共創でマーケティングを変える!

Social Good な企業とその取り組み #6:西武信用金庫

»

三回目で取り上げた大垣共立銀行もそうであるが、「地域経済に貢献する」ことが地域金融機関の最も重要な役割です。しかし、その一方で地域経済の縮小のために地銀、信用金庫は縮小傾向です。

今回ご紹介する西武金融金庫は中野に本店を置き、多摩地区を営業エリアとし、貸出金1兆1,268億円(対前年比5.8%増、信用金庫ランキング19位/265信用金庫)、預金残高1兆5,451億円(対前年比3.7%増、信用金庫ランキング11位/265信用金庫)、JCR格付けA+の優良信用組合です。

平成23年には持続可能な社会形成に向けた金融行動原則「21世紀金融行動原則」にいち早く署名し、「良いお金の循環」を推進しています。これらの方針に基づき、彼らの取り組みにはユニークな商品・サービスがあります。

1.「eco.定期預金」(平成20年から26年)

ecoteiki.png

環境問題に意識の高い生活者から定期預金を集め、その利息の20%と同額を西武信用金庫も拠出、環境保全活動を行っている地域のNPO団体に助成しました。実施した期間に、総額386億円の定期預金、助成した団体数92団体、17百万円の実績になっています。ここでは環境問題解決という目的のために共感した「生活者」、地域及び環境保全支援金融機関「西武信用金庫」、その実行団体「NPO」が一体となり共創したことになります。預金者は自分の利息の20%を捻出し、活動に参加したことになります。西武信用金庫も地元の環境に配慮している中小企業の支援につながります。自己の利益をシェアし、地域や環境課題解決に取り組むGood Workと言えます。

環境問題やその他ソーシャル課題、ガバナンスに取り組む企業は中長期に渡り健全な経営を行い、利益を継続的に生むものとして、投資家もESG投資(Enviroment, Social, Governance)は、「特に欧州では、長期的なリスクを低減するという認識が、金融機関や機関投資家に浸透していることに加え、持続的な発展への貢献に価値を見出す投資家が増え、ESGに配慮した投資が主流になりつつあります。」(東証Webサイトより)東証もESGに積極的に取り組む一部上場銘柄15社をピックアップしています。

2. 「マイナス金利還元宣言

賛否両論の「日銀のマイナス金利」政策ですが、西武信金は、マイナス金利のメリットを地域に還元するポジティブ施策として打ち出しました。通常連動して下げるべき預金金利をむしろ引き上げました。(3−5年もの定期預金)実際のビジネスインパクトはそう大きくないものの共感性の高い商品をタイムリーに出したことにより、多くのメディアにも掲載され、実際の預金も想定以上に増えたとのこと。JCR格付けA+の経営力と地域限定という信金の特徴を遺憾なく発揮した商品といえます。

3. 「東京発!物産・逸品見本市

毎年GW明けに新宿駅西口で西武信金主催で、東京西地区の中小企業が生産する名品のマーケットプレイスを開いています。マーケットには100に近い企業が出店し、また、バイヤーとのマッチングの機会も作られ、地元企業の支援を積極的に行っています。

4. 「コミュニティビジネス支援

地域の活性化のためにはコミュイティは非常に重要ですが、多くの場合、その意気込みどまりで終わってしまい、折角のSocial Goodな活動も身にならない場合が多いのですが、西武信金は、資金面、ノウハウ面からこれらコミュニティを支援しています。

□西武ソーシャルビジネス成長応援融資「Change」

NPOやソーシャルビジネスなど、社会や地域の問題解決にチャレンジする組織を「資金面」と「経営面」で応援。

□西武コミュニティローン(コミュニティビジネス支援ローン)

地元で地域貢献のためのコミュニティビジネスを営む団体に無担保で1000万円までの融資。

西武信金の理事のお話をおうかがいする機会がありましたが、地域金融機関としてのミッション感が溢れ、地域経済の活性化や地域住民の幸せこそが西武信金のビジネス源泉になると仰っておりました。地域エンゲージメントをとても大切にし、そしてエンゲージメントを高める施策を数々実行していらっしゃいます。

近年行き過ぎた資本主義による「悪いお金の循環」に組みする金融機関が多い中、「良いお金の循環」を司る金融機関が増えていけば世の中よくなるとの思いを強く抱きました。CSVは大手の金融機関が積極的に取り組むことで大きな歯車になるので、是非とも日本から「正しい資本主義」を提唱していければと思います。また、地域活性化のメインプレイヤーとしての地域金融機関にも多いに期待したいと思います。

Comment(0)

コメント

コメントを投稿する