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共創でマーケティングを変える!

変な話、エンゲージメントって何? エンゲージメントを考える 1

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初めまして。この度オルタナブログでエンゲージメント・マーケティングについて駄文を書かさせていただく事になりました原です。エンゲージメントが重要だと感じるあまり昨年10月に「株式会社エンゲージメント・ファースト(エンゲージメント第一主義)」という会社を作ってしまいました。(笑)

お付き合いのほどよろしくお願い申し上げます。

さて、「エンゲージメント」です。

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ソーシャルメディア・マーケティング関連で「エンゲージメント」という言葉が使われだして久しいですね。やはりFacebookが使いだしてからだと認識してますが、実はこの「エンゲージメント」という言葉がマーケティング関連で使われだしたのは、実は2004年アメリカ雑誌協会が広告接触の深さを表す指標としてエンゲージメントという言葉を指標化しようとしたり、2006年4月アメリカ広告調査財団(ARF)ではGRPに変わる広告指標として検討したり、定義したりと意外に古いようです。(日経BP社LAP Aug.2006)

"Engagement is turning on a prospect to a brand idea enhanced by the surrounding context.“

(関係する文脈を強化により、潜在顧客をブランドアイデアに自発的に向き合ってもらうことをエンゲージメントと定義する)

背景には「メディアの細分化と『物申す生活者』の登場とにより、広告を受け手に届けるには今までとは全く異なる発想が必要だ」(全米広告主協会のシニアVP、Barbara Bacci-Mirque)などの発言のように従来のGRPを主とした広告管理指標での限界があるのだと思われます。

更に言うとエンゲージメントは、言うまでもなくマーケティング用語でなく、英語の意味は「理解しようとの意図を持って誰か/何かに関わること」(Oxford Advanced Learner's Dictionary, 6th edition )とあり、その語源の一つは、ユダヤの法律「Torah」で結婚を表す言葉、とのこと。日本語では、婚約、約束、契約、債務、雇用、雇用契約、(歯車などの)噛み合い、グループ活動への参加、交戦、とあります。この「意図を持って誰か/何かにかかわる事」が私的にはとても刺さってます。

ここ数年、マーケティング用語としてのエンゲージメントが定着してきた要因の一つは間違いなくFacebookの普及でしょう。友人とつながり、好きな企業やブランドとつながり、更にその投稿に「いいね!」「シェア」などの口コミ機能を通じて拡げて行くアクションは、「理解しようとの意図を持って誰か/何かにかかわる」行為そのもだと言えます。企業やブランドもFacebookページでの「いいね!」「シェア」を重用ししており、顧客とのエンゲージメント強化を目的におき、KPIをエンゲージメント率に設定する企業も多いようです。前述したように2006年にARFが指標化しようとした段階ではななかなその効果的な測定手段はなかったのですが、現在最も分かりやすく、可視化された、ブランドと顧客の関係性指標としての「エンゲージメント」だとも言えるでしょう。エンゲージメントは単なる商品のデザインやスペック、ましてや価格だけの話ではなく、企業とブランドとの共通の価値観が一致した時に深いエンゲージメント状態になるものと思われます。そういう意味では2010年ごろからグローバルのリーディング企業で採用されているCSV(Creating Shared Value:共通価値)概念にもつながっているものと思われます。CSVは今後このブログでも取り上げて行きたいと思います。

このブログではマーケティングにおけるエンゲージメントを掘り下げ、その重要性を論ずるとともに、実践的な活用にいかせるよう、フレームワークも考えて行きたいと思ってます。元Amexの同僚で、グローバルに活躍するNY在住のマーケター増田尚子氏にも参加してもらい、USでのトレンドや事例も交え、最新かつ普遍的なエンゲージメントマーケティング論を展開して行きたいと思ってます。また、日本の企業マーケターがこのエンゲージメントをどう考え、どう実行しているかも彼ら/彼女らへのインタビューを通じてシェアして行く予定です。

みなさん、マーケティングをエンゲージメントで再定義し、共創しましょう。

余談ですが、前述したARFの主席研究員のラダフォード氏に友人の紹介で3年前にお会いした事があり、いろいろとエンゲージメント、ソーシャルの話をお聞きし、感銘を受けました。そして、その頃、丁度彼が書きあげたばかりの本Listen First !をサイン入りでいただきました。この本は私のマーケティング・バイブルの一つで、そして、お気づきのように、この本のタイトルにインスパイアされて社名エンゲージメント・ファーストと名付けました。 (笑)

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