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デジタルでBtoBセールスはできるのか!?

最新ブランド価値ランキングを見ての個人的見解

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毎年、ブランド価値ランキングというのが発表されます。発表している会社は複数あり、時期や集計の仕方や異なっているようですので、このランキングで決まり、というものはありません。今週10月5日にアメリカのInterbrand社が最新ランキングを発表しました。このランキングは、Wikipediaによると、「大企業のCEOが最も注目するランキングの一つとされている」とのことでもありますので、このランキングを見ながら、私の思うところを少し書いてみたいと思います。

まず、今年のランキングですが、1位がApple、2位がGoogleで、この順位は3年連続となっています。Interbrand社のランキングでは、ブランドの価値を金額にして公表しており、Appleは1700億ドル、Googleは1200億ドルにもなります。以下、3位がCoca Cola、4位Microsoft、5位IBMと続きます。日本の企業ではトヨタの6位がトップで過去最高位を記録しているほか、ホンダが19位、キヤノンが40位、日産が49位となっています。

Interbrand社のサイトでは、このランキングをいろいろな角度から眺めることができます。地域別や業種でソートすることができるのです。地域別ではアジアが11社で、うち日本は6社です。ヨーロッパ&アフリカが35社、アメリカが54社となっています。

業種で見ると、Technologyが13社でこれは自動車の15社に次ぐ多さです。Apple、Google、Microsoftの他、Intel(14位)、Cisco(15位)、Oracle(16位)、HP(18位)といった、IT業界でおなじみの会社が入っています。ちなみに、FacebookはこのTechnology分類ですが、AmazonはRetailに含まれます。IT業界の人間からするとAmazon Web Services(AWS)のイメージにより大手ITベンダーと思ってしまいますが、世間的にはネット通販、ECサイトのイメージが強いのはまあ当然なのでしょうね。

興味深いのは「Diversified」に分類されるところでしょうか。私は単語を見てこれが何なのかわかりませんでしたので、辞書で調べてみると、「多角化企業」とあります。このDiversifiedに属するのがGE(8位)、SIEMENS(53位)、3M(59位)といったところです。CATERPILLAR(72位)もDiversifiedなのですね、私には建機のイメージしかないのですが、きっと他にもいろいろ手がけているのでしょう。

なお、IBMはTechnologyではなく、Business Servicesに分類されています。私個人としてはこれはちょっとうれしいですね。現在のIBMは完全にB to Bのみを手がける会社であり、単にIT(テクノロジー)を提供することを行っているのではなく、お客様のビジネスを伸ばすためのサービスを提供している、というとられ方をしているというのはなかなかいいことだなと思っています。ちなみに、このBusiness Servicesに分類されるのはほかに2社しかありません。42位のAccenture、71位のXeroxです。

B to Bという観点から話を少し広げますと、AppleやGoogle、あるいは自動車やFMCG(日用消費財)各社のように、ランキング入りしている大半の会社は一般消費者に向けたビジネスがメインです。IBMのようにB to Bのみ、あるいはB to Bが主力であるだろうと思われる企業はほかに、Intel、Cisco、Oracle、Accenture、Xerox、Caterpillarくらいでしょうか。自社をほめるわけではないですが、こうしたB to Bビジネスで上位にランクされる企業は、しっかりした理念と確かな信頼が社会に広く受け入れられている証ではないかと思います。

ランキングは水物のようで、大きく上げたり下げたりする企業も見受けられます。ランキングに一喜一憂する必要はないと思いますが、世間からの見られ方ということでは一定の意味があると考えます。来年以降も注目していこうと思っています。

Interbrand社ランキングサイト(2015)

世界ブランド価値調査、3年連続で1位Apple、2位Google ITPro (2015年10月6日)

地域分類 (数字は社数)

Asia Pacific 11
Europe & Africa 35
The Americas 54

業種分類 (数字は社数)

Alcohol 7
Apparel 4
Automotive 15
Beverages 4
Business Services 3
Diversified 5
Electronics 4
Energy 1
FMCG 10
Financial Services 12
Luxury 7
Media 4
Restaurants 3
Retail 3
Sporting Goods 2
Technology 13
Transportation 3

出典:Interbrand社ランキングサイト(2015)
※上記ランキングについての見解は個人的なものであり、分類等誤りがあるかもしれません。

IBM 中山貴之のWeb Page

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