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デジタルでBtoBセールスはできるのか!?

BIの進化とWatson

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BI (Business Intelligence)ツールは決して新しいものではなく、90年代から多くの製品が市場に出始めたように思います。
営業実績や経営に関わる各種のデータを様々な角度から分析するという観点と、経営層や管理職向けに美しいグラフやチャートで見せるというビジュアライズの観点での利用が主な用途です。
分析については、多次元分析やキューブの作成といったキーワードをご存知の方も多いのではないでしょうか。ひとつのデータをとってみても、切り口を変えることによって様々な気づきが出てくる、たとえば営業担当者のビュー、地域のビュー、商品のビュー、といった多面的な切り口でデータを眺めることで、過去から現在までの動向とその原因の把握をしようというものです。
ビジュアライズについては、多忙な経営層がひと目見ただけでも企業の業績の動向や問題点が理解できるようにするもので、キーとなる項目に絞ってデータを表示するものです。予算を達成できなさそうな部門の数字を赤色のセルで表示することにより、何が問題なのかを直感的にわかりやすくするような表現がその代表例で、そういった見せ方からダッシュボードと呼ばれています。

Excelのような表計算ツールでもできないことはありませんが、表現に限界があるため、各社がツールを出しています。
そういった分析なり表示なりをするためには、もとのデータ(データソース)から必要なデータを引っ張ってきて、必要な加工を施してやる必要があります。その加工作業は、専用のBIツールでも必要となっていたため、多くの企業ではエンドユーザー部門からの依頼に基づき、IT部門が対応していました(エンドユーザー部門での機能的にはできるのですが、それなりのスキルが求められたのでIT部門が対応することが一般的でした)。
表示側クライアントの進化(モバイル端末の出現など)もあり、自分たちですぐにでも分析をしたいというエンドユーザー部門からリクエストが大きくなったこともあり、分析の専門スキルを持たない人でもいろいろな分析を自らできるようにツールを充実させたものが出てきて、それはセルフサービスBIとも呼ばれています。IT部門がメインだったタイプをトラディッショナルBIとすれば、こちらのタイプはデータディスカバリータイプのBIと位置づけられています。

昨今の傾向としては、さらに「スマートな」ディスカバリーができるBIが登場していることが上げられます。
アナリティクスは今後、過去の傾向を探ることよりも、今後何がおきるのか(Predictive)という方向がより重視されるのは間違いありません。それをサポートするのがスマートなディスカバリー機能をもったBIツールです。それを支えるテクノロジーがビッグデータであったり、機械学習だったりするのです。

IBMの最新のアナリティクスツール「IBM Watson Analytics」では、ユーザーの要求を認知する推論エンジンにコグニティブ・コンピューティングのIBM Watsonの技術が応用されています。コグニティブ・コンピューティングとは聞きなれないかもしれません。日本語では認知型という表現がふさわしいかと思います。世間一般では人工知能と言われることが多いのですが、IBMではWatsonを人工知能とは位置づけていません。このことについては、IBMブロガーの玉川さんのブログ「IBM Watsonは人工知能ではない。じゃあ、なんなのか。」をご参照ください。

IBM Watson Analyticsでは、データソースからいくつかのデータを放り込み、それに対して自然文による質問を投げかけると、Watsonの推論エンジンによりお勧めのデータ分析結果が表示されます。「このデータから見たいのはこういうことではないですか」「こういった見方もありますよ」「このデータの見方ならこのビジュアルがいいですよ」さらには「このデータは汚いんで分析に向いていないですよ」ということまで表示してくれます。今後どうなっていくかという予測分析の機能もあります。こちらにはSPSSのテクノロジーが活用されています。
こういった機能をクラウドで提供しています。そのため、分析についての知識やITに対するスキルがないエンドユーザー部門の方が、思い立ったときにすぐにでも様々な分析ができるのです。

このIBM Watson Analyticsには無償版もありますので、お気軽にお試しください。サンプルとなるデータも用意されています。

また、来週12月16日にはセミナーが開催されます。実際に手を動かしてWatson Analyticsを体験いただく場もありますので、よろしければご参加ください。

【12/16 開催】 クラウドで始めるアナリティクス - IBM Watson Analytics セミナー

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IBM 中山貴之のWeb Page

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