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共創でマーケティングを変える!

2016年ソーシャルメディア施策パンチリスト(やるべきリスト)1

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最近はSNSのアクティブユーザー数比較みたいなものが出回らなくなりました。これはSNSユーザー数の増加が以前程伸びなくなったというコトだとは思いますが、その中でもインスタグラムのように急激に伸びているSNSも出てきています。

エンゲージメント・マーケティングに於いて重要な顧客アクション「共感」「参加」「推奨」を可視化する仕組み(詳細はエンゲージメント・モデルをご参照ください。)としてSNSは非常に重要なものです。ユーザー数の伸びが減ったとはいえ、依然重要な仕組みであることは間違いありません。2016年に於けるSNS施策のパンチリストを作ってみました。

  1. それぞれのSNSの特徴を踏まえた施策を行う
  2. 各SNSの最適化から、SNS及びオウンドメディアを含めたデジタル全体の最適化
  3. ソーシャル素材(主にInstagram)の他メディア、広告での活用
  4. ソーシャル・リーチからソーシャル・エンゲージメントへ
  5. エンゲージメント・ユーザーとの対話
  6. ソーシャル X リアル X オウンドメディア
  7. #tagをコミュニティとして活用(主としてインスタグラム)
  8. 中国マーケティングならwechat

まずは1のSNSの特徴を簡単にまとめてみました。今更こんなのわかってるよ!的なまとめで恐縮ですが、割とクライアントさんに「簡単でわかりやすい」と重宝されてます。笑

ソーシャルメディア一覧.001.png

この中で私が注目してるのは「Instagram」。ただし、「公式アカウント作って、Instagramで広告やって、フォロワー増やして」、というやり方ではありません。なぜならFacebookと違いシェアラブル(シェアしやすい)でもなく、フォロワーも集めにくいSNSです。

cocacola.pngのサムネイル画像実際コカコーラ社のFacebookファンは95,833,000に対してインスタグラムのそれは975,000です。インスタグラムにおける公式アカウントの重要性は他のSNSと比較し限定的だと考えます。どちらかというと、その企業、ブランドに関係する#Tagに於けるコミュニティとのエンゲージメント活動そのものが重要で、公式アカウントはそのコミュニティへ参加するための手段と言っても過言ではないです。そう言う意味では実にソーシャルなプラットフォームなのです。先にあげた#cocacolaは4,085,700の投稿があり、人気投稿の9枚への♡は15,220となり、この9人のフォロワー数は合計で40万人です。すなわち9枚で40万人にリーチしているのです。InstagramにはFacebookのようなエッジランク(つながりが深いファン、友人にのみ表示するアルゴリズム)がないので、フォロワーには全員リーチします。

流れでパンチリストの2,3ですが、企業ではこれらInstagramにアップされたファンの関連写真(自社ブランドなどの#Tag)を自社サイトにマッシュアップしたり、FacebookやInstagram公式アカウントで紹介したり、あるいは他のコミュニケーションなどに活用しています。事例としてBMW storiesをあげます。BMWではカタログ・販促サイトとBMWブランドサイト(BMW Stories)とを個別に立ち上げていますが、そのブランドサイトは自社のコンテンツとともにBMWファンのコンテンツをフューチャーしています。具体的には#bmwや#bmwstoriesの#Tagをつけて投稿されたファンの写真の中からBMWがピックアップし、自社ブランドサイトに掲載をしています。そしてこのサイトに訪れる他のファンが♡を押してくれています。面白いのはBMWのオリジナル写真と同様、場合によってはそれ以上の共感が得られています。多分、SNSで友人などの「リアル」な写真や動画を見る頻度が増え、TV広告などの企業が作ったクリエイティブの大半が「作り物」に見えるようになり、むしろ共感は「リアル」なものこそ得られるようになってきたものと思われます。同様に、自分の写真がオウンドメディアに掲載されるのはファンにとって最高の名誉です。エンゲージメントが強まることは間違いありません。まさに「共創マーケティング」です。

bmwstories.001.png

SNSでのコンテンツを定期的に考え制作し、アップするのはなかなか大変な作業で苦慮しているマーケターも多いと思います。我々が提唱しているのは、このような熱烈なファンのコンテンツ、特にInstagramにアップされたいい写真を活用することで、ファンとの共創によるエンゲージメントの強化、共感を得やすいコンテンツの活用によるエンゲージメント率の向上につながる「マーケティング・エコシステム」だと考えます。この点は次回述べます。

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