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デジタルマーケティングの国際カンファレンス「ad:tech tokyo」に行ってきた

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デジタルマーケティングの国際カンファレンス「ad:tech tokyo 2010」が10月28日(木)から2日間、ザ・プリンスパークタワー東京で開催された。日本では今年で2回目の開催である。私は昨年参加できなかったのだが、その様子をTwitterで見かけてからこの1年間、このイベントは次は必ず参加しようと決めていた。

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開催内容については、ブースを一緒に回ったオルタナブロガー鈴木恭平氏が下記のエントリーを書いてくれている。今回私のエントリでは、こういったイベントに訪れることについての意義について少し書いていきたいと思う。

「ad:tech Tokyo 2010 - デジタル勝利宣言、その先は… (1)」

■広告業界の変化を感じる場

急激なデジタルテクノロジーの進化と、ソーシャルメディアなどの普及により、マーケターや広告代理店、そして私が所属しているようなメディアも含めて、広告業界はいま全てが大きく変わり始めている。そうした変化はずっと前からあったわけだが、ここに来てまた急速に「危機感」と「ワクワク感」が相まってきているように思う。それが今回ad:techで表面化した。昨年3,000人だった来場者数が、今年は7000人と倍増したのだ。初日で既に昨年を上回っていたらしい。

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朝早くから、(どちらかというと夜型な)広告業界の人たちが集まって真剣に話を聞いている様子はとても刺激を受けた。

■行動することこそ正義

このイベントに参加する前日、たまたまこんなTweetを見かけた。

ふと思ったこと。正社員採用でも派遣採用でも、エンジニア面接の時に「参加したことある勉強会」を今度から聞こうかと。自分から積極的にそういうのに通う人に大ハズレはあまりない気がする。
http://twitter.com/#!/m_norii/status/28808298034

私はエンジニアでは無いが、これはとても共感する考えであった。昨年末に縁あって取材させていただいた「若手エンジニアのソフトウェアテスト勉強合宿」に参加した方々を見ていても、こうした人たちが開発レベルを引っ張って行っているのだろうなと感じた。私自身も広告やPRなどの勉強会に参加しているが、参加者はみな意欲が高い。そしてそれぞれの会社やクライアントにそこで得た内容をフィードバックしている。(私もこうしたブログでのレポートや社内勉強会などで還元し、また、クライアントへの提案をより良いものにすることを常に意識している)

だからイベントや勉強会に参加していればいい、と言い切るつもりはないし、群れずとも突き進める人もいるだろうが、いずれにせよ、いま業界がどういう動向を示しているか興味を持っている人、何かしらそこで戦える武器を持っている人と一緒に働きたいと思うのは自然なことではないだろうか。そして、経営者やリーダーとなる人々には、こうした情報をキャッチアップした上で、さらに独自のVISIONを示して行く必要がある。そうでないと、ただ周りの環境に振り回されるだけだ。

10月31日に上がった切込隊長のエントリにも共感したので、ここに転載しておきたい。

この手の「流れを作る」ことのできる人というのは、とても貴重であるし、物事を作り出す力、新しい流れを呼び起こす力を持っている。だから、声ばかりでかくて何の能力もない人たちがどんな空気を作っても「俺はやる」と言い出してそのまま本当にやってしまう。

 それがいつの間にか、状況を変える力になっているかもしれないし、幕末の開国派みたいに、不思議な派閥工作の末に敗れたり知恵の足りない奴に暗殺されたりすることもあるのかもしれない。こればかりは、どうなっていくのか分からない。

 ただ確実にいえることは、行動を起こしている奴だけが正義だということ。そういう人の助けに、私はなりたい。
多少、叩かれるぐらいの「俺様」系じゃないと組織は引っ張れないし、未来は拓けない: 切込隊長BLOG

今回、ad:tech tokyoの最後のキーノートセッションは、シティバンク銀行株式会社のCMO(チーフ・マーケティング・オフィサー)であるCaleb Hunt(ケィレブ・ハント)氏の講演。彼は「デジタル」というトレンドやツールに囚われずに「顧客」にとことんフォーカスすることによって、デジタルを取り込みつつ新たな価値を顧客に提供した

「私は本気でデジタルを活用したマーケティングに取り組んでいる」と語る彼の言葉は重く、熱い目をしていた。「デジタル」が急速に普及していくと、既存の仕組みを取り込みながら便利になる一方で、マーケティングに関わる人々にとっては一層混沌とした世界が待っているかもしれない。

そこで彼のように確固たる意志を持ち、物語を紡いでいけるだろうか。楽しみだ。

●参考記事
・ad:tech TokyoでGoogleが語った広告の未来 - ASCII.jp
・デジタル広告の成功に不可欠な要素はテクノロジ、収益性、社会 - CNET Japan
・デジタルマーケティングの国際カンファレンス開幕 - YOMIURI ONLINE

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