしていたメーカーもあったが、不発に終わった。

この間失ったものは大きいと思う。iPhoneやAndroidをみていると、震源地は欧州でも韓国でも日本でもなく、米国に移っており、日本のモバイル業界は何度となくチャンスを見過ごしてしまったようにみえる。また、日本市場そのものの魅力も半減したと思う(Nokia撤退時の考察を参照のこと)。だが、この問題が議論されるようになったことは大きな一歩だ。今後の動向に注目したい。

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