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主題に関係する情報に絞り込む

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技術屋のためのドキュメント相談所・所長の開米です。

更新が遅くなりましたが、前号の続きです。
農林水産省環境報告書2008まえがき(PDF)を元にして、こんなチャートを作ったところですが、

2014-0820-1.PNG


C群の情報が少々多いので、本題である「農林水産省の環境報告書」に関連のあるものに絞り込みます。こんなところでしょうか↓

2014-0829-1.PNG

こうして絞り込んでいくと、次々と「あれ? ちょっと違うな?」と思うところが見えてくるもので、たとえば「異常気象(豪雨、干ばつ等)による農作物収穫量減」という項目は「異常気象」と「農作物収穫量減」に分解でき、「異常気象」はC群よりはA群の具体例として挙げるべきものではないかと思われます。

また、「電気代」は農林水産省とは関係が薄そうですので削り、因果関係としては「農作物、漁獲量の減少が食費増を招いて家計に影響する」という流れになると思われるため、「日常生活」と「事業活動」も逆順に並べたほうがよさそうです。

2014-0829-2.PNG

このぐらいまで整理すると、ずいぶんとロジックが明瞭になってきましたね。

ちなみにこれで「まえがき」の中の冒頭一段落分だけです。引用すると下記の内容。

私たちの地球を取り巻く環境問題は、温暖化の進展、生物多様性の喪失、資源の枯渇など、日常生活や様々な事業活動と密接に関連しています。特に食を支える農林水産業は自然の循環機能と持続性の上に営まれており、地球環境の悪化は農林水産業に多大なる影響を与えます。
(出典:農林水産省環境報告書2008まえがき(PDF))

こうしたロジックを整理することを習慣化しておくと、業務成果を簡潔に報告する力がついていきます。

今回例に挙げたように、ほんの数行の内容でも、その論理構造を整理するワークを実際にやってみると、いろいろと気がつくことがあるものです。元ネタが数行であれば時間もそれほど長くはかかりませんので、週に1時間ぐらいでもよいのでやってみるとよいでしょう。

質問がありましたら、twitter, facebook, メール等で私宛にお尋ねください。
(たとえば今回の例について自分で書いてみたものを開米にお送りいただければ、喜んでコメントを書きます)
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