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内村選手の金と、母の笑顔で思い出したP&GのオリンピックCM

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ロンドンオリンピックで内村選手が体操個人総合で金メダルを獲得した。

その日、深夜に帰宅してテレビを付けると「内村 現時点で1位」というテロップが踊っており、ついついそのまま食い入るように見てしまった。他を圧倒する素晴らしい演技だった。同じように私のTwitterやFacebookのタイムラインでも、体操、そしてサッカーを見ている人が多くおり、日本選手勢の活躍に対する期待が高まっていた。

そして、内村選手は手堅い演技を重ね、堂々の金メダル獲得。その直後に、観客席に向かって振りまく笑顔の先には、内村選手の母親の姿があった。

この光景を見て、まっさきに思いだしたのが下記のP&Gのロンドンオリンピック向けのグローバル企業CMである。

Best Job | P&G London 2012 Olympic Games Film

これは今年のカンヌライオンズで、フィルム部門・フィルム制作部門で金賞を受賞したCMだ。先日マーケティングコンサルタント会社のインテグレートで開かれたカンヌ報告会でも、代表の藤田さんが「このCMはズルイですね。良くできている。」と評していた。

オリンピックだけを見ていれば、「金取ったねおめでとう!」という感想だけだったかもしれないが、その裏側にあるストーリーを想起させるこのCMを見たために、内村選手の母親が泣きそうな顔で笑っているのを見て、こちらもちょっと泣きそうになってしまった。

こうした裏側のストーリーに焦点を当てるという企画は非常にオーソドックスではあるが、シンプルなメッセージで強い印象を残す。また、そのあと実際の場面と合わせて想起されることで、よりいっそうイメージが浸透する。

オリンピックを見ながらも結局広告のことを考えてしまう日々であった。

■参考記事: ねとらぼ
「アスリートの母」をクローズアップしたP&GのオリンピックCMが「泣ける」と評判
「世界で一番ハードな仕事は、世界最高の仕事。ありがとう、お母さん」――そんなメッセージを送るP&GのオリンピックCMが人気だ。

”YouTubeで公開されたCMは約1週間で再生回数が1000万回を超えた。ネットでは「感動」「泣いた」といった声が上がっている。

 P&Gは「ママの公式スポンサー」として、「ロンドンオリンピック出場選手のママたちと世界中のママたちに賛辞を送る活動」を行っている。P&G Thank You Momキャンペーンの一環として、若者のスポーツ振興に500万ドルを寄付するほか、CMがFacebookでシェアされるたびに1ドルを子どもの支援団体KidSport Canadaに寄付するとしている。"

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