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デジタルコンテンツ流通の潮流を見据えて

大きな津波の中にいるぼくたち。ゆでカエルになる前に。

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 出版の電子化という波はぼくたちが考えているよりもずっと大きな波なのかも知れない。波の中にいるとその波の大きさが分からない。有名なゆでガエルの理論では『2匹のカエルを用意し、一方は熱湯に入れ、もう一方は緩やかに昇温する冷水に入れる。すると、前者は直ちに飛び跳ね脱出・生存するのに対し、後者は水温の上昇を知覚できずに死亡する』人間は環境適応能力を持つがゆえに、暫時的な変化は万一それが致命的なものであっても、受け入れてしまう。

 歴史上これまでに無かった大きな変化をぼくたちは経験している。出版の電子化を「グーテンベルク以来」と表現する人がいるが、ぼくたちが経験していることは「歴史上始めての変化」なのかも知れない。電子化された出版はインターネットが全ての人におおいかぶさることによる起きている非常に大きなメディアの変化の一部だ。

 こう理解できるようになったのは、最近のSNS、Social Network Serviceの進化を見るようになったからだ。Googleの検索やブログによる個人の情報発信は革新的な変化をもたらしたが、それ以上にTwitterそしてFacebookによる情報交換のしくみの台頭で世界は面から立体(クラウド)になった。個人がいとも簡単に自らの情報と考えを特定または不特定の人々に「いいね!」と伝え、Share(シェアー)し、またはRT(Retweet)する。なんの手続きもいらず、Facebookならば「いいね!」ボタン、TwitterならばRTボタンだけでみずからの同意または承認を表現する。そこに自分の考えも加えることで情報は単に伝達されるだけでなく変化していく。

 同じようにメールも情報交換の革新を推し進めている。ぼくたちは毎日メールを使って多くの情報交換を行なっている。メールにはSNSのような広がりは無いが、より濃いネットワークだ。個人やビジネス上のメッセージを送るだけでなく、ホームページやサービスのリンクURLを送ったり、他の人からのメールを転送したり、限られた(Closed)世界ではあるが非常に多くの情報が交換されている。

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