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「朝マック」の広告考察その2 - メディア選択

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「朝マックという名前と、生活スタイルを認知させ、根付かせる」には、広告戦略としてはどの媒体でどれだけ露出を図るべきなのでしょうか?」

前回のブログの続きです。

そして、紹介したいと思っていた記事はこちら。
■クロスメディアでの媒体配分はゴルフのクラブ選択だ」―TABLOG
ライブドアのメディア事業部長の田端さんのブログです。

消費者の接触メディアの多様化への対応策として使われる最近の「クロスメディア」という言葉について、「単に売れなくなったマス広告を売るための「抱き合わせ販売」を「クロスメディア」と称し、目新しさのパウダーを振りかけて、陳腐な提案内容を正当化するだけ・・・みたいなプランニングも多い」と一蹴した上で(※1)、媒体ごとの予算配分を決める第一のポイントとして「リーチ(接触者)の人数規模」を挙げ、「そこに届かせるための紙やネット、テレビといった、複数のメディアを横断しながら、最適なメディアを選ぶのは、ゴルフでのクラブ選択のようなもの」と例えているのです。

さて、ここで「朝マック」の話に戻りますが、朝ごはん市場において、マクドナルドが儲けるための最善策は「マックで朝ご飯を食べる人の「数」と「頻度」と「単価」を増やす」ことでしょう。恐らく重要なのは「数」と「頻度」で、「単価」は逆に押さえてもいいでしょう。そこで最も効果的なのは「朝マック」というワードをターゲット(※2)に認知・浸透させること。まず膨大な人数に、何度もそのメッセージを届ける必要があります。つまり、とてつもないロングホールに立ち向かうのに等しいため、「必然的にキャディバッグから、ドライバー(=TVCM)を取り出す比重が増え」るというわけです。(田端さんの記事ではトヨタを例に出しています。)
また、「画面の大きさ」や「音」など広告の演出効果の点でもTVの方が優れている点はまだまだあるのかもしれません。(※3)

もちろん、マクドナルドはネットにも力を入れており、ITmediaでもその取り組みについて取材をさせていただいていますが、「広告」としてどこかのWEB媒体で露出をしているのは見かけたことが無いですね。。
■「ホームページは店舗だ」――マクドナルドが5年半ぶりのHP刷新に込めた思い

ある程度ターゲットが絞れた段階であればWEBが力を発揮できる部分が強くなるのですが、「まずは数千万人、数百万人にリーチしたい」という要望には答えづらいですね。

ただ、「ゴルフクラブ選択論」にもう1点付け加えで、そのクラブの「スイートスポット」にしっかり当てることが出来るか、も重要だと思います。これはクリエイティブの部分、もしくは商品力の部分でしょうか。いいクラブを持っていても、それがちゃんと飛ぶかどうか、カップに届くかどうかは、打ち手次第なわけですから。

って、いま気付いたのですが冒頭の課題に答えていない。。(続く?)


※1.この不況で複数の媒体にお金を出せないということから、「クロスメディア」ではなく、限られた予算内で最も効果を出せるメディアのみを使うしかない、という状況も生まれています。いまなら「レバレッジメディア」とでも言っておけば流行るかな?もう遅いか。

※2.既存顧客の購買行動からペルソナを絞ってアプローチするにしても、トヨタ以上に幅広い層にリーチする必要があるのは明白なのでターゲットの設定については省いてしまいました。ここらへんの仮説設定をもう少ししたかったのですが。。

※3. 昔自分はテレビCMを見て一喜一憂していた頃がありました。その「感動」をWEBで味わえるようになればいいなぁ。昨今のソーシャルメディアが台頭しているように、WEBでは「誰かと何かを共有する」といった「親近感」「信頼感」を与える、「人の深いところにリーチする」ということが可能になってきたように思います。

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