人事・組織領域を専門とする、クレイア・コンサルティングの広報・マーケティング担当です。欧米の人事・組織・マネジメント関連情報をお伝えします。人事やマネジメントの方々にとって、未来の組織を作り出す一助になれば大変うれしいです。

やっぱりプログラミングは必要?

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クレイア・コンサルティングの調です。こんにちは。


2013年の10月頃に、


プログラミングなんて必修にしなくていい
http://www.creia.jp/blog/2013/10/17/2001


というタイトルのエントリーをupしましたが、そうはいってもそう簡単にはプログラミング重視の流れは止まりません。


上記と同様、Fast Companyに掲載された、プログラミングに関するエントリーを2つ紹介します。



さらなる早期化


SHOULD I TEACH MY KID TO CODE?
http://www.fastcompany.com/3033181/second-shift/should-i-teach-my-kid-to-code


上記のエントリーはNicole Laporte氏というFast Companyへ寄稿しているライターによるもの。自身はプログラミングが苦手で、大学時代もその授業の成績が低く苦労されたよう。


その彼女による、現在のプログラミングに関するビジネス界moukaruの認識としては、


As the movement to promote programming as the new "digital literacy" has taken off, driven by everyone from Bill Gates to basketball star Chris Bosh, a number of companies have cropped up seeking to introduce coding to kids as young as 5

ビル・ゲイツやバスケットボールのスター、クリス・ボッシュなど多くの人々によってプログラミングを「デジタル・リテラシー」として推奨する動きが始まったことにより、今や多くの企業が5歳くらいの子供にまでプログラミングを教えようとする事態になってきている。

5歳ですか。。私事ですがうちの息子も5歳ですが、プログラミングなんて。。


The idea is that children, with their sparking synapses and sponge-like brains, will be able to easily digest all the stuff that I had such trouble comprehending in my early 20s. It's the same thing that compels Type A parents to scour the city for Mandarin-speaking preschools and toddler violin lessons.

この背景にある考えは、シナプスが活性化し脳がスポンジのようになんでも吸収する子供たちだと、自分が20代前半に理解するのに苦しんだもの全てを簡単に消化できるだろう、というものだ。これは、意識の高い両親たちが街中を駆け回って、中国語を使っている幼稚園や、幼児向けのバイオリン教室を探しまわってしまうのと同じ現象だろう。

そしてここで主に紹介されているのはスウェーデンのベンチャー企業、Codarica。女性3人によって立ち上げられた会社で、まさに5歳から10歳の子供向けにHTMLを教える事業をやっている会社です。この会社がどれくらい注目されているかというと、


The company was recently accepted into the Disney Accelerator program and has relocated to L.A. for the 15-week week mentorship where they'll work with Disney executives as well as creatives from Imagineering, Pixar, Lucasfilm, and other arms of the Disney empire. That Disney is getting in this game is a clear sign it will be part of our kids' lives.

この会社は最近ディズニー・アクセラレーター・プログラムに招かれ、15週間の指導期間の間ロサンゼルスに一時転居した。そしてディズニーの経営幹部のほか、イマジニアリング、ピクサー、ルーカスフィルムやその他のディズニー帝国の会社群から来たクリエイター達と共同作業を行った。ディズニーがこのゲームに入り込んでいるということは、それが子供たちの生活の一部として今後入り込むという明確なサインなのだ。

とのこと。この会社の事業はぜひ原文や同社サイトをご覧ください。さて、著者は個人的にはこの風潮には懐疑的で


As I watch my 2-and-a-half-year-old son skillfully scroll through my iPad, choosing between episodes of Thomas & Friends and Pingu, and my 5-month-old daughter already casting mesmerized glances at my iPhone, I hesitate to give them another reason to be glued to a screen. Go outdoors! Jump in a pool! is my perhaps futile idea of how kids should spend their free time.

2歳半の息子が私のiPadをたくみにスクロールさせて機関車トーマスとピングーのエピソードを選んだり、5ヶ月の娘がすでに心を奪われるような視線を私のiPhoneに投げかけているのを見ると、また別の理由で彼らをスクリーンに縛り付けるのにはいささか抵抗がある。外で遊んできなさい!プールに飛び込みなさい!というのが私の子供が自由時間にすべきことに関する取るに足らないアイデアなのだ。

うちの1歳の娘も同じですね、ええ。。



プログラミングで何が学べるのか


さて、そんなプログラミングで何が学べるのか。


A more important question is whether a 5-year-old really needs to know how to code. Shouldn't other skills, like critical thinking and logic, be reinforced before teaching a child the steps to building a website?

