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ITの取材現場からインサイトを伝える「エンプラ」編集長ブログ

幾つ的中? 2008年「子年」のITトレンドを展望

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わたしも年男となる2008年「子年」最初のエントリーです。遅ればせながら、明けましておめでとうございます。

新しい年を迎えるにあたり、好例ですが、1月7日版のITmedia Podcast「マンデー・エンタープライズ」では、@ITの新野さんにも加わってもらい、2008年に企業の情報システム部門が注目すべきトレンドを展望し、幾つか紹介してみました。

「グリーンITの取り組みが米国で本格化し、日本企業の情報システム部門においても優先課題となる」

栗原さんのエントリー「2008年の抱負など」にもありましたが、わたしも「グリーンIT」が優先課題になると思います。データ量の爆発的増加に端的に表れているように、ITの適用範囲が急速に広がっています。しかし、このご時世ですので発電所を増やすわけにもいかないでしょう。消費電力を抑えつつ、旺盛なコンピューティング需要にこたえることがIT業界や企業の情報システム部門の課題となるはずです。

「柔軟性や使用効率改善のため、x86サーバを含む、すべてのカテゴリーのサーバで仮想化技術の導入が進む」

幾何級数的に向上するCPUのパワーを余すところなく活用する技術として、x86サーバにおいても「仮想化」が注目されています。また、サーバを物理的にいちから構築する必要がないため、急な需要に対しても迅速に仮想サーバを用意できるという恩恵もあり、同技術の広範な導入が進むとみられています。

「SOAによるシステム構築のアプローチが、システム間の連携・統合から、部品の組み合わせによるアプリケーション構築へと広がりを見せる」

これまでの国内の事例を見ると、大半は既存システムの統合基盤を構築するものでした。しかし、欧米の先進企業を追い掛けるように、企業内で標準化したサービス部品を呼び出し、組み合わせていくことでアプリケーションをつくる、「コンポジットアプリケーション」が主流となっていくでしょう。

「コンシューマーの世界で台頭するWeb2.0テクノロジーが企業の情報システムにも大きな変革をもたらし始める」

WikiやSNSのようなソーシャルソフトウェアが、より円滑なコラボレーションを実現するために企業に導入されるのはもちろんですし、SOAのアプローチによって用意された情報やサービスをエンドユーザーが状況に応じて「マッシュアップ」して使う「シチュエーショナル・アプリケーション」も着目され始めます。

「ITベンダーのM&Aはさらに活発化し、業界再編はますます加速する」

2007年は、ビジネスインテリジェンスやシステム管理製品の専業ベンダーが大手の傘下に入り、再編されました。2008年は、資金力の豊富な、Googleなどが思いもよらぬ買収によって、企業向けのSaaS事業を強化しないとも限りません。情報システム部門としては、できるだけ標準的な技術を採用し、製品開発の突然の中止にも対処したり、新たなSaaSの潮流も活用できるよう備えておくべきでしょう。

ただ、新野さんも指摘していましたが、標準技術が確立され、SOAアプローチによるシステム構築が浸透してくると、ITベンダーが買収によって製品を統合し、連携を保証してくれる必要性も徐々に薄れてきます。「買収しない戦略」も十分に取り得るわけです。

はてさて、幾つの予想が的中してくれるでしょうか? みなさんも、コメントを寄せてみてください。

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