デジタルコンテンツ流通の潮流を見据えて

AmazonはKindleコンテンツを公開することにより電子書籍コンテンツ市場の制覇を狙っているのか?

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今日のニュースでAmazonがKindle for iPhoneなるものを発表した。これまででもiPhoneのSafariからAmazonのサイトに行ってKindle用のコンテンツを買うことはできたのだが、iPhoneの画面では使いにくいので専用のアプリケーションでコンテンツを選択した後にSafariに移動してそこで購入するというものらしい。3月にAmazonはKindle Reader for iPhoneをリリースし、さらにiPhone向けの電子書店をオープンして、KindleコンテンツはiPhoneでも読むことができるようになっているのだが、さらに今回サービスが拡張されてKindleコンテンツはもはやKindleユーザーだけのものではなくなった。

Amazon.comの情報によると、現在275,000タイトルの本が売られていて、iTunes StoreのApp Storeで無料ソフトウエアを入手すれば、これらのKindle用コンテンツを読むことができる(今日時点の制限では新聞、雑誌、BLOG系のコンテンツはiPhoneでは見られない。)Whispersync機能を使えば違う機器間でしおりを共有することができる。つまり、iPhoneで数ページ読んだところで中断しても、その後Kindleでもその場所から読書を再開できる。当初はコンテンツをiPhoneから直接購入することはできなかったのが、今回はそういった制約も無くなった。

Amazonの説明ではKindleのユーザー以外に電子ブックコンテンツに触れる機会を提供することで、キンドル購入に誘導したいというのが真意だと言っていたはずなのだが、もはやAmazonにとってKindleはどういう位置づけにあるのか疑問だ。Amazonの想定では、移動中など落ち着いて読書できないような場合はiPhoneなどを使い、落ち着いて読める環境ではKindleを使う、というのが理想的だという説明もあったが、説得力がない。将来的には、Kindleのような専用リーダーを含めてオープン化するつもりのようだが、Amazonの目論み通りいくだろうか?

こうしたコンテンツビジネスを主軸に置いたAmazonの展開を評価することもできるが、Appleが将来有力な読書端末を出してiTunesで音楽コンテンツと同じように売り始めた時に、Amazonの考えているビジネスモデルは持ち応えられるのだろうか?「アップルは電子ブック市場を意識的に避けている」という見解もあるが、音楽コンテンツ市場の数倍の規模を持つ書籍、雑誌、新聞市場を音楽コンテンツ市場を制覇したAppleが放っておく筈がない。AmazonはKindleコンテンツで先行することにより電子書籍コンテンツ市場の制覇を狙っているのか?Appleが音楽コンテンツ市場でとった戦略とは違ったやり方で電子書籍市場を攻めるAmazon。WhispersyncでKindleコンテンツを他のデバイスに開放するというJeff Bezosの戦略がどのように展開され、Appleがどのようにその前に立ちふさがるのか、興味はつきない。以下、ITMediaの記事を引用しておく。

ニュース iPhoneから直接購入が可能に: Amazon、Kindle StoreをiPhoneに最適化 iPhoneユーザーはPCやKindleを経由せずに、iPhoneのSafariで簡単に書籍を購入できるようになった。

2009年05月12日 08時48分 更新

 米Amazonは5月11日、同社の電子ブック向けコンテンツストア「Kindle Store」をAppleのiPhoneおよびiPod touchから直接利用できるよう最適化したと発表した。

 同社は3月にKindle向け書籍をiPhoneおよびiPod touchで読むためのアプリケーション「Kindle for iPhone and iPod touch」を無料で公開した。ユーザーはPCまたはKindleで購入してAmazonのサーバに保存した書籍をiPhoneでも読むことができる。これまでもiPhoneのSafariからKindleの書籍を購入することはできたが、PC向けのサイトで使い勝手が悪く、最適化したサイトの公開を求めるフィードバックがユーザーから多数寄せられていたという。

 Kindle for iPhone and iPod touchで「Get Books」ボタンをクリックするとSafariが立ち上がり、iPhone向けに最適化されたKindle Storeが表示され、書籍を購入できるようになった。


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