もっと重要な疑問は、5歳の子供がプログラミングのやり方を知る必要が本当にあるのか?ということだ。ウェブサイトを作る手順を学ばせる前に、例えばクリティカル・シンキングやロジックを学ばせるほうが、より土台作りに役立つのではないだろうか?

とはいいつつも著者は、


At the same time, when I recall my own tortured introduction to computers, I can't help but welcome the idea of having my kids learn about them from a place of enjoyment and pleasure.

同時に、自分のコンピューターに初めて触れた時の恐ろしさを思い出すに、子供たちが楽しさや嬉しさといった観点からコンピューターを学ぶという点 については歓迎せずにはいられない。

と語っています。Codaricaの創始者の一人も、


"Children should have a chance to interact with it to see if they're taking to it, or if they're naturally talented in that way. If a child hasn't tried something, they don't know if they like it or not. It's like painting or acting."

「子供たちはそれ(〔コンピューター〕)に触れて、それが好きかどうか、そして生来の才能を持っているかを知る機会をもつべきです。もし子供が何もやってみなければ、それが好きかどうかはわからないでしょう。これは絵を描くことや演技することと同じことなのです。」

と語っており、特にプログラミングだけを敵視するのではなく、数あるスキルの一つとして見ていくという冷静な視点も必要なようです。



とはいえ、プログラミングは儲かる


ここでFast Companyのもう一つのエントリーを見てみましょう。


REPORT: CODING SCHOOL GRADUATES BOOST THEIR SALARIES BY 44%
http://www.fastcompany.com/3034023/fast-feed/report-coding-school-graduates-boost-their-salaries-by-44


coding schoolというのはプログラミングを専門で学ぶ学校です。経験者が新たに技術習得のために通う専門学校のようなものを想像してもらえればよいかと思います。そのスクールに関する調査において、


It's rare that graduates snag six-figure salaries right out of their programs, but a new report finds they've increased their average salaries by 44% to $75,965 annually. Among those employed full time after their programs, salaries jumped to an average of $80,607.

卒業生たちがプログラム修了後に6ケタ〔訳注:10万ドル以上〕の給与をすぐに掴むことはめったにないが、新たな報告によると、彼らの平均給与はこの1年で44%増の75,965ドルになった。その中でもフルタイムの正社員で働いている場合は、その給与は80,607ドルへと大きく伸びている。

という結果が出たのだそうです。もっともこれは新卒というよりは、ある程度年齢を重ねた人がその対象であり、平均年齢は29歳、平均就業年数は6年、授業料は平均10,000ドル、71%が大学を卒業、15%は院卒、とのこと。


社会に出てからでもプログラミングの技術をさらに伸ばしていけばそれだけ収入が増えるということであれば、今後ITの意義が無くなることが想像できない以上、小さい頃からプログラミングを学ばせることは、親にとっては大切な子供へのプレゼントなのかもしれません。



今日の話題は個別の人事というよりは未来の人材の育成に関するものでした。お読みいただきありがとうございます。



2015年の新卒採用を引き続き行っています。組織と人の領域について強い関心があり、今後も継続して学びながら働いていきたいという熱意をお持ちの方、今後、組織や人の領域における専門性を高め、プロフェッショナルとして活躍していきたい方は、ぜひご応募いただければと思います。コンサルタントとコンサルティングスタッフの2職種で、コンサルタントについては第二新卒の方もご応募可能です。

コメント

プログラミングは、論理思考の教育ツールとして最も重要なものである、というのが、慶応大SFCで16年間苦闘した結論です。
 問題なのは、日本で行なわれている「プログラミング」教育が全く論理思考の教育になっていなくて、パターンを覚えこませて、それを使う訓練をするだけになっていることです。5歳の子供に教えればできる程度のプログミング活動が、18歳の学生にはできないということが、私の直面した問題でした。
 その解決は、プログラミングを母語である日本語で行なうことでした。日本語で記述されたプログラムを実行すると、自分の思い通りには動かないものです。そこで、自分の書いたプログラムをじっくり読むことで、自分の思いと書いたものとの間の乖離を発見できます。このような活動がプログラミング教育の本質なのです。
 プログラミングを経験することの重要な教育価値は、人間は論理的ではないということを自覚することなのです。このことは、日本のプログラミング教育関係者には、ほとんど理解されていません。
 私は識字教育の一環として、母語によるプログラミング教育を行なうべきだと主張しています。

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